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2010/05/31

全般に低調だった「立川流落語会」(5/30)@国立演芸場

恒例となっている国立演芸場の立川流落語会、毎年人気が高い。
向かったのは3日連続公演の最終日。
発売日の昼近く電話したら、この日の1席分しか残っていなかった。つまり私のチケットで3日分の興行が完売になったわけだ。
さて、残り物には福があるかどうか。

< 番  組 >
前座・立川松幸「豆屋」
立川平林「名古屋弁・浮世根問」
立川キウイ「真打への道」
立川談笑「イラサリマケー」
ミッキー亭カーチス「饅頭こわい」
立川談幸「片棒」
―仲入り―
土橋亭里う馬「雛鍔」
立川談之助「漫談」
立川文志「字漫噺」
立川談四楼「柳田格之進」

全体的な印象としては、低調の一言だ。

良かったのは談笑と談四楼、そして本業は歌手のミッキー・カーチスだけ。
むしろ、立川流の若手・中堅の実力というのはこんなに低かったのかと、溜め息が出るほどだ。
例えば立川キウイ。
一応タイトルがついているが中味は漫談で、それも面白くもないサクセスストーリーを聴かされる破目に。
馬風がかつて「会長への道」を得意ネタにしていたが、落語協会会長が決まってからは高座にかけなくなった。
シャレにならないのだ。
因みに、書いた本が売れたり話題になったりしたことと、落語家の実力とはナンの関係もない。
もう一人の談之助の漫談はさらにひどい。
他の芸人が使い古したようなギャグをダラダラと並べているだけで、聴いててイライラしてくる。

立川流の会に来るような人の多くは談志ファンだろう。
弟子の噺家が談志のエピソードを語ると、それだけで観客が喜んでくれる。
そのことに寄りかかり過ぎる傾向が、一部の噺家に見られる。
ちょうど“笑点”出演の落語家が、ウケを狙ってしばしば“笑点”の裏話で笑いを取ろうとするように。
しかし、それは芸とは別物だ。

談笑の「イラサリマケー」、「居酒屋」を改作したものだが既に完成形だ。
とにかく面白い。先代金馬の「居酒屋」が現代に蘇ってきた。
やはり落語の基本がしっかりしているからこそ、これだけオリジナルを壊しても十分楽しめるのだろう。
独演会の人気が高いというのも肯ける。

トリの談四楼「柳田格之進」が、ダレていた最後を締めた。
人物描写がクッキリしていて、特に格之進の娘の毅然とした姿が良くできていた。
品と風格の保たれた、良い出来の「柳田格之進」だった。

他にミッキー亭カーチスの、決して上手とはいえないが、なんとも洒脱な味わいのある高座が印象に残る。
本職の噺家たちは、もっと見習ってほしい。

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コメント

なるほど、予想通りであったことが佐平次さんのブログで確認できました。
私は行こうとも思わなかったのですが、この顔ぶれで、私がお金を払って聞いてもいいと思えたのが談笑と談四楼の二人でした。
やはり、バブルを煽る立川流ファンが多いから三日間とも即完売、ということなんでしょう。

投稿: 小言幸兵衛 | 2010/05/31 12:26

先ほどのコメント、お名前を間違え大変失礼しました。

投稿: 小言幸兵衛 | 2010/05/31 12:27

小言幸兵衛さま
厳しいことを書きましたが、客席はよくウケてました。
他人様が喜んでおられるところを、野暮なことは言いたくないのですが。
せっかく年に一度の恒例行事で、流派の実力をお披露目するのであれば、もう少し気張って高座をつとめて欲しい、そんな感想を持ちました。
しかしまあ、満員御礼が続いている内は、なかなか気付かないかも知れません。
それにしても「立川流バブル」の仕掛け人って誰なんでしょうね。

投稿: home-9(ほめく) | 2010/05/31 17:18

「仕掛け人」は、志の輔、談春、志らくの三人の人気者を中心に取り上げることの多いマスコミやミニコミと、それに踊る若い落語ファンのクチコミ、そしてそれらの相乗作用なのかと思います。
home-9さんのようなまっとうな評論などは、非常に少ない。必要以上に彼らを祭り上げる評論家も、私の言うマスコミの中に入りますが、個人名を言うのは避けます。お察しかと思うので。

投稿: 小言幸兵衛 | 2010/05/31 20:30

小言幸兵衛さま
想像ですが、仕掛け人はもうチョット組織的ではないかと。
イヴェント企画やCD及びグッズの製作と販売、出版社、マスメディア、劇場など全般を取り仕切り、且つタイコモチ評論家も動員できるとなると、例えば広告代理店辺りではないでしょうか。
正蔵、木久蔵、三平や圓楽襲名にも、そのニオイを感じます。
実力さえ伴っていければ、それでもいいんでしょうけど。

投稿: home-9(ほめく) | 2010/06/01 11:22

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