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2010/02/22

柳家三三独演会「冬」

2月21日は、なかのZERO小ホールで行われた「柳家三三独演会『冬』」へ。
蛍光灯がチカチカと瞬きしている薄暗い階段をあがり、会場にはいる。
いかにも場末の雰囲気が溢れているのだが、貸しホールなのだから、もうちょっとメンテナンスには気を配ったらどうだろうか。

三遊亭きつつき「新聞記事」
圓楽一門の二ツ目のようだが、三三の独演会になぜこの人を選んだんだろう?

柳家三三「万両婿」
「小間物屋政談」のタイトルの方がお馴染みだが、大岡政談のうちの「万両婿」ということに。
マクラでこの1週間、小三治一門でイタリアのコルティナ・ダンペッツォにスキーに出かけていて、昨日帰国したばかりと言っていた。
海外にスキーに行くなんぞ、いかにも小三治一門らしい。三遊亭じゃ有り得ないでしょうね。
頭を空っぽにしてきたせいか、三三が手拭いを楽屋に置き忘れたまま高座に出てしまった。書付を出すシーンで、フトコロをモゾモゾしていると思ったら、そういう事情だった。
長いあいだ寄席に通っているが、こういう光景を見たのは初めてだった。近ごろの客は優しいので、ヤジひとつ飛ばなかったけれど、あまりミットモイイ光景ではない。
肝心のネタ「万両婿」だが、ストーリーとして実によくできている。一歩間違えると陰惨な話になるところを、大岡裁きらしく最後は全員がハッピーとなり、後味が良い。
若狭屋甚兵衛の遺体を小間物屋小四郎に見誤ってしまう場面や、従弟の三五郎が最初はおときの店に手伝いとして入り、その後に夫婦となるという設定など、三三独自の工夫がなされ、説得力のある内容に仕上げていた。
こういうネタをサラリと演じるところに、今の三三の力が窺える。

~仲入り~
柳家三三「橋場の雪」
始まってしばくして「雪の瀬川?」、いや違う。もうしばらく進んで「夢の酒?」、いや違う。
結局は初見の「橋場の雪」。
ご存じない向きもあろうかと思い、粗筋を紹介すると。

大家(たいけ)の若旦那が店の奥でウツラウツラしていると幇間が訪ねてきて、向島で瀬川花魁と逢う約束していたことを思い出し駆けつけるのだが、ついつい吾妻橋を通り過ぎて、橋場の渡しの所まで来てしまい、間が悪くちょうど渡し舟が出てしまう。
土手の上で次の舟を待っていると雪が降り出す。
そこに傘をさしかけてくれたのが、三年前に亭主を亡くしたという三十ガラミのイイ女。
ようやく来た渡し舟で向島に着くのだが、一足違いで瀬川花魁と逢えず、もう一度元来た橋場に戻ると、先ほどの女が待っていて、家に上がることになる。
注しつ注されつしているうちに気分が悪くなり、次の間に用意されていた布団に入ると、そこに長襦袢一枚の女が「せめてお布団の隅の方にだけでも」と・・・。

全編を通しての程よい色気と、ヤキモチ焼きの女房・お花や大旦那、小僧の貞吉などの脇役もしっかりと描かれ、とても良かったと思う。
しばらくは三三の時代が続きそうな気配だ。

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