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2010/02/12

「小沢一郎擁護論」は間違っている(下)「不起訴」こそ国策

結論からいえば、石川議員ら当時の秘書三名を起訴しただけで、小沢一郎を不起訴処分とした今回の検察の決定は大失態だった。
なぜなら、これほど悪質な違法行為を免罪、つまりこの程度はやっても良いですよというサインを出してしまったからだ。
検察の国策捜査といわれていたが、「不起訴処分」こそ国策だといわざるを得ない。

不起訴にいたった理由は三つあると思う。
第一は、政治資金規正法などの現行の法律が抜け穴だらけで、多くの不備があることだ。
例えば企業献金だが、企業や団体が献金を行うのはその見返りがあるからで、それ以外の理由はない。
だから広く見ればこれらは全て賄賂である。
特に建設業からの献金は、公共事業の受注と引き換えになっており、100%贈収賄だ。
今回の陸山会事件にしても、企業側は裏金を渡したと証言しているにも拘らず、元秘書側が受け取りを否定すれば立件できない。
もし小沢サイドの証言が事実とすれば、水谷建設の元会長は偽証したことになる。
検察はその辺りをアイマイにして、幕引きを図ろうとしている。
また、「政党転がし」による錬金術については、規制する法律さえない状態である。

第二は、もしこの程度の事件で小沢一郎が逮捕されるなら、国会はカラになりかねないという点だ。
陸山会事件についていえば、悪質の程度の差はあれ、全国で似たような手口の資金集めが行われているだろう。
仮に小沢幹事長を起訴し有罪にしたとすれば、今度は別の議員たちへの告発が進み、同じような裁判が次々と行われるようになるだろう。
検察としては、それは避けたかったと思われる。

第三は、政治的理由からだ。
自民党からすれば、小沢一郎が逮捕されたり有罪になったりするのは大歓迎だろうが、彼の資金集めの手法は元々自民党の伝統芸だ。
あまり厳しくなりすぎると、自分たちの首を絞めることになる。
それが証拠にこの件での国会論戦を見ても、自民党は小沢個人のスキャンダルレベルでの追及にとどめていて、この事件の根本的な要因には一切言及していない。
ブーメランになるのが恐いのだ。
小沢幹事長に政治的打撃を与え、鳩山内閣の支持率を下落させるという目的を果たした以上、元秘書の逮捕でお茶を濁す結果となった今回の措置で満足したのではなかろうか。
検察としても、民主党と自民党の双方にいい顔をしたかったのだろう。

裏金問題は検察にだってある。
裏金のあるところには、必ず不正な流用が付き物だ。というよりは、不正な流用をするために裏金が作られる。
検察自身があまりクリーンとはいえず、それでついつい矛先が鈍ってしまった、そんな事情もあるのかも知れない。
いずれにしろ小沢不起訴の決定は、検察としては大きな禍根を残した。

「小沢一郎擁護論者」たちは、それでも未だに「小沢vs.検察」の構図にこだわり続けている。
即ち、
小沢擁護=反検察=民主支持
小沢批判=親検察=民主不支持
という図式だ。
しかしこの考えは実情に合わないだけでなく、小沢批判者を全て敵に回してしまい、結果としてますます民主党への支持が減ることになるだろう。

小沢も悪いが、検察も悪いのだ。
両者痛み分けで、「大山鳴動して鼠一匹」のお粗末。

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