「志の輔・鯉昇・喬太郎・白酒」揃い踏み
12月30日は横浜にぎわい座の「BS12プレゼンツ“松尾貴史のオススメ落語集”vol.1」に出向く。
この時期に今をときめく「志の輔・鯉昇・喬太郎・白酒」の4名が勢ぞろいし、しかも入場料が2000円とは夢のような催しだ。
あまり宣伝していなかったせいで、チケットが入手できた。
冒頭に松尾貴史より会の趣旨について説明があり、要はBS12チャンネルの番組収録とのこと。
この日の模様は2月に放映予定だそうだ。
< 番 組 >
桃月庵白酒「松曳き」
立川志の輔「みどりの窓口」
~仲入り~
柳家喬太郎「竹の水仙」
瀧川鯉昇「茶の湯」
白酒「松曳き」、開口一番ということもあったのか、収録されるということもあったのか、マクラから普段よりやや抑え気味の高座だったが、ネタに入ればいつもの白酒ワールド、いつ聴いても面白い。
この人の良さは、会話にテンポがあって且つ「間」の取り方が上手い。
志の輔「みどりの窓口」、志の輔の新作の中でも完成度が高く、旧さを感じさせない。
この人はマクラの振り方が巧みで、話題が新鮮だし、一見無関係のようでいて、ちゃんとネタの前振りになっているのに感心する。
喬太郎「竹の水仙」、実はこの高座を観るまでは、今年の喬太郎は低調だったと明日の記事に書く予定だった。
ここ数年、毎年10席ほど喬太郎の高座を観てきたが、今年は良かったものが一つも無かったからだ。
しかしこの日の「竹の水仙」は実に良かった。
経営不振で首を括ろうとまで追い詰められていた宿の主人が、甚五郎の彫った竹の水仙で救われるときの喜びと安堵。
それにもましてこの騒動を通して宿の主人の人間的成長が遂げられた喜びが、「こっちの方が嬉しい」という一言に凝縮されている。
クスグリを随所に入れて軽く演じているようで、この演目を深い所で捉えている喬太郎の独壇場。
終わって暫くは客席のざわめきが続いていたところにも、この高座の充実ぶりが窺えた。
鯉昇「茶の湯」、これまた十八番中の十八番といって良いだろう。
マクラからオチまで寸分の狂いがなく、いつもながら完成度の高い高座だった。
四人四様、それぞれの十八番を披露し合うという豪華番で、この日来場の観客は得をした。
今年最後の落語会で、これにて笑い納め。
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