J亭 談笑落語会『花鳥風月』月 part1
12月17日に「J亭 談笑落語会『花鳥風月』 月part1」が虎ノ門JTアートホールアフィニスで開かれた。
落語を観にいくのは7週間ぶりとなる。
11月に入って風邪から肺炎、続いてヘルペスとまるで病気のリレーのような状態だったが、ようやく回復してきた。
久々だということと、この会場は初めてということもあって、なんだか新鮮な気持ちになる。
このホールも立派でコンサート向き、落語には勿体無いくらいだが、市馬には喜ばれそう。
立川談笑「山号寺号」
冒頭にゲストが二人いるんじゃ「独演会」とは言えないと語っていたが、その通り。
今回は談笑中心の三人会といったところ。
談笑の古典落語はしばしば「改作」と呼ばれているようだが、このネタに関しては「00さん00じ」の部分に独自のクスグリを入れていたのと、オチを変えていた程度で、とりたてて新味はない。
柳亭市馬「掛取り」
前のネタを受けて「会長さん小三冶」「市馬さんオンステージ」とやっていたが、こちらの方が出来が良い。
この度、落語協会の副会長の就任ということで、この日がその初高座。
客席から「オメデトウ」の声も。
気分がややハイになっていたせいか気合が入っていて、短縮版だったが十分楽しめた。
歳の瀬も押し詰まってくると、やはり市馬の「掛取り」はいい。
~仲入り~
柳家三三「鮑のし」
こちらは19日放映のTBSの「情熱大陸」に出演とのこと。
もし「落語大賞」というタイトルがあったら、2010年は柳家三三だろう。
その位、この人の活躍は目ざましかった。
独特の「間」の取り方と、タイミングの良いクスグリで、古典に新たな息吹を吹き込んでいる。
そういう点でこの「鮑のし」も短宿版ではあったが、実に結構でした。
立川談笑「鼠穴」
設定を江戸時代の商家から、現代の中国から日本への出稼ぎの成功者に置き換えた。
「改作」というよりは「換骨奪胎」に近いだろう。
ストーリーの運びには無理もあるが、このネタの陰惨な部分が緩和され、笑える「鼠穴」に仕立てている。
注文するとすれば、人物の造形が粗いし、会話の「間」も決して上等とは言えない。
談笑は今のところ才能と勢いで押していて、未だ発展途上にあると思われる。
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