東宝現代劇75人の会「喜劇 隣人戦争」(9/12)
劇団東宝現代劇75人の会第25回公演「喜劇 隣人戦争」が、東京芸術劇場小ホール2で行われ、楽日の9月12日の舞台を観劇。
作:小幡欣治
演出:丸山博一
<主なキャスト>
下山田ひろの:隅田秀子
柳谷慶寿:徳永伸一郎
梅原妙美:徳永の妻、くに子
村田美佐子:徳永の母、富江
他
ストーリーは。
時は昭和50年代、団塊の世代がマイホームを持ち始めた頃だ。
古い住宅地に、同じ間取りの6軒のミニ開発の建売がたつ。
旧住民との軋轢、同じ生活レベルの新住民たちの見栄のはりあいから、隣人同士に微妙な亀裂が。
そこに更に2軒の新築が建つという計画が持ち上がり、賛成派と反対派に分裂して、「隣人戦争」の様相を呈するが・・・。
作品は1978年の芸術祭大賞に輝いたものだそうで、どこの家庭でも起こりそうな題材を使って、笑いあり涙ありの面白い芝居に仕立てられている。
およそ3時間の舞台は飽きさせない。
ただ登場人物があまりにステレオタイプであり、結末も「お約束」通り。
東宝現代劇というよりは、まるで松竹新喜劇を観ているようだ。
心に残る作品とは言いがたい。
演技に関して、先ずは苦言を呈さざるを得ないのは、セリフの言い間違いやトチル(セリフをかむ)が目立ち、その回数は十指をはるかに超える。
この日が千秋楽だというのに、役者にセリフが入っていないのだ。大して難しいセリフがあるわけでも無いのに。
これではプロ意識が問われても仕方あるまい。
せっかくの熱演に水を注す結果になっている。
演技力のバラツキが大きく、アンサンブルも決して良いとはいえない。
今回の舞台を観る限りでは、この劇団のウリってなんだろうと考えてしまう。
小劇場にもかかわらず舞台転換が9回もあったが、とても良く工夫されていてスムーズだった。
舞台監督(那須いたる)の技が冴える。
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