国立演芸場7月上席(7/7)
ネットの時代になってから、寄席に行くにも事前に番組表をチェックしてからという習慣が身についてしまった。
でも本来の寄席というのはそういうものじゃない、という分けで今回は久々にフラリと七夕の国立演芸場に向かう。
7月上席は新真打の昇進披露公演で、この日は小柳枝門下の春風亭鹿の子がトリをつとめる。
< 番 組 >
前座・春風亭昇也「子ほめ」
春風亭笑好「ぜんざい公社」
春風亭柳太郎「新作(タイトル不明)」
ナイツ「漫才」
三笑亭夢之助「宗論」
春風亭小柳枝「青菜」
~仲入り~
真打昇進披露口上
春風亭柳好「悋気の独楽」
三遊亭小遊三「やかん」
北見マキ「奇術」
春風亭鹿の子「抜け雀」
中トリの小柳枝「青菜」、何度聴いても良い。このネタは、現役では小柳枝がベストだ。
短い噺だが、場面が二つ、登場人物は5人。
最初の場面は、植栽が行われた家の庭先で、ここでは暑い季節の中の涼感をいかに出すかがカギ。
家の主人が植木屋の水の打ち方を誉める場面と、植木屋が勧められるままに冷たい酒と鯉のあらいをご馳走になる動作で、涼しさを表現する。
特に大事なのは、いかにも風流人たる主人の描写で、奥様と同様にセリフや所作に品と風格が必要だ。
その対照的人物である植木屋職人との会話で、二人のセリフのリズムの切り替えが重要。
後半の植木屋の住まいの場面では、一転して暑苦しさの演出になる。
ここの女房は、その存在自体が暑苦しいと感じさせる。
訪ねてくる大工との会話では、すっかり主人に染まった植木屋との珍妙なヤリトリ。
押入れからの女房の飛び出し方。
それらいずれを採っても、季節感が溢れるマクラと共に小柳枝の演出は完成度が高い。
「青菜」が聴けただけでも満足だった。
漫才のナイツは面白かった。
ボケとツッコミの間が良い。
最近の東京の若手漫才師たちは揃って確実に進歩していて、楽しみだ。
鹿の子「抜け雀」、落語界ただ一人のママさん真打とのこと。
なかなかしっかりとした喋りで悪くなかったが、このネタを女性の声で演じるという不自然さは、いかんともし難い。
やはり女流落語家はハンディがある。
若手二人は初見だったが、つまらなかった。
普段からこんな風なのだろうか。
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