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2010/12/31

My演芸大賞2010

2010年度My演芸大賞として、大賞、新人賞が各1作品、優秀賞5作品を下記の通り選考した。
今年はいわゆる若手に属する人たちの活躍が目立ち、選考にもその傾向が現れている。
名前、ネタ、会の名称、月/日の順に並ぶ。

【大賞】
柳家三三「年枝の怪談」 柳家さんと00さん 8/9
【優秀賞】
三遊亭兼好「天災」  #13たから寄席 6/5
桂雀々「手水廻し」 #6日経ホール落語会 7/24
三遊亭金時「不孝者」 国立演芸場8月上席 8/10
春風亭一之輔「富久」 いちのすけえん国立 12/19
桃月庵白酒「松曳き」 #4大手町落語会 12/25
【新人賞】
神田阿久鯉「赤垣源蔵徳利の別れ」 #368花形演芸会 1/23

【選評】
大賞は文句なしに三三「年枝の怪談」と決めた。
聴いたその日にこれが今年のベストだと思わせた、それほどの出来だった。
この日のゲストが、三三が尊敬する柳家小満んだったことで、格別気合が入っていたように思う。
間然とすることのない語り口といい、品のある高座姿といい、この人の将来性を窺わせるに十分だった。
ネタの中に挟んだ「真景累ヶ淵より豊志賀の死」のダイジェストがまた結構でした。

優秀賞の兼好「天災」、寺の本堂で行われた地域寄席で、ときおり祭囃子が聞こえるのどかな会だった。
荒くれ者だが根は人の良い八五郎の人物像を鮮やかに描き出した一席。
兼好は見るたびに上手くなっている。

雀々「手水廻し」、とにかく一度観れば分かるが、あまりのバカバカしさに抱腹絶倒、東京落語では絶対に真似できない。
そして垣間見せる雀々の芸の凄みに、ただただ脱帽。

金時「不孝者」、このネタを円窓、三三と聴いてきたが、金時の高座が断然優れている。
事情があって未練が残りながら女を捨てた旦那と、捨てられてなお恨みと恋しさを持ち続けた芸者との再会場面。
しんみりとしながらも情緒溢れる二人の会話は、聴いていて胸が詰まる思いだった。
それに定席のトリでも中トリでもない浅い出番で、こういうネタをかける了見がいいじゃありませんか。
この人は、もう少し世評が高くても良いと思うのだが。

一之輔「富久」、火事見舞いにかけつけた旦那の家で帳付けをしながら酒を飲むシーンで、滑稽な中に幇間(たいこもち)の悲哀が表われていて、この人は上手い人だと感心した。
失意と安堵を繰り返しながら、富札がみつかって狂喜乱舞する大団円まで、引き込まれてしまった。
もう実力は立派な真打だ。

白酒「松曳き」、白酒の高座はどれも出来がよく作品に迷ったが、最も特長がよく出ているこのネタにした。
古典をかなりアレンジして演じているのだが、中身が実によく練られている。相当な努力家なんだと思う。
マクラの毒舌も心地よく、切り返しを重ねるような独特のクスグリと「間」で、これからも白酒の快進撃が続くことだろう。

新人賞は紅一点で唯一の講釈師、神田阿久鯉を選んだ。
落語の世界ではなかなか男の噺家に伍するような女流が出てこないが、講談の世界では次々と有望な女流が出現している。
なかでも神田阿久鯉は語りもセリフ回しも名調子で、聞き惚れてしまう。
講談の人気回復を期待したい。

来年もまた素晴らしい高座にめぐり合えることを期待して。
それでは皆様、良いお年を!

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2010/12/30

「志の輔・鯉昇・喬太郎・白酒」揃い踏み

12月30日は横浜にぎわい座の「BS12プレゼンツ“松尾貴史のオススメ落語集”vol.1」に出向く。
この時期に今をときめく「志の輔・鯉昇・喬太郎・白酒」の4名が勢ぞろいし、しかも入場料が2000円とは夢のような催しだ。
あまり宣伝していなかったせいで、チケットが入手できた。
冒頭に松尾貴史より会の趣旨について説明があり、要はBS12チャンネルの番組収録とのこと。
この日の模様は2月に放映予定だそうだ。

<  番 組  >
桃月庵白酒「松曳き」
立川志の輔「みどりの窓口」
~仲入り~
柳家喬太郎「竹の水仙」
瀧川鯉昇「茶の湯」

白酒「松曳き」、開口一番ということもあったのか、収録されるということもあったのか、マクラから普段よりやや抑え気味の高座だったが、ネタに入ればいつもの白酒ワールド、いつ聴いても面白い。
この人の良さは、会話にテンポがあって且つ「間」の取り方が上手い。

志の輔「みどりの窓口」、志の輔の新作の中でも完成度が高く、旧さを感じさせない。
この人はマクラの振り方が巧みで、話題が新鮮だし、一見無関係のようでいて、ちゃんとネタの前振りになっているのに感心する。

喬太郎「竹の水仙」、実はこの高座を観るまでは、今年の喬太郎は低調だったと明日の記事に書く予定だった。
ここ数年、毎年10席ほど喬太郎の高座を観てきたが、今年は良かったものが一つも無かったからだ。
しかしこの日の「竹の水仙」は実に良かった。
経営不振で首を括ろうとまで追い詰められていた宿の主人が、甚五郎の彫った竹の水仙で救われるときの喜びと安堵。
それにもましてこの騒動を通して宿の主人の人間的成長が遂げられた喜びが、「こっちの方が嬉しい」という一言に凝縮されている。
クスグリを随所に入れて軽く演じているようで、この演目を深い所で捉えている喬太郎の独壇場。
終わって暫くは客席のざわめきが続いていたところにも、この高座の充実ぶりが窺えた。

鯉昇「茶の湯」、これまた十八番中の十八番といって良いだろう。
マクラからオチまで寸分の狂いがなく、いつもながら完成度の高い高座だった。

四人四様、それぞれの十八番を披露し合うという豪華番で、この日来場の観客は得をした。
今年最後の落語会で、これにて笑い納め。

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2010/12/28

(続)総務省はアナログTVへの嫌がらせをやめよ

以前に掲載した“【地デジ】総務省はアナログTVへの嫌がらせをやめよ”の記事に多くの方からご意見が寄せられ、またこの問題に対する管理者の見解も求まれているところから、再度このテーマを採り上げたいと思います。
先ず「地デジ化」というのはどれほど理不尽なことかというと、ある時から御上の都合で古いタイプの家庭電器が使えなくなる。どうしても使いたいなら新製品を買え。こういう事ですね。
これを冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどに置き換えてみれば、理不尽さが分かります。
テレビ放送が白黒からカラーになった時に、それまでの白黒TVは使えなくなったとしたら、どうだったでしょうか。
あの当時でしたら、恐らく暴動が起きていたでしょう。

ではなぜ、そんな理不尽なことが通るのかというと、法律で決められているからです。
2011年アナログ停波を決めたのは2001年に行われた電波法改定でした。
この法律の審議当時は、あまり大きな問題とされていなかったし、大規模な反対運動も起きなかったと記憶しています。
国会では日本共産党だけが、2011年という期限を切らず、デジタル放送へのカバー率やデジタルTVの普及率の達成を条件とするよう修正案を出しましたが否決されています。
結局は自民、公明、保守、民主、自由、社民が政府案に賛成し、法案が成立してしまいました。
議会の圧倒的多数が賛成したということが、総務省を勢いづかせているのは想像に難くありません。
日本は議会制民主主義の国ですから、やはり法案を審議している段階で、国民が意思表示することが大事だったと思います。

デジタル化の準備ですが、地デジ対応TVの普及率が90%を超えたとの報道もありますが、これはあくまで所帯単位であり、TV受像機ベースにすれば普及率はかなり落ちると思われます。
普及率の所得格差という問題もあります。
生活保護所帯に対しては地デジ用のチューナーは無料で配られていますが、それ以外の低所得層は対象外です。
デジタルのカバー率という点でいえば、山間部で電波が届かないという地域があります。
都市部では共聴設備(共同アンテナなど)を利用しているケースが多いのですが、このデジタル対応は未だ半分以下とされています。
こうした課題が未解決のまま、何がなんでも2011年7月24日にはデジタル完全移行を達成するということが政府の方針なので、かなり無茶なことをしているわけです。

それにしても、アナログTVへの嫌がらせは度を越しています。
常時流されている地デジ移行のお知らせテロップは邪魔で、TVを見る気さえ失います。
嫌なら見なければいいと言っても、NHKの受信料は強制徴収です。
サラ金の取り立てでも365日24時間催促すれば、それは脅迫です。
地デジの宣伝も週1回位なら未だ我慢ができますが、TV画面を縮小したり、日夜常時テロップを流す行為は脅迫とみなせます。
総務省はこれに対する抗議を受け付けようとしない不当な態度をとり続けていますが、対抗策は今のところ妙案はありません。
ネット等で抗議の声を上げるしか手がないような気がしています。

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2010/12/26

#4大手町落語会(12/25)@日経ホール

クリスマスの日に日経ホールで行われた第4回大手町落語会へ。

<  番 組  >
柳亭こみち「熊の皮」
桃月庵白酒「松曳き」
立川志らく「死神」
~仲入り~
古今亭菊之丞「替り目」
柳家さん喬「芝浜」

こみち「熊の皮」、このネタ、本来はバレ噺だが今は専らソフトにアレンジしたものが高座に掛けられている。不自然さがあるのはそのためだ。
若手の女流としてはトップを走るこみちだが、女の落語家はダメ論者の志らくはどう聴いただろうか。

白酒「松曳き」、あまり面白いとはいえないオリジナルを、これ程の爆笑落語に変えてしまった白酒の力量に舌を巻く。
この1週間に白酒の高座を4席観たことになるが、いずれも高水準だった。
白酒に拍手!

志らく「死神」、マクラで自身の著書「立川流鎖国論」のエッセンスを紹介した後、こういう「ゆるい会」には滅多に出ないと語っていた。
志らくに限らず立川流の噺家たちは、概して独演会では本領を発揮するのだが、他流試合になると低調になる傾向が強い。例外は志の輔で、彼だけは開国論者なんだろうか。
この「死神」も、志らくの独演会で聴いたらまた印象が違うのかも知れない。

菊之丞「替り目」、粋で色気があって、本寸法ながら軽妙な味もある菊之丞にピッタリのネタ。
白酒と共に古今亭を引っ張る。

さん喬「芝浜」、いかにもさん喬らしい工夫がほどこされ、年の暮れに相応しい心あたたまる「芝浜」だった。
基本は三木助の形だ。
三木助の「芝浜」の演出に対しては、立川談志を中心とする批判があるが、あれはメルヘンなのだ。
だから現実にはどうのこうのとリアリティを求めるのは筋違い。
もちろんリアリティを追求した演出もひとつの演り方だが、どちらが良いのかは好みの問題だ。

1年を締めくくるに相応しい、熱のこもった充実した会だった。

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2010/12/25

スケコマ師に翻弄された知的「年増」

APF通信社代表の山路徹(49)をめぐる大桃美代子(45)と麻木久仁子(48)二人のバトル、海老蔵事件も一段落で話題が枯渇していたメディアに恰好の材料を提供した。
まさに大桃美代子サマサマである。
知的タレントとされていた二人が寝取っただの寝取られただのと、実に下世話なレベルで論争しているのが世間で受けている。
フタをあけてみれば何のことはない、山路徹という男がとんだスケコマ師で、色と欲で二人の女性を操り金を貢がせていたという、古典的モチーフだった。
あんな美女から逆援助交際とはウラヤマシ、じゃなかった、実にケシカラン話だ。

大桃と麻木の二人に対してメディアでは熟女だの美熟女(言いづらいやね)と称されているようだが、日本には昔から「年増」という適切な言葉があるではないか。
「イロ(情婦、愛人)は年増にとどめさす」の、年増だ。
落語の世界では毎度お馴染みで、
「その年増ってぇのは、どんな女だい。」
「それがお前、年の頃なら27,8(“にじゅうしっぱち”と発音する)、30でこぼこ、小股の切れ上がった、親指の反りかえった、実にい~~~女なんだ。」
その頃の年増というのは、今でいう「アラサー」だった。
人生経験も男性経験も積んできて、酸いも甘いも噛み分けた年代だったから、遊び相手にはピッタリだった。
ただ当時は人生50年の時代、今の平均寿命から逆算すれば現代の「年増」は40代ということになるだろう。
前述の二人は正にそのゾーンに入る立派な「年増」。
色と欲を追い求めるスケコマ師のターゲットにはまってしまったという、お粗末な一席。
「麻木夢見し 栄もせず」

この件では、大桃、麻木、山路の3人揃ってイメージダウンで、みな損をしている。
得をしたのは団十郎と海老蔵親子、ホッと一息ついていることだろう。
(文中敬称略)

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2010/12/24

五街道雲助一門会(12/23)@浅草見番

「なんでも観音様の裏っ手に、たいそうご利益のあるお稲荷様があると伺いまして」とは「明烏」の中の時次郎のセリフだが、その観音様の裏っ手にある浅草見番で開かれた「五街道雲助一門会~蜃気楼龍玉 真打昇進襲名披露~」に出向く。
一昔前なら終演後には、せっかくここまで来たんだからチョイと顔を見に行くかなどとアチラ方面に立ち寄ったんだろうが、今時はそうはいかない。
花の吉原も今じゃ「石鹸遊園地」、味気ないやね。
普段は芸者の稽古場だろう大広間の会場は一杯の入り、常連が多いらしく前後左右に挨拶と会話の花が咲く。
「あれ、今日は00さんの姿が見えませんね」なんて、いい雰囲気じゃありませんか。
この一門会のほうは昼の部だが、夜の部の「雲助 蔵出し」も前売り完売とのこと、ファンは有り難い。

<  番 組  >
前座・春風亭ぽっぽ「やかん」
隅田川馬石「堀の内」
桃月庵白酒「徳ちゃん」
五街道雲助「鹿政談」
~仲入り~
二女囃子「俗曲」
蜃気楼龍玉「子は鎹」 

雲助の弟子は白酒、馬石そして龍玉の3人で、還暦を迎えた師匠はこれから先は弟子は取らないと宣言しているので、この会は名実ともに「一門会」というわけだ。
しかも全員が真打で、全員が別の亭号を持つという変わった一門でもある。
それにしても蜃気楼龍玉とは、随分とまたオドロオドロシイ名前を掘り起こしたものだ。

前座のぽっぽ「やかん」、後で白酒が三十路手前と年齢を明かして客席から「エ、エー」という反応があったが、確かに若い。甲斐甲斐しく立ち働く姿に惹かれるファンもいるようだ。
前半は息子と嫁とを言い間違え詰まった場面もあったが、後半は持ち直し、講釈部分は滑らかに。

馬石「堀の内」、冒頭で今日は上がっていると言っていたが、大事な場面で言い間違えるなどやや落ち着きを欠いた高座だった。
それと若手なんだから、もっと明るく元気が欲しい。

白酒「徳ちゃん」、マクラで今日は真打披露口上は無しとのことで、誰かのようにいつまでも披露公演を続けて小遣い稼ぎをするようなことはしないで、場内の笑いを誘う。
「徳ちゃん」は、その徳ちゃんが一言もしゃべらない珍しいネタで、元は柳派の新作だそうだ。
ストーリーは、
昔は吉原で、お引けを過ぎると割引サービスがあったので、それを狙う客向けに午後10時から12時にかけての寄席があった。 
終演後、出演していた噺家も少ないワリを持って、二人で遊びに行く。 
格安の店を見つけるが、看板も出ていない暗い店。 
並んでいる女郎たちも色が黒く、ホントに女かいと訊くと、疑うなら区役所で調べてくれという按配。
ようやく店に上がったものの一人は2畳半(6畳を渋板で分けたから)の部屋、もう一人はトタン塀で囲った空中庭園のような離れへ案内される。 
布団は犬猫病院の払下げ、毛布は陸軍病院の払下げ。
しかも来た女は岩のような体型で、髪はザンバラ、まっ黒な顔、足は十三文甲高、焼き芋をかじりながら部屋に入ってきて・・・。
白酒はマクラからオチまで一気呵成、客席は終始笑いの渦に包まれていた。

雲助「鹿政談」、龍玉が手抜きする時に高座にかけるネタなので先取りしてと、断って。
雲助自身は2-3年に1度しか高座に掛けないと言っていたが、緊張感の中にも笑いを散りばめていて、やはりさすがである。

二女囃子「俗曲」、結構でした。
普段は下座のお二人だそうだが、どうしてどうして、立派に高座がつとまりそうだ。

トリは新真打の龍玉「子は鎹」、あまり良い出来だとは思わなかった。
先ずは高座姿が陰気くさい印象を受け、損をしている。
それと会話の間(ま)が、芝居の間になってしまっている。
同じセリフの間でも、芝居と落語では違う。
これを芝居の間でやられると間延びした感じになってしまい、聴き手が感情移入できずダレる。
語り口は決して悪くないので、この点の工夫が求められると思う。

全体としては、温かいファンの空気に包まれた気持ちの良い一門会となっていた。

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2010/12/21

「空き名跡」襲名について私案

落語の世界には名跡と称される名前があり、そのうちのいくつかは現在のところ誰も襲名しておらず「空き名跡」となっている。
ここ数年来を振り返っても、名跡の襲名の際には大いに話題にのぼったものも、後継者の芸が未熟でかつ襲名後も成長せず、不評となっている例も少なくない。
そこで30代、40代で才能に恵まれていて伸び盛りの若手噺家の中から、これはと思われる人物を選び、この人を誰々にという襲名私案を勝手にこしらえてみた。
もとより半可通な老ファンの戯れ言、鷹揚お見流しのほどを。

■柳家三三を四代目談洲楼燕枝に
三代目柳亭燕枝が亡くなって既に半世紀以上、後継者が絶えている。
初代は三遊亭圓朝のライバルであり、歌舞伎の九代目市川団十郎との親交が深かったとされ、「嶋鵆沖津白浪(しまちどりおきつしらなみ)」などの作者でもある。
むろん芸風は知る由もないが、前記作品を最近高座にかけたという縁だけではなく、柳家三三の持つスケールの大きさを評価したい。
将来性も十分であり、柳派の大名跡を継ぐに相応しい噺家だと思う。

■桃月庵白酒を六代目古今亭志ん生に
五代目古今亭志ん生は不世出の噺家であり、あの芸風をそのまま継げる人はいない。
志ん朝といえども、二の足を踏まざるを得なかった。
無いものネダリをしていても仕方ないわけで、ここは進境著しい桃月庵白酒に襲名させ更なる飛躍を期待したいところ。
何より明るい高座が魅力であり、ポカが多いところもプラス志向で考えたい。

■三遊亭兼好を七代目三遊亭圓生に
落語界全体を見渡せば、あるいはより適任者がいるかも知れない。
三遊派に限るとすると、圓生を継げる可能性があるのは三遊亭兼好だろう。
芸風は異なるし、現状ではまだまだハードルは高いが、この人の将来性を買いたい。
少なくとも今名乗りを上げている人たちに比べれば、期待できる。

■春風亭一之輔を九代目春風亭柳枝に
八代目柳枝は丁寧で折り目正しい高座姿が印象的で、しばしば一席の後に踊りを披露するサービス精神のある人だった。
その後継者としては、春風亭一之輔が最も相応しい。
条件さえ整えば、直ぐにでも襲名できる位置にいると思う。
本来は林家正蔵と言いたいところだが、まだ当代が継いだばかりなので。

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2010/12/20

春風亭一之輔独演会@国立演芸場

「いちのすけえん、国立」と題する一之輔独演会が12月19日国立演芸場で行われた。
二ツ目ながら、三夜連続独演会を満員にするほどの人気と実力を兼ね備えた若手噺家であるのは、ご存知の通り。
この日の会も早々に前売り完売。
客層は中高年が多く、いわゆるアイドル的人気者ではない。
話芸の力だけでファンを惹きつけているわけだ。

前座・春風亭一力「子ほめ」
春風亭一之輔「鈴ヶ森」
春風亭一之輔「明烏」
春風亭一朝「抜け雀」
~仲入り~
春風亭一之輔「富久」

当初のプログラムでは2席の予定だったが、当日になって3席に変更したようだ。
こうしたサービス精神も一之輔の人気の要因なのだろう。
先ずは十八番の「鈴ヶ森」、何度聴いても面白い。このネタでは柳家喜多八と双璧だ。
続いて演じた「明烏」、こういうネタをいとも簡単に軽く演ってしまうように見える所がスゴイ。
全く気負うことなく、しかも丁寧に描きながら独自のクスグリも随所に入れ込む、並の才能ではない。
引き合いに出して悪いが、同じネタを例えば立川談春と比べると、一之輔の方が遥かに上だ。
そして最後の演し物「富久」、良かったねぇ。
これだけでも寒い中、日曜の夜に出かけてきた甲斐があったというもの。
酒を飲みながら帳づけする久蔵の姿が実に良く出来ていた。再び出入りを許された嬉しさと共に、幇間(たいこもち)の悲哀が伝わってくる。
千両富に当たった喜びと、肝心のクジを焼失してしまった時の落胆、そして鳶頭が火事の中を運び出してくれた神棚の中にクジが見つかった時の狂喜乱舞、いずれも観ていて引き込まれる。
久蔵、旦那、鳶頭などの人物像もクッキリと描かれており、上出来の「富久」だった。
この人は上手い。

ゲスト出演の形だった師匠・一朝の「抜け雀」(こちらも結構でした)を聴きながら、この師弟の芸風は似ていないようにも思えるのだが、会話の中から「滲み出てくる可笑しさ」という点では、やはり師匠の影響力によるものと改めて感心した。

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2010/12/19

#11三田落語会(12/18昼)

12月18日、仏教伝道センタービルで行われた「第11回三田落語会・昼席」に出向く。

<  番 組  >
前座・春風亭朝呂久「饅頭恐い」
春風亭一朝「蛙茶番」
桃月庵白酒「妾馬」
~仲入り~
桃月庵白酒「真田小僧」
春風亭一朝「火事息子」

落語ブームに乗って雨後の筍のように新しい落語会が生まれているが、この「三田落語会」はスタートから丸2年と比較的新しいにも拘わらず、地域寄席として老舗の位置を固めつつあるようだ。
民主党政権と異なり、「本格・本寸法」を目指すという主張を貫き、ぶれない。
出演者も主催者の好みがハッキリとしていて、過去の顔ぶれを見ても芸協の瀧川鯉昇を除けば落語協会所属の噺家で占められている。
それも柳家、古今亭、林家一門からとなっているようで、確か三遊亭はゼロだと思う。
偶数月開催で「二人会」の形式で、各2席ずつというスタイルも崩していない。
これに応えるように演者も意欲的な演目を選び、毎回熱のこもった高座を見せてくれている。
この日の一朝は5回目、白酒は4回目の出演と、それぞれお馴染みのメンバーである。

白酒の1席目は古今亭のお家芸ともいうべき「妾馬」。
八五郎が殿様の御前に出てからのシーンをタップリと時間を掛け、酔って都都逸を唄うという演出は師匠や大師匠とも異なり、志ん生の芸風を彷彿とさせる。
もし将来、古今亭志ん生を襲名するとしたら、白酒が第一候補ではなかろうかと期待している。
2席目は軽く「真田小僧」を。
前座噺だが、真打がやるとこれほど面白くなるという見本。
こちらは志ん朝の高座を思い出してしまった。
白酒の快進撃は続く。

一朝の1席目はマクラで海老蔵のネタ。
奥様が歌舞伎役者の娘さんということで、今回の事件直前まで海老蔵と呑んでいた役者も親戚筋とのこと。
この人が芝居噺を得意としているのも、そのせいなのかと納得。
この日は珍しく艶笑噺の「蛙茶番」を生真面目な表情で演じて、それが却って可笑しかった。
周囲の婦人客が大喜びしていた。
2席目は林家のお家芸である「火事息子」。
火事場人足に身を落とした息子を激しく叱りながら、心中はその身を案じている父親の描写が見事だ。

古今亭と林家を代表する芸風のぶつかり合いは見応え十分。

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2010/12/18

J亭 談笑落語会『花鳥風月』月 part1

12月17日に「J亭 談笑落語会『花鳥風月』 月part1」が虎ノ門JTアートホールアフィニスで開かれた。
落語を観にいくのは7週間ぶりとなる。
11月に入って風邪から肺炎、続いてヘルペスとまるで病気のリレーのような状態だったが、ようやく回復してきた。
久々だということと、この会場は初めてということもあって、なんだか新鮮な気持ちになる。
このホールも立派でコンサート向き、落語には勿体無いくらいだが、市馬には喜ばれそう。

立川談笑「山号寺号」
冒頭にゲストが二人いるんじゃ「独演会」とは言えないと語っていたが、その通り。
今回は談笑中心の三人会といったところ。
談笑の古典落語はしばしば「改作」と呼ばれているようだが、このネタに関しては「00さん00じ」の部分に独自のクスグリを入れていたのと、オチを変えていた程度で、とりたてて新味はない。

柳亭市馬「掛取り」 
前のネタを受けて「会長さん小三冶」「市馬さんオンステージ」とやっていたが、こちらの方が出来が良い。
この度、落語協会の副会長の就任ということで、この日がその初高座。
客席から「オメデトウ」の声も。
気分がややハイになっていたせいか気合が入っていて、短縮版だったが十分楽しめた。
歳の瀬も押し詰まってくると、やはり市馬の「掛取り」はいい。

~仲入り~
柳家三三「鮑のし」
こちらは19日放映のTBSの「情熱大陸」に出演とのこと。
もし「落語大賞」というタイトルがあったら、2010年は柳家三三だろう。
その位、この人の活躍は目ざましかった。
独特の「間」の取り方と、タイミングの良いクスグリで、古典に新たな息吹を吹き込んでいる。
そういう点でこの「鮑のし」も短宿版ではあったが、実に結構でした。

立川談笑「鼠穴」
設定を江戸時代の商家から、現代の中国から日本への出稼ぎの成功者に置き換えた。
「改作」というよりは「換骨奪胎」に近いだろう。
ストーリーの運びには無理もあるが、このネタの陰惨な部分が緩和され、笑える「鼠穴」に仕立てている。
注文するとすれば、人物の造形が粗いし、会話の「間」も決して上等とは言えない。
談笑は今のところ才能と勢いで押していて、未だ発展途上にあると思われる。

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2010/12/17

「カジノ」より「吉原」でしょう

警察によるカジノの摘発が頻繁に報道されている一方、地方自治体の首長らによる「カジノ」合法化の声が喧しい。
12月16日にはカジノの合法化による複合エンターテインメント施設の設置を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(通称;カジノ議連、古賀一成会長)が参院議員会館で会合を開き、大阪府の橋下徹知事や神奈川県の松沢成文知事らを招いて意見を聴いた。
橋下知事は「国の方針が示されれば、大阪はいつでも現場の声を届ける」と述べ、大阪府を含めた関西経済圏へのカジノ誘致を求めた。
松沢知事も「(カジノ合法化のための)法案をまとめ、できるだけ早く結果を出してほしい」と要請し、「神奈川県は都市、レジャーの観点から魅力をもっており、カジノを誘致するのにふさわしい地域だ」と強調した。
これに対し、古賀会長は来年の通常国会にカジノ合法化のための法案を議員立法で提出し、成立を目指すとの決意を表明した。
同じ16日には千葉県内経済界や成田空港周辺市町などで構成する成田空港緊急戦略プロジェクト会議(座長・森田健作知事)の第6回会合が開かれ、成田空港周辺にカジノを核とする複合施設を誘致する計画について、県は来年度予算に調査費を計上する方針を明らかにしている。
そういえば先年、東京都の石原慎太郎知事も、お台場カジノ構想をぶち上げていたっけ。
一方で警察(日本は自治体警察だ)が取り締まりながら、その一方で首長が誘致を目指しているんだから、ワケが分からない。
それも日ごろ、やれ道徳だ倫理だのと説教を垂れているような人物がカジノの旗振りをしている。
要は地方自治体だかその手先だかが博打(バクチ)の胴元をやって、寺(テラ)銭を稼ごうという魂胆だ。

「打つ」というなら「買う」、いっそ売春の合法化はどうなのだろう。
「吉原」の復活だ。
現在の売春防止法で禁止されているのは、勧誘、周旋、場所の提供や管理売春などであり、賭博と違って売春そのものは禁止されていない。
従って、カジノなどの賭博よりずっと合法化のハードルが低いと考えられる。
法律で禁じられていても、実際には日常公然と行われているのも賭博と同様。
合法化により、暴力団の資金源を断つこともできる。
カジノ推進の謳い文句に、外国人観光客の増加があげられているが、それだったら「吉原」の方が手っ取り早いだろう。
「吉原」の復活なら、日本の伝統文化の継承という大義名分も立つというものだ。
もちろん運営は地方自治体が行うことにすれば衛生管理は万全、料金は明朗会計、お客さんも安心して遊べる。

この意見に反対の方も多いだろう。
それなら、カジノはいいけど「吉原」はどうも、という人がいたら訊きたい。
ギャンブルと売春、どっちがより反道徳的で、どっちが社会への悪影響の度合いが大きいのかと。
カジノ合法化論というのは、どうも胡散臭い。

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2010/12/15

今年の三題噺「海老蔵」「ウィキリークス」「尖閣ビデオ」

海老蔵が負傷した事件の報道が止まらない。
この事件は「酒乱の役者が愚連隊にしめられた」というだけのこと。
どう決着しようが国民生活には関係しないのだが、TVのワイドショーやスポーツ紙ばかりでなく、いわゆる5大紙(ネット版)でも連日のように報じられている。
特徴的なのは、報道の対象が被害者である海老蔵側に非があったか無かったかに専ら焦点が当たっていること。
海老蔵が行った記者会見では、大事な事実が隠蔽されていると思われているからだ。
情報を小出しした方が世間の関心を集められるという、典型的な例だろう。

海の向こうのアメリカでは、「ウィキリークス(WL)」問題が賑わっていると聞く。
機密が暴露されることによって米国の安全が損なわれるので、やれ「史上最大のリーク」だの「外交界の911」だのと大騒動のようだ。
米政府は配下の連邦公務員や一時雇用者に対し、ウィキリークスのサイトで暴露された情報を見ることを禁じるばかりでなく、WL暴露に関するマスコミ報道の記事やニュース番組を見ることすら禁じたとか、全米の学生たちに対しても、WLの暴露文書を見ないよう通告した等と報じられている。
こうなると、米国も悪名高い中国をあまり変わらない。
しかしウィキリークスに対する国際的反応となると、米国内とは様相を異にするようだ。
ジュリアン・アサンジュ氏の逮捕について、例えばロシアのプーチン首相は「なぜアサンジュ氏を牢屋に入れるんだ?それは民主主義なのか?」と疑問を呈し、ブラジルのルラ大統領は「アサンジュ氏に共鳴する。暴露した人ではなく、(情報を)書いた人を責めるべきだ」として米政府を批判している。
欧州各国の市民の反応も、概してWL及びアサンジュ代表に好意的のようだ。
なんでもWL側は300万件の情報を保持しているそうで、これを小出しにしている間はアサンジュ氏の訴追の行方とともに、世間とマスコミの関心を集め続けるだろう。

さて振り返って、一時期あれほど大騒ぎだった「尖閣ビデオ」問題、その後はどうなったんでしょうね。
中国漁船が日本の巡視艇に衝突してきた事件、現場を撮影したビデオは国家機密だということで一部の国会議員のみに観せていたのが、海上保安官によってネットで公開されてしまった。
政府は機密漏洩だと息巻いたが、実際にビデオを見た限りでは、どこが機密なのかサッパリ分からない。
意外にあっけない内容で、むしろ私のように拍子抜けしてしまった人が多かったのではなかろうか。
小出しにせずいきなり全貌が明らかになってみたら、大したことはなかったわけだ。
イラン政府はWLの暴露に対し「米政府の意に反して暴露されたものではなく、逆に米政府が仕組んで暴露したものだ」と断じているが、尖閣ビデオについても同じような事情があったのかしらん。

何事も「秘すれば花」。
「尖閣」「ウィキリークス」「海老蔵」という今年の三題噺のお粗末でした。

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2010/12/12

反時代劇「武士の家計簿」

今年は未だ一度も映画館に行っていないことに気がつき、上映中の作品から「武士の家計簿」を観にいく。
原作は古文書から幕末の武士の暮らしを読み解いた磯田道史「武士の家計簿 『加賀藩御算用者』の幕末維新」。
時代劇といえばチャンバラ、つまりクライマックスは戦闘シーンと相場が決っているのだが、森田芳光監督のこの作品は最初から最後まで一度も刀を抜く場面のない時代劇だ。
そういう意味では「反時代劇」といえる。
考えてみれば、関が原から大阪城落城を経て幕末までの間というのは、外国との戦争も内戦も無かったわけで、戦後の私たちのような平和な時代だったわけだ。
「武士道の精神」が持て囃されていたけど、戦闘をしない武士は役立たず。
かくして刀を算盤に持ち替えた武士が活躍することとなる。

この映画では、御算用者(経理係)として加賀藩に代々仕えてきた猪山家の八代目・直之が主人公で、「算盤バカ」と陰口をたたかれながら、藩の財政建て直しのために奮闘する。
そればかりではなく、家柄だの世間体だのと見栄をはる武士の家計も火の車、この猪山家とて例外ではない。
そこで直之は家庭内の遊休資産を売り払って借入金を返済、つまりバランスシートを改善したわけだ。
同時に家族に倹約生活を行わせ、日々の家計簿をつけて家計を黒字化、やがて借金も完済する。
B/SとP/Lを改善すれば「鬼に金棒」だ。
直之は親の葬式の時にも、葬儀費用の計算をするという、考えようによっては嫌な男でもある。
そして経理の実務をお家芸として息子をしこみ、そのお陰で猪山家は明治の官僚として生き残る。
本当は戦国時代の戦闘でも、勇者や豪傑のかげで実はロジスティックスの成否が勝敗を左右していたはずで、これからはこうした面に焦点をあてた映画が出来るかも知れない。

映画としては、これといった山場もないし、感動シーンもない。見所は家族愛。
日常生活を描くというのは、実に淡々としたものだ。
着眼点や企画の面白さは評価できるが、娯楽作品としてはやや魅力に欠ける。
主役の直之を演じた堺雅人はいかにもと思えるハマリ役で好演、妻を演じる仲間由紀恵が華をそえ、母親役の松坂慶子が貫禄を示す。

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2010/12/10

【橋下・河村連合】そんなに「都」が恋しいか

「ボタンとリボン」
♪ 都(みやこ)が恋し 早く行きましょう
帰りたいわ あなた
にぎやかな バッズァンボゥーズ
指輪と飾りと バッズァンボゥーズ
ねぇ 荒野はいやよ 都が好きよ
女はドレス粋なもの 男はみんな
バッズァンボゥーズ ♪

「ボタンとリボン」は私が生まれて初めて口ずさんだジャズで、戦後間もないころ、映画「腰抜け二丁拳銃」(これも夏休みに小学校の校庭で見たなぁ)の主題歌として、池真理子の歌で大ヒットした。
もっとも「バッズァンボゥーズ」とは聞こえなかったから、「指輪と飾りとバッテンボー」と歌っていたけど。

大阪府の橋下徹知事が「大阪都」構想を打ち出したと思ったら、今度は名古屋市の河村たかし市長が「中京都」構想をぶち上げた。
これからはお互いに連携して、「都」構想実現に邁進するようだ。
でも・・・、
♪ おいしいエサに いかれちゃって
あとで泣いても 知らないよ ♪
(「黒猫のタンゴ」より)
この分じゃ、いずれ「北海都」や「鳥取都」構想などが生まれるのは時間の問題かも。
「京都都」はチョイト言いにくいかな。

でも県や市を「都」に変えると、そんなに良いことが起こるのかしらん。
東京都民の一人として実感をいえば、さっぱり有難味は感じないけど。
石原慎太郎という無能な知事のもとで、福祉予算は切り詰められる一方、やれ石原銀行だの五輪招致だのと湯水のごとく税金が使い込まれてきた。
良いことは何も無かった。

8日に橋下徹は「あとは東京都」と語ったが、放っておいてくれ。
アンタの世話にはなりたくない。
ついでに、東国原英夫はこっちへ来るな!

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2010/12/07

【阪神タイガース】今年の新人はイキがいい!

昨日、阪神タイガースの2010ドラフトで指名した新入団選手の発表が行われた。
会見での彼らの意気込みを聞いていると、これが実に頼もしい。
D1の榎田大樹投手は、将来の胴上げ投手を目指すとのこと。
「キャンプでケガなく、1軍ローテに入って、2ケタ勝てれば新人王にもつながりますし、優勝して日本一になって真弓監督を胴上げしたい」という決意表明、イイじゃありませんか。
D2の一二三慎太投手も新人王を目標に掲げ、「新人王は大きな目標で、そこは自分の努力で変わってくる。それに向かって必死に頑張っていきたい」と力強く宣言した。
もし高卒で新人王を獲得できれば、タイガースとしては初の快挙となる。
こういう若くてイキのいい選手が、今の阪神には必要なのだ。

昨年の2009ドラフトでは、D4で悔し涙を流したとされる秋山拓巳投手と、D5での指名での評価が不満で一時は社会人入りかと心配された藤川俊介外野手が、ともに一軍で活躍した。
やはり負けず嫌いの闘争心が前に出る選手が伸びる。
今年は育成枠で、ベネズエラ出身の怪腕ロバート・ザラテ投手も獲得した。
話題の新人や大物FA選手の獲得といった華々しいニュースには欠けるものの、今年のタイガース新入団選手は期待十分だ。

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【ツアーな人々】(続)ここにもアメリカの横暴

W.S.J.日本版12月5日号に、ペギー・ヌーナン氏(ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニスト)署名入りの“大統領に「普通の感覚」求む、空港での新たな身体検査は屈辱”という主張が掲載されているが、下記にその一部を紹介する。
【引用開始】
迷惑ではありません。屈辱です。新型スキャナーと身体検査では、国民は股を開いて立ち、腕を横に上げろと言われるのです。これは絶対服従の態度――警官が加害者を「米国一のお尋ね者」のように扱う時と同じ――です。公衆の面前で絶対服従の姿勢を取らされた挙句、身体の微妙な部分に触られる。これはプライバシーの侵害です。気持ちとしては、もうぐったりですよ。これは、人間を魂ではなく、肉の袋として扱うような社会です。人間は元来、人間同士距離を置いて生活するものです。その空間が侵された時、驚き、抗議するのです。
常識に従うのです。「自由な男性と女性は、粗末に扱われない権利がある。より良い道を模索しよう」です。
【引用終了】

従来からからアメリカの入国時の保安検査については、
・明確な理由が示されないまま入国を拒否されることがある
・指紋の採取と顔写真が撮られる
・過去にイランなど特定の国へ旅行した人は別室で事情を訊かれる
・これらは米国への入国者だけでなく第三国への乗り継ぎにおいても適用される
などの問題があった。
私も南米への乗り継ぎの保安検査で3時間以上待たされ、その間トイレにも行かせないということで旅行者と係員が押し問答になったという経験がある。
それでも乗り継ぎにギリギリ間に合ったが、なかには出発に間に合わなかったケースもあると聞く。
最近これに加えてスキャナーの導入や身体検査の強化がなされている。
冒頭の記事のように、アメリカ国内でも問題視されているのだ。

加えて、今年米議会で、観光のPRや電子渡航認証システム(ESTA)システムの経費を捻出する目的で「旅行促進法案」が可決された。
これにより米国を短期の観光や商用で訪れる際、今後は10ドルの手数料を支払うことになりそうだ。
米国を経由して第三国への乗り継ぎ客も対象となる。
日本やEUからは、手数料は実質ビザ代にあたるということで、米国政府に懸念を表明しているが、アメリカ政府はビザではなく入国手続きの一環だと反論している。
しかし手数料の徴収が、短期滞在者を対象にビザを相互免除する取り決めに反していることは明らかだ。
手数料は一定の周知期間を経て徴収が始まるようだ。

こうした米国の姿勢に対して日本の旅行社の中には、米国での中南米への乗り継ぎを避けるため、カナダ経由にするというコースを売り出している。
やむを得ぬ自衛策である。
いくら安全のためとはいえ、人間性を無視したような保安検査は見直すべきだろう。

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2010/12/06

権太楼さん、ここは無理せずに

三田落語会のHPに次のようなお知らせが載っていた。
「第11回三田落語会は柳家権太楼師匠が体調を崩されたため、権太楼師匠・扇遊師匠のお二方に加え柳家喜多八師匠にご出演いただくこととなりました。
本来ですと、権太楼師匠2席・扇遊師匠2席を予定しておりましたが、予定を変更しまして権太楼師匠1席・扇遊師匠2席・喜多八師匠1席となります。」
柳家権太楼はこの秋から寄席も休席している。
よほど具合が悪いのだろう。

権太楼の体調については、2,3年前から気になっていて、当ブログでもたびたび指摘してきた。
今年に入って位から、その変調が高座にも微妙に影響しだし、心配していた。
定席は休演や代演が可能だが、権太楼は大看板なので独演会や落語会ともなると、そう簡単にはいかない。
特に昨今の落語ブームの中では、数ヶ月先までスケジュールがびっしりと組まれていると思われ、具合が悪いからといって休めない状況にあると推察する。
しかし無理して高座を続けていれば、症状の悪化は避けられまい。

なんと言っても柳家権太楼は、「落語界の宝」だ。
ここはユックリ休んで、万全な体調になってから高座に戻ってきて欲しい。
それまで決して無理することのないようにして欲しい。
私たち落語ファンも権太楼の体調を慮り、ここはひとつ快く休演や代演を受け容れようではないか。
だから権太楼さん、無理せずに。

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2010/12/04

【海老蔵バッシング】そろそろ「撃ち方やめ!」で、どう?

市川海老蔵が11月25日の早朝に殴打され負傷した事件だが、その後の報道は海老蔵の言動を批判する報道一色と化している。
本日のnikkansports.comには、「4日付一部地域で発行した1面で、歌舞伎俳優市川海老蔵が顔などに大けがを負った事件で、捜査関係者の話として、暴行を受ける前に女優香里奈さんと会食していたと報じましたが、その後の取材で香里奈さんが同席していたとの確認はとれませんでした。」としておわびと訂正の記事を掲載している。
2日前にはTBSが「警視庁は1日、伊藤リオン容疑者の身柄を確保した。」との誤報を流してしまう失態も演じている。
マスコミによるこうした誤報や勇み足報道を含め、真偽が不明な報道が連日飛びかっている。

注意したいのは、こうした一連のニュースソースの多くが、いわゆる暴走族と称される加害者グループと、その関係者から提供されているということだ。
その一方、海老蔵サイドからは一切反論ができない状態にある。
つまりこの件では、加害者側からの一方的な情報が垂れ流されている。
恐らくは、その暴走族と称される加害者側グループのメンバーというのが、叩けばホコリの出る身体であり、容疑者の逮捕をきっかけに本件以外の罪状が次々と明らかになる可能性があるのだろう。
捜査には凶悪事件担当の捜査一課が加わっているとの報道があり、警察はこの事件を突破口にしてグループの摘発を企図していると思われる。
そうであれば、加害者サイドからすると、何がなんでも海老蔵から出されている被害届を取り下げさせたい筈だ。
当初、容疑者が早々に出頭してくると思われていたのが予想以上に長引いているのも、彼らが時間稼ぎを狙っているためだろう。

いずれ容疑者が逮捕され裁判ともなれば、事件の真相は明らかになる。
それまで待ったらどうか。
海老蔵自身の生活態度にも問題はあるが、これまでの報道の洪水により、もう既に社会的制裁は十分受けてきた。

歌舞伎俳優は舞台が命だ。
個人生活ウンヌンより、舞台で勝負することが役者としての本分だ。
好き嫌いは別として、海老蔵はやがては市川団十郎を継いで歌舞伎界の屋台骨を背負っていく運命(さだめ)にある。
ケガから復帰して一日も早く観客を魅了するような演技を披露することが、成田屋の残された唯一の道だ。

それまでは「撃ち方やめ!」でどうだろうか。

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2010/12/03

「孤独」だっていいじゃないか

同級生から仲間はずれにされる、誰も相手にしてくれない、そうした理由から自殺する小学生や中学生の報道をみるにつけ、胸が締め付けられる。
きっと辛かったのだろう。
でも、絶対に死んではいけない。
子どもの自殺によって、両親始め家族や周囲の人がどれほど傷つき、どれほど悲しむかを思えば、自殺は重大な犯罪と言ってもよい。
だから、どんなことがあろうと自殺してはいけない。

私は子どもの頃、いつも独りぼっちだった。
学校の休み時間には、一人でポツンと教室に座っていた。
給食も一人だ。
好きな者同士が隣合わせになるというクラスの席換えでは、誰も私の隣に座る人がなく、常に取り残される。
グループ分けでは、私がいるグループに入るのを嫌がる。
保護者会では、毎度のように担任から「息子さんは成績はともかく、性格が暗い」と、親は注意されていた。
どの位暗かったかといえば、30年ぶりに再会したクラスメイトから「お前、若くなったなぁ」と言われた程だから、察しがつこう。

中学に入ってようやく友人が出来たが、一人は上級生、一人は下級生、もう一人は同じ学年だが別の中学校に行っていた。
だから状況は変わらなかった。
ある時、そんな悩みを友人の父親にしゃべってところ、「〇〇君、それは『君子は孤高を尊ぶ』だよ。」と教えてくれた。
そうか、君子というのは独り高きを尊ぶんだ。
そう考えたら、いっぺんに気持ちが楽になり、孤立していることを気に病まなくなった。
若山牧水の「白鳥は悲しからずや 空の青 海のあをにも染まず漂う」という短歌になぞらえ、自分は白鳥なんだと思った。

就職して社会人になる頃には、さすがにそんな態度ではマズイと自覚するようになって、積極的に人と交わるようになり、少しずつ性格も明るくなっていった。
会社に勤めるようになってから、友人も出来るようになった。
性格というのも、置かれた状況によって変わるものなのだ。

孤独を悩んだり、孤立を恐れたりする必要はひとつも無い。
そんな時は、「君子は孤高を尊ぶ」のだと自らに言い聞かせて欲しい。
そしてクドイようだが、死んではいけない。

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2010/12/01

チンガポール

Photo_5
Photo_411月に行われた広州アジア大会で、水球男子のシンガポール代表が着用している水着のデザインに、批判的な意見が多数寄せられていたそうだ。
左上はシンガポールの国旗で、下は問題とされた水着の写真で国旗の模様があしらわれているのだが、白い三日月が前面の真ん中にきている。
シンガポールの新聞読者からは「不愉快」、「吐き気がする」、「恥ずかしい」などとコメントが寄せられ、ネット上でも否定的な意見が多かったとのこと。

これじゃまるで「チンガポール」。
なかには「頑張って国旗をあげてこいよ」なんて激励されて、勘違いした選手なんかいなかったのかしらん。
「おい、ボッキじゃない、コッキだ!」なんて叱られたりして。

さて、今日の話題とかけまして、スイスの法務大臣の名前と解きます。
そのこころは、どちらも「シモネッタ」。
シモネッタ法相って、きっとワイ談が好きなんでしょうね。
ウィキリークスに教えてあげようっと。

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