賑々しく高座舞「鈴本演芸場4月下席・昼(楽日)」
GW谷間の4月30日、鈴本演芸場下席・昼の部の楽日に出向く。
しばらく続いた冷え込みも終わったようで、街にでると初夏の日差しが降りそそいでいた。
< 番 組 >
前座・三遊亭はら生「やかん」
三遊亭金兵衛「権助芝居」
翁家和楽社中「太神楽曲芸」
三遊亭金八「四人ぐせ」
三遊亭歌奴「子ほめ」
すず風にゃん子・金魚「漫才」
金原亭世之介「堪忍袋」
柳家三三「湯屋番」
神田織音「唐人お吉」
鈴々舎馬桜「たがや」
~お仲入り~
東京ガールズ「音曲バラエティ」
柳家喜多八「あくび指南」
花島久美「マジック」
金原亭馬生「安兵衛狐」
大喜利<高座舞>
最近ふと思うのだが、落語家の転職率って、どの位かしらん。
落語家は全員が希望して入門してくるわけだが、何年かやってみて、やはり自分には不向きだと判断するケースだってあるだろう。
師匠から「お前は見込みがないからやめろ」といわれることは先ず無いだろうが、適性がない才能がないと自分で気付くことはあるだろう。
好きなことをやって飯が食えれば、世の中これほど幸せなことはないが、全てがそうそう上手くゆくわけでもあるまい。
客席から見ていて、この人はどうあがいてもムリだよねと思わせる噺家というのは、結構いるものだ。
稽古を重ねて芸を上達させるのは基本ではあるが、それで全てが解決できないのが芸人の世界だ。
今さら後へは引き返せないとしたら、この人はこのままで行くんだろうなと、そんなことを考えながら高座をみてる時もある。
イヤな客だね。
普段あまり高座にかからない珍しいネタがいくつか並んだこの日の番組で、注目したいのは世之介「堪忍袋」だ。
先日、同じ演目で市馬の高座をみたばかりだが、世之介の方が遥かに面白かった。
発端の夫婦喧嘩の理由が、最初はなんでそんなことで喧嘩するのと思わせておきながら、その裏に深い溝があったというところが、斬新だし説得力がある。
バックグランドが存在しているから、些細なことで衝突して時には破局に向かうわけだ。
ヒョッとして、世之介本人の体験?
堪忍袋に鳩山首相が「小沢のバカヤロー」と怒鳴り込むギャグも大受け。
いかにもマルチタレントらしい才気を感じさせる一席。
中トリの馬桜「たがや」は、もっと颯爽として欲しい。
トリの馬生「安兵衛狐」、やけに色っぽい幽霊だ。こんな幽霊ならウエルカム。
この日のお目当ては大喜利「高座舞」。
「落語家が踊りのひとつもできなくてどうする」ということで、故・志ん朝らが提唱して、若手落語家を対象に月に3回踊りの稽古をしているとのこと。
馬生(現役ではこの人が一番ではなかろうか)が進行役となって、その成果を披露しようという趣向だ。
出演者たちも扮装したり着ぐるみをきたりと工夫を凝らし、大いに楽しませてくれた。
全体に踊りはそれほど上手ではなかったが、こういうのはご愛嬌。
楽日ということで、踊りの先生である浅茅師匠も「夜桜」を舞ってくれた。
最後は「並木駒形」の総踊りで、メデタクお開き。
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