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2010/10/09

西のかい枝・東の兼好(10/8)@横浜にぎわい座

横浜にぎわい座での第10回「桂かい枝・三遊亭兼好二人会」が10月8日に行われた。
1階席の7分ほどの入りでやや寂しいが、その割に熱気があるのは固定ファンが多いせいだろう。
昔シャンソンで「幸福(しあわせ)を売る男」という歌が流行ったが、芸人というのは「幸福を売る人」であることが望ましい。
観ているだけで楽しくなる、そこにいるだけで面白い、そういう芸人だ。
三遊亭兼好の魅力を一口でいえば、これに尽きる。
芸という面からだけみれば注文もあるが、芸人は芸と同時にキャラを売る商売であり、その点で兼好は天性の才能を持っている。

かい枝・兼好「オープニングトーク」
10月1日にかい枝が車上あらしにあった話題を中心に話が弾む。
落語家にはピッタリの自虐ネタで、悪霊を落としてあげるからと霊媒師に1万円取られるオマケつき。
ぼやくと、奥方から「あんただって似たような者」と言われというオチもついていた。
笑福亭笑助「牛ほめ」
入門して13年となれば、東京ならそろそろ真打に手が届きそうなキャリアだ。
表情が硬く愛嬌がない。
その辺から改めないと、この世界ではやっていけないのでは。
三遊亭兼好「黄金の大黒」
大家と店子の子どもたちが普請場で遊んでいるうちに、大家の倅が黄金の大黒を掘り当てる。
お祝いに店子が招待されご馳走にあずかることになったが、着ていく羽織が長屋に1枚しかない。
順繰りに着まわししながら大家に挨拶に行くが・・・。
宴会の食事の場面をカットした短縮版だったが、チグハグな祝辞や、大家の倅を鉄の棒で殴ったエピソードなどの笑わせ所はしっかりと押えて、軽快なリズム感に乗った楽しい一席。
桂かい枝「星野屋」
星野屋の主、妾・お花とその母親の人物像がクッキリと描かれていて、良い出来だった。
以前桂文珍で聴いたが、比較してかい枝の方が上なのは、お花に色気があるせいだろう。
このネタは東京でも演じられるが、やはり上方向きだ。

~仲入り~
桂かい枝「豊竹屋」
見たことを何でも浄瑠璃にしてしまう男と、口三味線で洒落をいう男の組み合わせ。
こういう馬鹿馬鹿しくてコッテリとしたネタも、やはり上方向き。
かい枝の高座は派手さこそないが、一つ一つが丁寧に演じられている。
三遊亭兼好「蒟蒻問答」
このネタ、坊主になるのが江戸で遊び人だった八五郎であり、上州安中のコンニャク屋の六兵衛も元はといえば江戸のヤクザの親分、という重層的な人物設定になっている。
兼好の演出はそうしたところを無視して、真っ平な人物として描いている。
軽快だし面白かったが、そのぶん平板になってしまい、深みに欠ける憾みがあった。
この辺りは賛否が分かれる所だろう。

対称的な芸風の二人会、これからも楽しみだ。

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コメント

都合で行けなかったんですが、良かったようですね。
オープニングトークの内容を拝見し、『人形買い』をちょっと思わせて笑ってしまいます。
二席づつのネタも、どれも聞きたいものばかり。
この二人会はぜひ続けて欲しい。
次回はなんとか行きたいと思っています。

小言幸兵衛様
数ある二人会の中でも、この会は充実したものになっています。
何より、お互いが競い合うという心意気が感じられます。
贔屓の常連客が多いのも肯けます。

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