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2010/03/15

「兵器のある風景」@俳優座劇場

3月14日は初日を迎えた俳優座劇場プロデュースNo.83「兵器のある風景」へ。
といっても俳優座自身の公演ではないし、出演者に俳優座の役者は一人も出ていない。
ボクの青春時代には、民芸、俳優座、文学座が全盛期で、キラ星のごとくスター俳優が舞台に並んでいた。
乏しい小遣いをはたいて、そうした新劇を年に数回みにいくのが最高の贅沢だった。
それぞれの劇団も人気俳優が次々と独立してゆき、かつての面影はない。
会場で「俳優座って未だやってるのかしら?」などと話している客もいたが、それはチョットひどい。

作  ジョー・ペンホール
翻訳 常田景子
演出 坂手洋二
<キャスト>
大西孝洋/航空力学エンジニア・ネッド
中嶋しゅう/兄で歯科医・ダン
荻野目慶子/営業部長・ロス
浅野雅博/情報部員・ブルックス

ストーリーは、
航空力学エンジニアであるネッドは、室内でも正確に相手を識別する無人探査機を発明する。
これを実用化するのは膨大な費用がかかり、ベンチャーの営業・ロスは米国政府から出資させる方針をとる。
技術が完成すれば工業所有権は、ネッドらと米国政府との共有になるが、米国が51%を占めるため、決定権は米国政府が握ることになる。
そうなれば、米国国防省は兵器としてこれを使うし、イスラエルなど同盟国に輸出する可能性も出てくる。
ネッドの兄・ダンは、大量殺戮兵器として使われ、沢山の市民が殺される道具になってしまうことを指摘し、兄弟で激しい論争が行われるが、次第にネッドもその危険性に気が付く。
心変わりしたネッドは、ロスに契約書にはサインしないことを告げるが、事は安全保障上の問題にもかかわるわけで、遂には情報部員・ブルックスも登場しネッドの説得にあたるのだが・・・。
ざっと、こんな展開だった。

科学者が発明した最先端技術が軍事目的に利用され、商品として取引される。その結果、イラクやアフガンなどで無辜の民の殺戮に使われる。
開発者の苦悩と葛藤がテーマになっているのだが。
今ひとつ観ている側に説得力が乏しいのは、ネッドの発明品は誰が見ても兵器に使われるものであり、開発もネッド個人ではなく集団の力を借り、資金面で政府の援助を仰いだ段階で、利用目的ははっきりしていた筈だ。
ネッドが後から気が付くというのは、腑に落ちない。
職務発明の場合の個人の権利、共同開発の場合の工業所有権の比率など、エンジニアとして当然知っておかねばならないことがネッドは知らなかったというのも変だ。
せっかく出演者は熱演しているが、どうも筋がリアリティに欠けていて、舞台が空回りしている印象を受けた。

演者ではキャリアウーマンを演じた荻野目慶子が実にカッコイイ。
身長は低いのだが、スタイルがキレイで颯爽としている。
主役の大西孝洋の演技は申し分ないのだが、垢抜けしていない印象で損をしている。

公演は22日まで

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