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2010/09/20

桂吉弥独演会(9/19)@国立演芸場

9月19日に国立演芸場で行われた「桂吉弥独演会」に出向く。
今年はもう9月半ばが過ぎているというのに、残暑を通りこした暑さが続く毎日だ。
NHKの「ちりとてちん」や「生活笑百科」ですっかりお茶の間にも名前が売れて、この日も満員の入り。
TVでも言っていたが吉弥の独演会は3席となっていて、「たっぷり感」がある。
3席となると仲入り前に2席演ることになるので、独演会の多くが2席になっている。
こういうサービス精神は嬉しい。
出演者は吉弥含めて、吉朝(もう亡くなって5年経つ)一門。吉弥は2番弟子。

桂佐ん吉「道具屋」
前座噺とされているが、どうしてどうして難しいのだ。
登場人物が多く、演じ分けが求められる。それでいて客との対話はテンポが必要だ。テンポに気をとられていると単調になってしまう。
厄介なネタである。
佐ん吉はその辺りを程よいバランスで演じていた。

桂吉弥「桃太郎」
今夏は暑かったというマクラから入って、昔話にちなんだ小咄をいくつか。
殆んどは以前からあったものだが、この日の客はよく笑っていた。こういう人ばかりだと芸人は楽だ。
1席目は軽めのネタで。

桂しん吉「雨乞い源兵衛」
古典かと思ったら、これは新作だった。
まるで芝居を観ているような筋立てで、とても良く出来ている。
ストーリーは。
40日も日照りが続き、庄屋が130年前に雨を降らせた男の子孫である源兵衛に雨乞いを依頼する。ところが源兵衛は雨乞いの方法など知らない。
庄屋にムリヤリ雨乞いを命じられた源兵衛はふてくされて寝てしまう。
天気というのは気まぐれで、たまたまその日から雨に変わり、源兵衛はすっかり村のヒーローになる。 
ところが今度は10日も降り続き、庄屋が今度は雨を止めてくれと頼む。
雨を止めてくれれば、源兵衛に庄屋の一人娘を嫁にくれると約束するが・・・。
しん吉の演出は民話風の素材を生かして好演。
特に狂言回しの二人の百姓の会話が秀逸。

桂吉弥「遊山船」
こちらも初見。
登場人物は喜六、清八、喜六の嫁の3名。
大川に夕涼みに来た二人連れが、浪花橋の上から大川を見ると、行きかう夕涼みの船で賑わっていた。
ちょうど稽古屋の連中を乗せた船が通りかかる。見ると芸者衆が碇(いかり)の模様のお揃いの浴衣を着ている。
喜六がこれを見て、浪花橋の上から「さてもきれいな碇の模様」と誉める。
すると船の上の女が「風が吹いても流れんように」とイキにしゃれて返す。
感心した喜六は、清八にお前の嫁さんはあんなことは言えないだろという。
家に帰った清八は女房を相手に・・・。
ストーリーは実に他愛ないものだが、川面の船と橋の上の賑わいを描写することにより、往時の夏祭りの雰囲気を醸し出すところが見せ場。
暑い時期に橋の上から夕涼みする長屋の住人と、大枚100円を払って屋形船を貸切り、芸者や幇間を上げて大騒ぎしている金持ち、これを二人の会話だけで描く。
吉弥の明るい芸風にピッタリで、実力のほどを示していた。

~仲入り~
桂吉弥「仔猫」
3席目はネタ出し。
一転して怪談風のストーリー。
船場のとある商家に田舎訛り丸出しのお鍋という女が奉公人としてやってきた。
かなりのご面相だが、これが実に良く働く。
他の奉公人の評判も上々で、中には自分の女房にしたいと言い出す者も出て来た。
ところがこのお鍋、夜になると別人のような不審な行動をとるようになる。
心配になった主人と番頭が、お鍋の留守に持ち物を調べると、その一番下には・・・。
お鍋、主人、番頭、その他の奉公人の描写がしっかりと出来ていて、最後まで惹きつけられた。
特に、お鍋に暇を出すときの番頭の逡巡ぶり、事実を打ち明けられて時の驚きの演技が良かった・

傾向の異なる3席を聴けて、この日の吉弥ファンは満足して家路についたに違いない。

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