#15たから寄席@寳幢院
10月23日は午後から「第15回たから寄席」に、そして夕方からは「第10回三田落語会」に掛け持ちになった。
双方ともいわゆる地域寄席というカテゴリーに入る催しだが、後者(エントリーは明日)が「本格・本寸法の落語」という明確なコンセプトを打ち出しているのに対し、前者のコンセプト、もっと言うなら何を目指すのかその方向性がはっきりとしていない、そんな印象を受けている。
その差が、二つの会の評価に現れてしまった。
今回のたから寄席は「鯉朝・談笑二人会 〜新作攻撃」という趣向。
< 番 組 >
瀧川鯉朝「動物圓」*)
立川談笑「薄型テレビ算」
~仲入り~
鯉朝・談笑「フリートーク」
立川談笑「猿のゆめ」
瀧川鯉朝「街角のあの娘」*)
註*)鯉朝の2席のタイトルは自信がないので、間違っていたらご指摘ください。
瀧川鯉朝は初見だったが、この日の印象としては見るべきものが無い。
1席目は既存の「動物園」を落語家に置き換えたネタだが、人間の皮を剥いだものをかぶるというのは、いかにも後味が悪い。
このネタはこの日で終わりにすると宣言していたが、過去の落語会でも同じことを言っていたという記録がある。
2席目はただダラダラと長ったらしく、退屈した。得意ネタのようだが、良さを感じなかった。
フリートークでは自らの新婚生活を語っていたが、私は芸人が自分の家庭や家族のことをアカラサマに喋るのを好まない。
師匠である鯉昇もマクラで家庭のことを話題にするが、あれは100%ネタであり、フィクションなのだ。だから面白く聴ける。
芸人が実際の家庭生活を客に聴かせてどうする。喋るならネタとして昇華したものを披露すべきだろう。
観客におもねる喋り方も、甘ったれているようで聞き苦しい。
談笑の1席目、「壷算」をTVに置き換えたネタだが、2-3年前に国立演芸場で聴いたときはそれほど面白みを感じなかったが、この日の高座は面白かった。
何が違うかといえば、売れてる芸人の勢いだろう。
2席目は病院での精密検査で猿と診断された男の話で、オチがよく工夫されている。
2席ともテンポが良かった。
談笑の高座をみていると、観客との距離間の取り方が巧みで、さすがプロと思わせる。
そこが鯉朝との決定的な違いである。
次回は鈴々舎わか馬改メ柳家小せんの襲名と新真打披露+川柳川柳という企画、う~んよく分からない。
冒頭でも述べたが、この会は何を目指そうとしているのか不明。
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