J.J.カントロフ&上田晴子 デュオリサイタル(10/19)
10月19日浜離宮朝日ホールで「J.J.カントロフ&上田晴子 デュオリサイタル」が行われた。
リーフレットの解説によれば、2002年から8年間続けてきたこの会も、今回が最終回になるとのこと。
カントロフがこれからは指揮者に専念するというのが理由らしい。
フランス出身のヴァイオリニストとして巨匠であるカントロフだが、近年専ら指揮者としての活躍が多く、そういう意味でこの会は貴重だったといえよう。
【出演者】
ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン)
上田晴子(ピアノ)
【曲目】
フンメル/ヴァイオリンソナタ Op.64
ベートーヴェン/ヴァイオリンソナタ
第1番ニ長調Op.12-1
第2番イ長調Op.12-2
第10番ト長調Op.96
(他にアンコール3曲演奏)
カントロフは小柄でスリムな身体を、ダークグレイの一見すると中国の国民服のような装いに包んでいたが、着こなしが「粋」なのだ。
巨匠らしからぬ愛嬌のある風貌と身のこなしで、待ち構えている観客をリラックスさせる。
演奏が始まるや、流れてくる音は実に気品があり、ウットリ聞きほれてしまう。
特にベートーヴェンのソナタ第2番は、こんなに美しい曲だったっけと思わされる程だった。
解説で上田晴子が、ベートーヴェンのソナタ第10番第2楽章を完璧に弾きたくて、この8年間を向き合ってきたとあるが、この日の演奏でその思いは十分に観客に伝わったのではなかろうか。
それほど、この日のピアノ演奏は素晴らしかった。
最後は会場全体の温かい拍手に包まれ、演奏者も3度のアンコールでこれに応えた。
出演者と観客が一体となった心温まる、とても気持ちの良い演奏会だった。
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