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2009/10/28

「桂米朝」祝!文化勲章の受章

Photo「文化勲章に縁があるとは夢にも思わなんだ。えらいことをやってきたとは思えんのですが…でも、えらいことなんでしょうな」。
今年の文化勲章に桂米朝が、落語界で始めて受傷することが決まったが、その喜びの第一声でだが、いかにも米朝らしいモノ言いである。

噺家の経歴としては、珍しく落語の評論の世界から入ったせいか、この人によって沢山の古い廃れかけたネタを掘りおこされた。
米朝のCDの多くは演者自身が解説を書いているし、「桂米朝落語全集」シリーズでは、全ての演目に速記録が付録として収められている。
落語家であり落語研究家でもある、そうした米朝の特質が異例の受賞につながったのではなかろうか。
もちろん、消滅の危機にあった上方落語を復興させた功績も大きい。

こう書くといかにもお堅い芸人という印象も持たれるかも知れないが、さにあらず。
米朝の高座は愛敬があって、品の中に艶を感じる佇まいだ。
想像だが、京都の祇園や先斗町辺りで、そうとう遊んだのだろう。そうでなければ、あの色気は出てこない。
落語には一家言をもっていても、絶対に「落語とは・・・」などと客に向かって野暮な説教はしない。そこが立川談志と違うところだ。
自らの哲学は、自らの芸を通して語る。
それこそが「上方風流(かみがたぶり)」なのだろう。
絶品と評価の高い「地獄八景亡者戯」、「三十石夢の通路」や「百年目」といった大ネタはもちろん、軽い滑稽噺をやらせても実に上手い。
この人に比肩しうる噺家は、現在の東京落語界にはいない。

桂米朝は俳号を「八十八(やそはち)」といい、「東京やなぎ句会」のメンバーの一人である。
下に、いくつかの俳句を紹介するが、これがいかにも米朝らしい洒脱な味わいがある。

うちの子でない子がいてる昼寝覚め
夏の夜に置きたいような女なり
ふうわりと一ひら散りし牡丹かな
繭煮つつ中のカイコを思いけり
稲妻の帰りたくない夜の酒

ここ数年は病気や怪我に見舞われ、体力の衰えは隠しようもないが、まだまだ活躍して欲しい人だ。

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