鈴本演芸場11月中席・昼(11/13)
久々に平日の昼間に時間が空いたので、鈴本演芸場の昼席へ。
顔づけが良かったせいか、時間帯にもかかわらず客の入りが良い。
<番 組>
前座・柳家緑君「転失気」
三遊亭金翔「子ほめ」
鏡味仙三郎社中「太神楽曲芸」
柳家三三「たらちね」
橘家文左衛門「道灌」
大田家元九郎「津軽三味線」
古今亭志ん弥「権助魚」
春風亭百栄「トンビの夫婦」
大空遊平・かほり「漫才」
林家正雀「紙入れ」
柳家喜多八「小言念仏」
~お仲入り~
ダーク広和「奇術」
春風亭柳朝「牛ほめ」
五明楼玉の輔「作文」
大瀬うたじ・ゆめじ「漫才」
桂南喬「明烏」
ノンビリと寄席を楽しもうという会場のモードがひしひしと伝わって、演者たちもそれぞれお馴染みのネタで楽しませていた。
鏡味仙三郎社中は肝心の親方がいなくて、気の抜けたビールのような感じだった。
三三が珍しく浅いところで上がる。「さんざと読みます」との紹介に、会場から「さんざ? ヘェー」という声がもれた。フアンには有名でも、世間的には知る人ぞ知るなのだろう。隣席の人とずっとお喋りしている人もいて、結構気になるものだ。
やや短縮版の「たらちね」だったが、相変わらず間もテンポも良い。さっきの人が「この人上手ね」と感心していた。
文左衛門の相変わらずの「道灌」、元九郎の「上下でい」と続き、志ん弥の「権助魚」はやや平凡。
百栄の「トンビの夫婦」、亭主からDVを受ける度にプレゼントを貰える女房を羨ましがった友人の主婦が・・・、というストーリー。
ネットで調べたら、O・ヘンリーの原作を翻案したもののようだが、なんだか“O・ヘンナー”物語。面白さが分からなかった。
正雀の「紙入れ」、この人は性格が真面目すぎるのだろうか、芸が固いのだ。
一方、喜多八の「小言念仏」はいつ聴いても笑える。目の演技が良い。このネタでは現在喜多八が一番ではなかろうか。
仲入り後の、ダーク広和の「奇術」いつ見てもお見事。薀蓄手品に説得力がある。
柳朝の「牛ほめ」、前座噺も真打がやるとこうも面白くなるという見本。この人の高座には品がある。
膝前、膝と流して、いよいよトリは南喬「明烏」、言わずと知れた実力派だ。
主人公の時次郎、その父・日向屋半兵衛、そして遊び人の源兵衛と太助(二人のチョイワルぶりが良い)という主要な人物の描き分けもくっきりと出来ていて、骨格のしっかりとした「明烏」だった。
個々の演目や高座には注文もあったが、全体としてはとても流れの良い昼席となった。
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