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2010/03/11

【寄席な人々】往くひと来るひと

いま落語の魅力に目覚めて、新しい層の人々が寄席や落語会に足を運ぶようになっていますが、これに対してコアの落語ファンの中に一歩退いていきつつある人もいます。
いずれもブログのタイトルに「落語」を入れている方々です。
そのうちの築地の柳さんは、かつて年間300席(WOW! )の落語を聴いたと書いておられた熱心な落語ファンです。
昨年秋ごろから仕事の忙しさがあってか、ブログの更新が滞るようになり、寄席からもやや足が遠ざかっているような様子です。
毎年の恒例にしていた「今年の5席」(当ブログの「My演芸大賞」はこれを見習ったもの)も、昨年末は掲載を見送っています。

もう一人のジャマさんは、「個人的な事情もあって、しばらく落語会や寄席には行っていない」とあり、「禁落語」にしているが禁断症状は出ていないと書かれていました。
アル中ならぬ、「落中」に例えたものでしょうか。
しばらくブログの更新も休むとされています。
落語に一家言を持っておられる方で、その辛口の批評を読むのを楽しみにしていました。
また落語界の現状について、「特定の人気者の独演会をやっていればいいという発想では、いずれ飽きられる日が来ると思うんですが」という憂慮を表明しています。

今の落語ブーム(在京)を支えているのは、少数の人気落語家たちで、それもなぜか柳家一門(立川流を含む)が大半を占めています。つまり一極集中。
定期的に独演会を開き、あちこちの落語会にひっぱりだこなのは、そうした一部の噺家です。
そのなかの一人である柳家権太楼が週刊誌で、年間600席を口演していると語っていました。
こうなると、いつも良好なコンディションで高座に上がるのは困難でしょうし、明らかに喉を痛めているのに無理をして高座を続けている人も少なくありません。
そうでなければ、春風亭小朝のように手抜きするとか。
とにかく客を集めさえすればというイベント企画側の姿勢には、疑問を感じてしまいます。

私も、寄席に通い出してから60年などと偉そうにいってますが、その間には10年近く、全く寄席に近付かなかった時期もありました。
趣味ですから、波があるんですね。
ここ2年位は、演劇やコンサートへの回数が増え、落語を聴きにいくペースが落ちてきています。
でも落語のCDは毎日欠かさず聴いているわけで、決して落語離れではありません。

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寄席な人々」カテゴリの記事

コメント

ご指摘はごもっともだと思います。
少し偏ってますね、今のホール中心の落語会の顔ぶれ。
権太楼師匠は、寄席を大事にしている上に、頼まれたら
断れない性格もあるのでしょうが、体調が少し心配です。
そして、今の若い落語ファン中心とする“立川バブル”は異常です。
まぁ、いつかは冷めるでしょうけどね。
私は、今年は今まであまり出かけなかった近隣の地域寄席に行ったり、
チケットの争奪戦にまで発展しない好みの噺家さんの会を中心に、
無理せず行こうと思っています。
そして、よく拝見していたジャマさんや梅薫庵さんが、またブログで
復活されることを期待しています。

小言幸兵衛さま
コメント有難うございます。
今の落語ブームがいつ始まったかですが、私は2000年からだと考えています。
そうすうると今年で10年になり、そろそろ曲がり角を迎えつつあるのかなと思っています。
「立川流バブル」についてご指摘がありましたが、これに「襲名バブル」が加わっています。
話題性だけでは、いずれ馬脚が現れるでしょう。

鈴本(2月中席)で入船亭扇治が「位牌屋」を演りました。打順でいえば、2番という感じの方ですが、大変語り口がきれいでした。通ううちにそういう渋い存在を見つけることもありまして、所謂人気者を聴く以外にも楽しみはある、と勝手に思っております。

福さま
扇治もそうですが、入船亭一門というのは揃って本寸法で芸に品のある噺家が揃っていますね。
やはり扇橋師匠の仕込みが良いせいでしょうか。
私が好きだった三代目三木助の芸風は、現在この一門に受け継がれているように思います。

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