よってたかって新春落語@よみうりホール
1月16日のダブルヘッダー後半は、有楽町よみうりホールで行われた「よってたかって新春落語 21世紀スペシャル寄席ONEDAY」に移動。同じ有楽町駅前だから楽チン。
主催は悪名高い「夢空間」。相変わらず当日のチラシ1枚作らず、他の公演の案内ビラばかり配布。反省しないんだよねぇ。
<番 組>
前座・瀧川鯉ちゃ「寿限無」
春風亭百榮「リアクション指南」
三遊亭白鳥「青春残酷物語」
~仲入り~
柳家三三「高砂や」
瀧川鯉昇「御神酒徳利」
鯉ちゃ「寿限無」、貫録のある前座で声が大きい。
百榮「リアクション指南」。新作には色々作り方があって、古典を下敷きにした新作というのがある。このネタは、「あくび指南」をベースにしたものだろう。
TVのバラエティ番組でリアクションだけの芸で出演しているタレントへの風刺も込められているようで、動きの面白さだけで見せていた。
白鳥「青春残酷物語」は、自伝的作品といったところか。
貧乏学生が3人集まってグチを言い合いながら呑むうちに、キャバクラで豪遊して食い逃げする計画を立てるというストーリー。
白鳥の作品としては分かり易い方だろうが、何せ全編ギャグ一色。従ってギャグに付いていけない客層には、あまり受けないだろう。
若い頃は小説家を目指した白鳥であるなら、もう少し学生たちの心理描写があって良いのでは。
仲入り後の三三「高砂や」、マクラでその白鳥の芸をサカナにしていた。舞台の上手と下手が分からなかったそうだが、白鳥ならそうかもと思ってしまう。
これもマクラで、新人のころ志ん朝から指導を受けていたと言っていたが、三三は志ん朝から芸人の美学を学んだのではないかと推測する。
落語家といえども客に観られる商売、やはりキレイにみせる努力は必要だ。
さて「高砂や」だが、オリジナルに相当手を入れて、三三ヴァージョンといっても良いほどだ。なにせ「間」がいいので、普通の二倍近く時間をかけて(30分)いるにも拘らず、飽きさせないのはさすがだ。
鯉昇「御神酒徳利」、三代目三木助の型に忠実で、あまり「らしさ」が無かったように思う。
そういう意味では、観客はやや期待外れだったのではなかろうか。
このネタはなかなか三木助や圓生を超える高座にお目にかかれない、難しい演目だ。
昼夜二公演を完走し、冷え込んだ夜道を辿って我が家に帰り、湯豆腐とクサヤの干物で熱燗。
ウーン、タマラナイねえ。
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