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2009/09/12

【ツアーな人々】添乗員のチョットいい話

海外のツアーに参加する楽しみの一つは、添乗員からいろいろ話を聞けることだ。
私が最初に訊くことは決まっていて、「添乗員をしていて一番大変だったことは?」という質問だ。
多いのは客の重病や事故、なかには添乗員自身の病気というのもある。
手術ともなると家族の承諾書が必要になり、それも自筆のサイン(コピーやファックスではダメ)を求められると言うのだから、これは大変だ。

昨年のギリシア・ツアーの添乗員からは、客の事故死という答えがかえってきた。
あるツアーで、到着した初日に夕食後に外出した人が、ホテルから出たとたんに車にはねられた。救急車で病院に運んだがそのまま亡くなってしまった。
付き添いや家族への連絡などで、その添乗員は一晩中一睡もできなかったという。もちろん精神的なショックも大きい。
ただ幸いだったのはその人が一人参加で、しかも初日だったので親しくなった人が誰もいない、事故の事実も誰も気付いていないことだった。
大事なことは、そのツアーを続けなければいけない。
全てのことは会社や現地の旅行会社に託して、翌朝は何事もなかったようににこやかに他のツアー客を迎え、最終日まで予定通り旅行を続けられたとのこと。
「お一人都合でご一緒できなくなりました」と説明し、むろん死亡の事実には全く触れなかったし素振りも見せなかった。
「それよりツアー中に体調を崩し、毎晩、病院で点滴を打ちながら添乗を続けた時のほうが大変でした。」と、その可愛らしい女性添乗員は笑顔で語っていた。
いあー、プロだなと感心した。

今年のオーストリア・ツアーでの男性添乗員は、旅行中の列車事故をあげていた。
豪華列車で行く南アフリカの旅というツアーで、このブルートレイン100年の歴史の中で唯一の人身事故、他の列車との正面衝突事故に遭遇した経験である。
深夜、激しい衝撃とともに全員が床に投げ出された。幸い後方の車両だったので、大きなケガがなかったが、全員がどこかを打撲していて、とにかく列車の外に出て救助を待つことにしたそうだ。
なにしろアフリカの真ん中で、いつまで待っても救急車はこない。横になったまま数時間そのまま待たされたが、空には満点の星が見えた。
たまたま参加者の中に天文の専門家がいて、星座の説明を始めた。他のメンバーは痛みも忘れて聞き入っていたそうだ。
やがて病院に搬送され検査を受けたが、全員が打撲程度のケガと分かり、参加者の意志を確認したうえで、そのまま残りの旅行を続けることになった。
添乗員が機転を利かせて移動手段を確保し、このあとの観光スケジュールを変更することなく最後までツアーを続けられた。
ツアーでは最終日にアンケートを書くのだが、ほぼ全員が「事故にあったときはとてもショックだったが、あの素晴らしい星空と、そして天体にまつわる説明が聞けたのは、一生の思い出になります。」と感想を書いてくれたそうだ。
いやー、いい話だなあ。

こうしてアクシデントを乗り越えながら、一人前の添乗員として成長していくのでしょう。
次のツアーでは、あなたも添乗員のチョットいい話を訊いてみませんか。

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