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2009/11/22

#94朝日名人会

11月21日は有楽町朝日ホールでの「朝日名人会」へ。
この会場は向かい側にギャラリーがあって、いつも何かの展示会をやっているので少し早めに着くことにしている。この日は「書」が展示されていて15分ほど観てまわった。
殆んどが漢詩あるいは漢文の一節を書いたものだが、なかに数点、金子みすゞの詩が題材になっていたのは面白かった。
漢詩と金子みすゞ、どういう共通点があるのだろうか。

さて、この回は権太楼とさん喬の二枚看板が顔を揃えた。
冬季うつ病っていうのがあるそうだ。寒い時期になると気持ちが塞いで外に出るのも億劫になるし、家に籠っていると又さらに気持ちが塞いでくるという症状を指すとのこと。
それを防ぐには、寄席や落語会にせっせと出かけるのが良いと思う。
そんなわけで噺家一同に成り代わりまして、皆様のご来場をお待ち申し上げております。

<番組>
前座・古今亭志ん坊「元犬」
上手い前座が出てくると、後の芸人も締まってくる。
・五街道弥助「鹿政談」
上手くなったなぁと感心していたら、来春真打に昇進の予定だそうだ。端正で品のある風情が良い。
奉行のセリフを少しユックリと喋っていたが、こういう所が肝心なのだ。
・橘家圓太郎「三年目」
まるで艶笑譚のようなややエロティックな演出で客席を沸かしていたが、それでも下品にならないのがこの人の芸の力だ。
他の演者に比べて、後妻に存在感があった。こういう演じ方もあるのだ。
・柳家さん喬「雪の瀬川(上)」
かつて六代目円生が演じて以来、絶えていた噺だという。誰かが受け継がなければ消えてしまうのでいうことで、この度、高座にかけたようだ。
スジは「明烏」と「牡丹灯籠・お札はがし」を足して二で割ったような内容で、堅物の若旦那が次第に女色に溺れてゆき最後は・・・、という展開になるようだ。
長編なので上下に分けて、下は来月の会で口演するとのこと。
ネタおろしだろうか、少しコナレテいない部分もあったが、人物の描き方が丁寧で、だれることも無く、噺に引き込まれた。
このネタ、現状ではやはりさん喬しか演じられないのかも知れない。
【お詫びと訂正】
トシ坊という方からコメントでご指摘を受けたように、さん喬の「雪の瀬川」は既にCD化もされています。
ロクに調べもせず迂闊に「ネタ下ろしだろうか」などと書いてしまいましたが、お恥ずかしい限りです。
この部分を削除して、訂正いたします。

~仲入り~
・入船亭扇遊「厩火事」
いつもながらの本寸法。師匠・扇橋の指導がよいのか、この一門は揃って芸に品がある。
ただ髪結いの女房にもう少し色気が欲しい。このネタ、本当はとてもイヤラシイ話なのだ。
・柳家権太楼「二番煎じ」
こういうネタをきくと、歳の瀬が近付いたのかなと感じてしまう。近ごろは落語で季節感を味わうようになってしまった。
権太楼の手にかかると、どんなネタでも爆笑篇に変わってしまう。それでいて、噺の骨格は決して崩さない。この按配がよく出来ているし、それだけ計算もされている。
辰つぁんが「火の用心、さっしゃりやしょう」と言いながら何回も見栄を切る場面が可笑しかったが、個人的には北風に向かって声が震えるシーンが無かったのは淋しかっけど。

朝日名人会の来年前半までの予定が、次のように発表されている。

第95回 12月19日(土) 14:00開演
柳家さん喬・柳家小さん・柳家喬太郎
古今亭志ん丸・金原亭馬治

第96回 1月16日(土) 14:00開演
柳家権太楼・五街道雲助・古今亭志ん輔
桃月庵白酒・立川志の吉 

第97回 3月20日(土)14:00開演
柳家小三治・古今亭志ん橋・林家正雀
三遊亭歌武蔵・柳家三之助 

第98回 4月17日(土) 14:00開演
柳家さん喬・五街道雲助・桂ひな太郎
柳家三三・三笑亭可龍

第99回 5月15日(土) 14:00開演
立川志の輔・柳亭市馬・柳家喬太郎ほか

第100回 6月19日(土) 14:00開演
桂文珍・柳家権太楼・柳家花緑ほか

こうして見ると、あい変わらず落語協会(それも柳家と古今亭)が圧倒的で、そこに芸協と立川流がパラパラという具合だ。プロデューサーの好みもあるのだろうが、人気と実力が偏っている証拠だろう。
特に芸協には奮起して貰いたいものだ。

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コメント

子ほめ、じゃなくて、ほめ・くさん こんにちは

TheBeachと申します。「うつ病ブログ」というココログをやっています。

さて、まだ晩秋ですが、わたしは冬季うつ病が相まって症状が悪くなります。

たとえば、雨の日などはうつ病のわたしには、いやな天気です。

わたしが離婚届を役所に提出したのは、4年前の秋です。
それは、秋もかなり深まっていたころです。
肌寒く暗い空の日でした。
つい数か月前までは仲良しだった二人が、こういうことになるなんて・・・

こんな雨の日は、記憶がよみがえり、いやな気持ちになります。
冬季うつ病ってありますが、晩秋雨うつ病とでもいうのでしょうか。

落語はいいですよね!

かんかんのうでも踊って気持ちを切り替えます!

投稿: TheBeach | 2009/11/22 10:20

TheBeachさま
コメント有難うございます。
私はうつ病になったことが無いのですが、小学校3年生から寄席に行っていたためかも知れません。それとも根っからの能天気だったのかな。いずれにしろ余り突き詰めて考えない性分なんです。
世の中なるようにしかならないという、実にいい加減な人生観で今日まで過ごしてきました。
だから八つぁん、熊さんの世界と波長が合うのでしょう。
「かんかんのう」いいですね。「らくだ」という噺は結構陰惨なストーリーですけど、あの唄と踊りだけでパッと明るくなります。

投稿: home-9(ほめく) | 2009/11/22 18:03

さん喬師の「雪の瀬川」はCDにもなっていますので参考まで。
私は昨年池袋演芸場で通しで聞く機会があり、とても良かった印象があります。

投稿: トシ坊 | 2009/11/22 20:06

トシ坊さま
ご教示有難うございます。
不勉強でした。早速、親記事を訂正します。

投稿: home-9(ほめく) | 2009/11/22 20:22

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