日本フィルハーモニー交響楽団@ミューザ川崎
現在ミューザ川崎シンフォニーホールでは“フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2010”を開催していて、8月8日には日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会が行われた。
このホールはJR川崎駅と直結しており、恐らく日本一交通便の良い劇場だと思われる。
シンフォニーホールは、螺旋構造をした客席空間が、中央のステージを360度取り囲むワインヤード形式を採用している。
舞台がちょうど谷底に位置しているような構造になっていて、これならどの席からも舞台が見えるだろう。
座席数は約2000席。
音響も素晴らしい。
2階席だったが、音が目の前で鳴り響く。
午後3時の開演だが、2時15分から弦楽器4名が加わった指揮者によるプレトークがあった。
曲の聴き所や、作曲家のメロディ創りの特長などが分かりやすく紹介され、私たちシロウトには有り難い。
【出 演】
指揮:シズオ・Z・クワハラ
日本フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ:安井陽子 *
クラリネット:伊藤寛隆(日本フィル首席奏者)**
【プログラム】
ラフマニノフ:ヴォカリーズ*
コープランド:クラリネット協奏曲**
ラフマニノフ:交響曲第3番
コンサートのテーマはロシアとアメリカだ。
ラフマニノフはロシアの作曲家だが、革命でアメリカに渡り二度と故郷の土を踏むことがなかった。
コープランドは米国人だが、ロシアからの移民の家庭で育った。
指揮者のシズオ・Z・クワハラは日本で生まれアメリカに移住、現在は米国を中心に活躍している人だ。
ついでに、日本フィルの主席指揮者ラザレフはロシア出身。
演奏だが、ソプラノの声とクラリネットの音には多少不満が残ったが、最後の第3番は良かった。
指揮者と演奏者の熱気が伝わってくるようだった。
日本フィルといえば、1972年に文化放送とフジテレビから一方的に放送契約を打ち切られ(その後和解した)財団は解散、と同時に楽団は分裂して新日本フィルがつくられる。
以後は争議を続けながら市民オーケストラとしての演奏活動を行い、財団として再建できたのは1985年になってからだ。
日本フィルが辿った苦難の道と、全財産を残して米国に渡ったため一時期、生活のために作曲家としてよりピアニストとして糧を得ていたとされるラフマニノフとが、頭の中で二重写しになって、演奏に聴き入ってしまった。
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