「夜行・寝台」なんて嫌な思い出ばかり
「撮り鉄」ブームだそうですね。
確かにホームの端に立って、入線したり出発したりする車両にカメラを向けている人が増えました。
ただ良く分からないのが、廃止となる列車のラストランに、押し合いへし合いして写真を撮っている人たちで、あんな混雑状況でマトモな絵が撮れるのだろうかと思いますが。
もっと分からないのがニュースのインタビューなどで、廃止になって「残念ですね」「もっと永く続けてほしかったです」と答えている人たち。
それなら日ごろからドンドン乗ってあげなさいよ。
利用者が減って採算が取れなくなったから廃止したんでしょ。乗客さえいれば鉄道会社は運行しますよ。
20代のころ出張が多く、夜行列車や寝台車はしょっちゅう利用していました。
私の勤めていた会社は東北や中国地方、九州に事業所が多かったのですが、当時の上司が効率一辺倒で、出張は全て夜行か寝台でした。
会社で夜9時ごろまで仕事をして夜行や寝台にのり、目的地には朝方着きます。
そのまま出社して一日仕事。夜、先方を発って戻ってきて、東京に朝方到着。早めに着けば会社で洗顔と髭そりを済ませます。
これだとムダな時間が一切ないんですね。
しかし、やらされる方は大変です。
当時の工場は冷房も暖房もなかったので、夏なんか現場で作業してくると全身汗まみれになります。
でも、シャワーも浴びることができない。
東京に戻っても直ぐに出社になりますから、そのままの状態で翌日も勤務することになります。
さらに困ったのが、もともと寝つきが悪いので、列車の中ではうまく眠れないんです。
二等寝台は三段ベッドで、座っていても頭がつかえましたから、最上段で着替えするのは大変でした。
出張の荷物でもあれば、身体を真っ直ぐにして寝られません。
その当時の夜行列車は座席が木製で、4人がけボックスタイプです。背もたれは殆んど垂直でしたし、こちらは尚更きつかったですね。
今回廃止になった「能登」で金沢に行ったときは、とうとう一睡もできなかった。翌日は辛かったですよ。
今は航空機と新幹線を使えば、そんな思いをせずに快適に目的地に着くことができます。
私が40代になったころには、社内でも出張で夜行・寝台を利用する人は殆んどいなくなりました。
世間一般もそうじゃないですか。時々旅行で利用するならいいでしょうけど。
かくして夜行列車や寝台車を利用するひとが激減し、廃止に至ったわけです。
そんな事情を「撮り鉄」さんたちは、知ってか知らずか。
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正に管理人様のおっしゃる通り
撮り鉄は
真の『鉄道に対する知識や姿勢』なんてありません。
撮ることだけが目的であり
騒ぐ為の材料が欲しいだけです…
投稿: 筋金入りの鉄 | 2010/03/16 13:49
筋金入りの鉄さま
コメント有難うございます。
鉄道ファンと撮り鉄はイコールじゃないんですか。
鉄道を愛するが故に、その延長線上に写真や映像を追い求める人たちがいるのかなと思っていました。
節度に欠けるのは、そのためでしょうか。
投稿: home-9(ほめく) | 2010/03/16 23:41