麻生さん、金がなくても結婚できるさ
8月23日、都内の学生との対話集会で行った麻生首相の発言が問題になっている。翌日、官房長官が慌てて釈明会見を行ったくらいだから、官邸にも批判の声が寄せられているのだろう。
その発言というのは、出席した男子学生から「お金が掛かるから結婚できず、少子化が進んでいるといわれているが」という質問がなされた。それに対して麻生総理はこう答えたという。
「金がないなら結婚はしないものだ。うかつにしない方がいい。」
「女性から見て、しっかり働いているのは尊敬の対象になる。稼ぎが全然なくて、尊敬の対象になるかというと、よほど何かがないと難しい。」
一般論として、結婚して家計を維持し家族を養うためには経済的基盤が必要だというのは、誰でも分かることだ。なにも麻生首相にわざわざ指摘されるまでもない。
しかし学生の「金が掛かるから結婚できない」という危惧に対しては、何の答えにもなっていない。
この後の「金はおれはない方じゃなかったが、結婚は遅かった。これは人それぞれだ。」という意見も、自分は金持ちだったが結婚は遅かったと言っているだけで、屁のツッパリにもならないのだ。
麻生太郎という人は、相手の意見をまともに聞いていないのか、それとも理解力が足りないのか、あるいはその両方なのか。
私事にわたるが、私も妻も高校を出てから実家からの一切の援助を受けなかったので、24歳で結婚した時はお金が殆んど無かった。もちろん当時としては珍しくなかったが。
多少の預金はあったが、アパート代や引越し費用を払うと消えてしまい、段ボールにビニールの風呂敷をかけてテーブル代わりにして、新婚生活をスタートさせた。
照明は天井から裸電球が一つぶら下がっているだけ。
とにかく何もないので、夜になってもやる事が無く、ついつい・・・・。だから直ぐに子どもが出来てしまった。これはちょっと余計か。
結婚式も友人たちが集まって会費制でやってくれたので、私たちは出費ゼロで済んだ。
要は「金がなくても結婚できる」ということだ。
時代が違うという意見もあるだろうが、当時でも私たちの結婚はかなり異色だった。
会場費を安くあげるために、都の勤労福祉会館の会議室を借り、テーブルを並べてその上にレンタルのシーツをかけて、披露宴会場にした。会館の人も初めてのことだといって驚いていた。よほど貧乏だと思われたようで、随分と親切にしてくれたのを憶えている。
愛さえあればなんてキザなことは言わないが、大事なことは二人の決意だと思う。
学生との対話集会であれば、麻生首相はもっと若い人たちを応援するようなメッセージを発する必要があったはずだ。
♪若者よ恋をしろ
身分やお金はないけれど
恋すりゃ希望もわいてくる
この世のパラダイス
どんなに苦労はあったとて
くよくよするな皺がよる
泣きっ面には蜂がさす
笑って生きようぜ
何がなくとも皺のない
若さと恋がありゃ
つらい浮世も楽しく生きられる
若者よ恋をしろ
身分やお金はないけれど
恋すりゃ希望もわいてくる
この世のパラダイス♪
(少し歌詞の記憶がアイマイだが)
東京都の石原慎太郎知事が24日、自民党の苦戦が伝えられる衆院選について「自業自得」とした上で、「総理大臣が漢字を読めなかったり、どっかの知事にものを頼みに行ったり、国民の軽蔑を買った。軽蔑が一番怖い」と述べた。
批判されたり嫌われたりした総理大臣は沢山いたが、軽蔑された首相というのは数少ない。
これはもう、マニュフェストや政策論争以前の問題だ。
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