#11三田落語会(12/18昼)
12月18日、仏教伝道センタービルで行われた「第11回三田落語会・昼席」に出向く。
< 番 組 >
前座・春風亭朝呂久「饅頭恐い」
春風亭一朝「蛙茶番」
桃月庵白酒「妾馬」
~仲入り~
桃月庵白酒「真田小僧」
春風亭一朝「火事息子」
落語ブームに乗って雨後の筍のように新しい落語会が生まれているが、この「三田落語会」はスタートから丸2年と比較的新しいにも拘わらず、地域寄席として老舗の位置を固めつつあるようだ。
民主党政権と異なり、「本格・本寸法」を目指すという主張を貫き、ぶれない。
出演者も主催者の好みがハッキリとしていて、過去の顔ぶれを見ても芸協の瀧川鯉昇を除けば落語協会所属の噺家で占められている。
それも柳家、古今亭、林家一門からとなっているようで、確か三遊亭はゼロだと思う。
偶数月開催で「二人会」の形式で、各2席ずつというスタイルも崩していない。
これに応えるように演者も意欲的な演目を選び、毎回熱のこもった高座を見せてくれている。
この日の一朝は5回目、白酒は4回目の出演と、それぞれお馴染みのメンバーである。
白酒の1席目は古今亭のお家芸ともいうべき「妾馬」。
八五郎が殿様の御前に出てからのシーンをタップリと時間を掛け、酔って都都逸を唄うという演出は師匠や大師匠とも異なり、志ん生の芸風を彷彿とさせる。
もし将来、古今亭志ん生を襲名するとしたら、白酒が第一候補ではなかろうかと期待している。
2席目は軽く「真田小僧」を。
前座噺だが、真打がやるとこれほど面白くなるという見本。
こちらは志ん朝の高座を思い出してしまった。
白酒の快進撃は続く。
一朝の1席目はマクラで海老蔵のネタ。
奥様が歌舞伎役者の娘さんということで、今回の事件直前まで海老蔵と呑んでいた役者も親戚筋とのこと。
この人が芝居噺を得意としているのも、そのせいなのかと納得。
この日は珍しく艶笑噺の「蛙茶番」を生真面目な表情で演じて、それが却って可笑しかった。
周囲の婦人客が大喜びしていた。
2席目は林家のお家芸である「火事息子」。
火事場人足に身を落とした息子を激しく叱りながら、心中はその身を案じている父親の描写が見事だ。
古今亭と林家を代表する芸風のぶつかり合いは見応え十分。
« J亭 談笑落語会『花鳥風月』月 part1 | トップページ | 春風亭一之輔独演会@国立演芸場 »
「寄席・落語」カテゴリの記事
- 「落語みすゞ亭」の開催(2024.08.23)
- 柳亭こみち「女性落語家増加作戦」(2024.08.18)
- 『百年目』の補足、番頭の金遣いについて(2024.08.05)
- 落語『百年目』、残された疑問(2024.08.04)
- 柳家さん喬が落語協会会長に(2024.08.02)
コメント