【寄席は学校3】 「飲む・打つ・買う」は男の業
「三道楽煩悩」と書いて「さんどらぼんのう」って読むんだから、日本語はむつかしいネ。
俗にいう「飲む打つ買うの三道楽」のこってす。
これがキライという男はいないとされているが、さてどうだろう。
先ず「飲む」、ったってぇ青酸カリじゃない、もちろん酒だ。
体質的にアルコールを受け付けない人を除けば、だいたい好きだ。
アタシなんざぁ、酒を断つかあの世に行くかときかれたら、あの世をとりますね。
次に「打つ」、は博打(賭博、ギャンブル)だ。
現役時代の同僚にもギャンブルにはまって家屋敷を失ったり、多重債務で追い詰められたりしたのがいたけど、あそこまで行っちゃうんだよな、真面目な人間が。
いま相撲協会がゆれている野球賭博もそうだけど。
ああいう職業の人って、やはり賭博の好きな人が多いんじゃないだろうか。
それに相撲取りっていやぁ昔から「男芸者」って呼ばれていた。
やれ国技だスポーツ選手だと思えばケシカランとなるけど、男芸者と思えばマアしゃーないかと許せる気がしてくる。
そして「買う」、は女性を買う。
買春というと範囲が狭くなるが、「利益供与の代償として女性と性的関係を持つ」ってことになれば、身に憶えのある男はグッと増えるだろう。
アタシの見立てによれば、チャンスがあってパートナーに絶対ばれないなら、10人中9人の男は買春しますね。
それでも10人の中で1人は断る、それがこのアタシだ。
これら三道楽、どれをとっても世の中のためにならないし、本人のカラダや暮らしにも良いことはない。
とりわけ賭博や売買春は道徳上の問題もあり、御上は一応法律で禁止しているが、これが及び腰。
相手が成人であれば買春はお咎めなし。つまり「売る」方が悪いという理屈ですね。それも実際には組織的売春に限っていて、個人対個人のケースでは罪に問われない。
賭博でも、いわゆる公営ギャンブルは合法だ。
胴元が御上なら、どんどんやってくれという訳だ。
そのせいか、下々がやっている賭博でも殆んどが野放し。
たまに今回の野球賭博事件のように、思い出したように取り締まるだけだ。
法律を作った御上は男だろうから、やっぱり「三道楽煩悩」には甘くなっちまうんだろうね。
男の業(ごう)の肯定。
♪分かっちゃいるけど やめられない
それスイスイスーダララッタ
スラスラスイスイスイ・・・と♪
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