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2010/08/14

「遊雀たっぷり、ときどき鯉昇」at座・高円寺

「らくご@座・高円寺」の初日公演として「遊雀たっぷり、ときどき鯉昇」が、8月13日に座・高円寺で行われた。
要は、鯉昇をゲストに迎えた遊雀の独演会。
顔ぶれの割に客の入りが悪かったのは、お盆のせいか、高円寺という場所のせいか。

< 番  組 >
三遊亭遊雀「風呂敷」
瀧川鯉昇「船徳」
~仲入り~
林家二楽・他「紙切り」
三遊亭遊雀「居残り佐平次」

前座なしで遊雀が登場、これは正解で寄席以外の独演会などでは、前座を出すのはやめた方がいい。
明日、明後日とネタおろしを控えていて、そっちで頭が一杯と言っていたが、2席とも細かな言い間違いが目立ったのはそのせいか。
落語の稽古を近所のカラオケでしているとのこと。そういう使い方もあるのか。
「風呂敷」の冒頭で「また夫婦喧嘩」というセリフがあったが、別にこの女房は喧嘩して飛び出したんではないのだから、これはちょっと変。
実は家では女房の方が強かったという設定も、この噺の展開にシックリこない。
なんとなくエンジンが掛らぬまま1席目が終わってしまったような印象だった。

鯉昇「船徳」はもう十八番と言って良いだろう。
先代文楽とは異質の鯉昇版「船徳」になっているが、これとして完成形に達している。
かなりデフォルメしているようで、噺の筋はキチンと押さえているのはさすがだ。
何回聴いても面白いし、鯉昇の演出も毎回少しずつ変えている。
今回はどこが変わったのかと探す楽しみもある。
前半を終えたところで、あれ、今日は「鯉昇たっぷり」の間違いかと思ってしまった。

後半の二楽の紙切りには、遊雀や鯉昇、それに寒空はだかまでゲストで加わり、賑々しく。
ファンサービスが中心の、「紙切り」というより「大喜利」。

遊雀「居残り佐平次」は、後半の佐平次が座敷を回って客をヨイショする場面から面白くなってきた。
こういうシーンになると、遊雀の魅力がタップリと味わえる。
最後の、主人から30両強請る場面の小悪党ぶりも良く出来ていた。
惜しむらくは、肝心なところでセリフを噛むのが散見され、そのぶん興をそがれてしまう。

二楽から「東京タワーとかけて」と問われ、「遊雀と解く。そのこころは、後から抜かれる」と自嘲気味に言っていたが、半分冗談で半分本気とみた。
遊雀ファンには悪いが、数年前の三太楼時代の、人気・実力を喬太郎と競っていた頃の輝きは薄れてきているように思う。
小さくまとまって欲しくない噺家であり、やがては芸協の屋台骨を背負って立つべき人なので、巻き返しを期待したい。

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