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2010/06/17

【野球賭博】ギャンブルの「官民格差」

相撲協会が「野球賭博」問題で連日ゆれていて、琴光喜以外にも豊ノ島や、ついには大嶽親方にまでその疑惑が及んでいる。
ただ、その報道の中で気になっていることがある。それは、野球賭博が暴力団の資金源になっていて違法だという指摘だ。
どこの資金源になっていようと、賭博は違法なのだ。
そもそも日本の法律では、賭博それ自体が禁止されている。
賭博(とばく、ギャンブル、博打)とは、一般に「偶然性の要素が含まれる勝負に財物(金銭、品物など)を賭け、その勝負の結果によって賭けた財物のやりとりをおこなう行為」をいう。
賭博の禁止については、刑法185条以下に定められている。

(賭博)
第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

このように日本の法律では、「籤(くじ)」を含む一切の賭博を禁止しており、賭博場を開くことや、「富くじ」に関しては取次ぎや授受さえも罪に問われることになっている。
違反すれば、いずれも最高刑は懲役だ。
全てがこの法律通りに運用されているなら、問題はない。
ところが競馬、競輪、競艇、オートレース、各種の宝くじ、サッカーくじ(toto)などは、明らかに賭博であるにもかかわらず合法とされ、堂々と開帳されている。
なぜサッカーなら合法で野球なら違法なのか、それはサッカーは「官」が行っているのに対し、野球は「民間」が行っているからだ。
全く同じ行為をしても、官がやれば合法、民がやれば違法、これが今の日本の現状だ。
これでは賭博が違法だという認識が薄れ、安易に手を出す風潮が改まらないのではなかろうか。

官が行う賭博が許されているのは、それなりに大義名分があるからだという言い訳も出来るかもしれない。
では代表的な競馬だが、戦前に当時の陸軍が軍馬の育成を名目として始めたものだ。
今では軍馬が使われることはなく、競馬を継続する理由はなくなった。
財政に寄与しているかといえば、地方公共団体が主催している競技の多くが赤字で、むしろお荷物になっている。
宝くじは、収益金が天下り官僚の高額給与に消えているなど、ムダ使いが横行していることが明確になったばかりだ。
一体、これら官で行っている賭博(ギャンブル)のどこに、公共性や公益性があるというのだろうか。
今回の事件の背景には、官が行っている公営ギャンブルを野放しにしてきた行政や司法にも責任があるのではなかろうか。

現行の法律に従って全ての賭博を禁止するか、あるいは一定の基準(規模、参加人数、金額、特区など)を設けて合法と違法の線引きをするか、とにかく官民同じ基準で法律を適用していく必要があるだろう。

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