ビデオ流出者は「鼠小僧」である
仙谷由人官房長官は8日の記者会見で、尖閣諸島沖での漁船衝突事件を撮影したとみられる映像がインターネット上に流出して以降、海上保安庁に「激励」の電話が相次いでいることについて、「公開して『よくやった』というのか。犯罪行為を称揚することで、そういう気分は日本国中に少々あるかも分からないが同意はしない」と不快感を示した。
既に司直による捜査も開始されたが、流失させた「犯人」に拍手を送る人も少なくないだろう。
そこで思い出されるのが「鼠小僧」。
江戸時代の化政期に大名屋敷を専門に荒らした窃盗犯である。鼠小僧次郎吉とも。
伝説によれば鼠小僧は、汚職大名や悪徳商家から盗んだ金銭を、金に困った貧しい者に分け与える義賊とされ、今でも歌舞伎や落語など伝統芸能の世界ではヒーローだ。
昔から「悪事はすれど非道はせず」という言葉がある。
悪いことはしていても、人の道に外れたことはしていないという意味だ。
ビデオを流出させた行為そのものは犯罪には違いない。
しかし国民の知る権利を無視し、不当に隠していた情報を私たちに開示させた行為は、決して非道ではない。
だから、ビデオ流失の犯人は「鼠小僧」である。
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