「原爆を許すまじ」を国民歌に
【原爆を許すまじ】
浅田石二 作詞
木下航二 作曲
1ふるさとの街やかれ
身よりの骨うめし焼土に
今は白い花咲く
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの街に
2ふるさとの海荒れて
黒き雨喜びの日はなく
今は舟に人もなし
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの海に
3ふるさとの空重く
黒き雲今日も大地おおい
今は空に陽もささず
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
われらの空に
4はらからのたえまなき
労働にきずきあぐ富と幸
今はすべてついえ去らん
ああ許すまじ原爆を
三度許すまじ原爆を
世界の上に
ボクはこの歌を、今でもソラで歌える。
そして、いつも歌いながら胸が詰まってくる。
ネットで長崎出身の方が、毎年8月9日に学校でこの歌を歌ったと書かれているが、特に若い人たちの中では知らない人が大多数ではあるまいか。
どちらかというと平和運動や労働運動の歌として分類されがちだが、この歌こそは国民歌としての資格を十分持っている。
太平洋戦争の直後には、アメリカではもう原爆さえあれば他の兵器は必要ないとされ、大幅に軍事予算がカットされた時期があった。
その後も核兵器は増産され、一時期は地球上の人間を7回殺せる程の、”over killed”と称された保有量に達していた。
しかしその後の、朝鮮戦争でもベトナム戦争でも核兵器を使用すべしという強い意見があったものの、遂に使われることはなかった。
これは現在のアフガニスタン、イラクへの侵攻においても同様だ。
米国だけではない。
ロシア(旧ソ連)など他の核保有国も各種紛争などで、核兵器を使うチャンスはあったにも拘らず、実際には使用していない。
原因はいくつかあるだろうが、やはり広島と長崎の悲惨な被爆体験を通して、核兵器がいかに非人道的なものであるかが明らかにされたというの事が大きな理由だろう。
そして「原爆許すまじ」の歌詞にある「三度許すまじ」は、現状ではその通りになっている。
国際世論においても、ようやく核兵器廃絶の声が高まりつつあり、先ずは核軍縮の方向へ少しずつ歩み始めている。
国民歌というと、どうも軍国歌謡を連想しがちだが、そんなことはない。
戦後、今のサントリーが「われら愛す」を新国民歌として提唱したことがあるし、オリンピックや万博の歌も国民歌として扱われている例もある。
「原爆許すまじ」は、日本人しか歌えない。
ぜひ文科省あたりが腰をあげて、国民歌として制定して欲しい。
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Home9さま、テレビ今回の三重の災害の報道を見ていて、ふと、中学の時の先生が黒板に「原爆を許すまじ」の歌詞を書いて、教えてくれたことがあって、その4番目の歌がよみがえり、そっと歌いました。それで、1番2番はどんな歌だったのだろうとPCで検索したところ、あなたのサイトに出会いました。お礼を言いたくて、コメントを書いた次第です。これからも、ときどきあなたのサイトを訪問しますのでよろしく! nomano
投稿: nomano | 2011/03/23 21:32
nomano様
唯一の被爆国である日本から始まった原水爆禁止運動は、今ようやく国際的に核兵器禁止の声が高まるまでに進展しつつあります。
この歌はそうした運動の中心にあり、象徴ともいうべき役割を負ってきました。
イデオロギーを超えて、もっと多くの人に歌い継いで欲しい。そんな願いから記事にしたもので、お役に立てて幸いです。
投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/03/24 15:31