国税庁に騙されるな!e-Taxは簡単でも便利でもない
年金生活に入ると、毎年確定申告を税務署の出すことになる。
国税庁のHPにアクセスすると「申告書作成コーナー」があり、必要な金額をいれれば自動的に申告書ができあがる。証明書などを添付して税務署に持参するか郵送すれば終わる。
最近になって国税庁はe-Tax(電子申告)をすすめるキャンペーンを行っており、納税者にハガキでPRしたり、人気タレントを使って「簡単、便利」を宣伝している。
自宅のパソコンから送れるし、証明書の添付もいらないというので、今年からe-Taxに切りかえたのだが、これが看板に偽りあり。
カンタンでも便利でもないシステムだった。
以下に、手順に従って説明しよう。
最初にe-Taxが使えるパソコンの環境基準が国税庁のHPにのっているので、必ず事前に確認しておいた方が良い。
(1)先ず「住民基本台帳カードと電子証明書の登録」が必要になる。
申請は出張所の窓口でできるということで近くの出張所にいったら、直接区役所に持っていけばその場で手続きしてくれるので早いといわれ持ち帰った。
念のため区役所に電話で問い合わせしたら、申請からカード発行まで数日かかるので出張所で申請したほうが良いといわれ、再び出張所へ行くハメに。
窓口の係員が不慣れだったせいなのだが、こんな簡単な手続きを間違えるようでは困る。
申請から発行までの手続きはパスポートとほぼ同じ要領になるが、カードの発行手数料として1000円、それに電子証明書の500円が加わり、1500円取られる。
「住民基本台帳」というのは国が勝手に作った制度なのだから、無料にすべきではなかろうか。
住基カードの有効期限は10年だが、電子証明書は3年と短い。しかも転居したら無効になってしまうのだ。
3年ごとにこの手続きをするのかと思うと、気が重くなる。
写真なしのカードを受け取るときは、本人の写真がついた証明書が必要になる。これも、運転免許証もパスポートも無い人はどうするのだろうと気になった。
もうこの段階で、失敗したなと思った。
(2)「ICカードリーダー」の購入が必要だ。
カードの形式によって使えるカードリーダーのタイプが異なるので、事前に役所にカードの形式を確認してから購入したほうが良い。
メッタに使うものではないので、小型で安価な製品をお薦めする。
ドライバーのインストールは比較的カンタンだ。
(3)「公的個人認証サービス利用」などに必要なソフトを、e-TaxのHPからダウンロードし、インストールする。
全部で4つのソフトをインストールする。
(4)e-TaxのHPから開始届出用紙を提出し、「利用者識別番号」を取得する。
この16桁の番号が、いわゆる納税者番号になるようだ。
これからずーっと申告書に使うので、記録か保存をしておいた方がよい。
(5)初期登録として「電子証明書」の登録を行うのだが、これでつまずいてしまった。
手順に従って作業を行い、登録内容の送信ボタンを押したところ、送信不能のメッセージが出る。
先ずカードリーダーのメーカー(シャープ社)に電話して、ソフトのインストールと機器の作動についてチェックしてもらったが全て正常だった。
そこで国税庁のe-Tax相談窓口に電話したら、パソコンの設定の変更がいろいろ指示された。
設定を変えて送信、それでもダメ。また設定を変更して送信。
これを何回かトライしている内に、ようやく送信ができた。
この間、およそ1時間。
ここまで半日かけて、やっとスタート時点に立てたわけだ。
とにかく登録が終わってホッとしたが、もうこの時点で完全に後悔していた。
もし電子申告でなければ、(1)から(5)までは不要なのだ。
(6)マニュアルに従って「確定申告書」を作成した。
これを送信するのに、なぜか再度、電子証明の手続きがいる。
ところが証明書の添付が要らないということだった筈なのに、「医療費」などの領収書は添付が必要だということがここまで来て分かった。
税務署に持参か郵送しろというのだ。
それなら電子申告などやらないで、以前のように申告書を一緒に郵送すれば済むことだ。
時間と費用をかけて、無駄なことをしたことになる。
e-Taxで申告した初回だけは5000円が控除されるようだが、とうてい割があわない。
エライ人は何億円も脱税できるのに、納税に協力している私たちは住基カードの発行にさえ金を取られる。
以上のようにe-Taxはカンタンではないし、決して便利ではない。
国税庁に騙されないよう、ご注意を!
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ひどい!!!なんて意味のないシステム・・・ 腹がたちますね・・・。E-taxをなんのために始めたのか、どう便利にしたかったのか、全くわかりません。もっといい考えはなかったのでしょうか。
投稿: カナエ | 2010/03/13 00:06
カナエ様
e-Tax導入の目的は、納税率を上げるために、誰もが簡単に申告できるようにする事だったのでしょう。
システム導入にあたっては、膨大な費用をかけ、毎年人気タレントを使ってPRを行っています。
しかし一番肝心の、利用者の視点を忘れているために、こんな不便な代物になってしまった。「お役所仕事」の典型です。
さらに始末に悪いのは、改善しようという意志がないことです。
もう諦めるしかないですね。
投稿: home-9(ほめく) | 2010/03/13 09:51
なるほど。そうだったんですね。国税庁のホームページを見ていると、なんか面倒臭そうだなと思っていました。貴重な情報、ありがとうございます。
投稿: | 2013/03/09 21:14
そうだったんです。
国税庁は毎年有名タレントなどを使いe-TaxのPRをしていますが、改善しようなどという気はコレッポッチもありません。
あのタレントらのギャラも私たちの税金から支払われているんですから、正に踏んだろ蹴ったりです。
投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2013/03/10 08:59
昨日e-taxで確定申告を完了しましたので感想を書きます。
毎年使っているのですが、1年経つといろいろ忘れていることが問題です。来年は忘れないように反省して記録を残しておきました。
トラブル1.基本台帳カードの電子証明書が壊れていたので市役所でパスワードの再度登録をしました。
トラブル2.私は年金とコンサルタントの報酬を申請したのですが、不注意でしたが間違って給料と年金で作成しましたのでやり直しましました。
トラブル3.パソコンに公的個人認証サービスがなかったので、これもダウンロードしました。
トラブル4.収入では年金と雑所得を入れて医療料金を本人と妻のかかった病院名と金額を1件ずつ書くことが大変でした。
トラブル5.ここまでできたら、後は電子証明書のパスワードを入れて送信することでようやく完了しましたが、トラブルを解決できなかったため、睡眠不足になったことが最大のトラブルでした。
来年は忘れないように反省書をパソコンに残して印刷しましたが、とにかく多大変な苦労をしました。分かってしまえば優しいことですが、わからないときは面食らってしまう作業です。
忘れていましたが、windows10でやる場合には接触型ICカードリードライターを1450円で購入したことをつけくわて置きます。
投稿: Kazz | 2016/02/10 15:46
Kazz様
詳細な手順を紹介頂き有難うございます。
私の場合は、医療費の領収書だけは郵送か直接持参せねばならないという事で、e-taxの使用を断念しました。それならe-taxを利用する意味がないからです。
投稿: ほめ・く | 2016/02/11 09:05
現在は医療費の領収書の提出はしないでよくなったようですよ
以下国税庁e-taxのサイトから抜粋
添付書類の提出省略
医療費の領収書や源泉徴収票等は、その記載内容(病院などの名称、支払金額等)を入力して送信することにより、これらの書類の提出又は提示を省略することができます(法定申告期限から5年間、税務署から書類の提出又は提示を求められることがあります。)。
なお、マイナンバーに関する本人確認書類についても、e-Taxで送信すれば提示又は写しの提出が不要です。
投稿: きんた | 2017/02/16 19:05
きんた様
有難うございます。
ただ実際にこの作業をやってみると膨大な時間がかかり、それなら集計のうえ一括して税務署に持参した方が楽でした。
投稿: ほめ・く | 2017/02/19 16:11
この記事古いですね。書き直してください。今はマイナンバーカード使って無料です
投稿: くま | 2020/02/12 20:16
くまさん(IPアドレス:126.2.137.92)
古い記事を書き直せという不当な要求は断固拒否する、以上。
投稿: home-9 | 2020/02/12 22:42