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2010/12/20

春風亭一之輔独演会@国立演芸場

「いちのすけえん、国立」と題する一之輔独演会が12月19日国立演芸場で行われた。
二ツ目ながら、三夜連続独演会を満員にするほどの人気と実力を兼ね備えた若手噺家であるのは、ご存知の通り。
この日の会も早々に前売り完売。
客層は中高年が多く、いわゆるアイドル的人気者ではない。
話芸の力だけでファンを惹きつけているわけだ。

前座・春風亭一力「子ほめ」
春風亭一之輔「鈴ヶ森」
春風亭一之輔「明烏」
春風亭一朝「抜け雀」
~仲入り~
春風亭一之輔「富久」

当初のプログラムでは2席の予定だったが、当日になって3席に変更したようだ。
こうしたサービス精神も一之輔の人気の要因なのだろう。
先ずは十八番の「鈴ヶ森」、何度聴いても面白い。このネタでは柳家喜多八と双璧だ。
続いて演じた「明烏」、こういうネタをいとも簡単に軽く演ってしまうように見える所がスゴイ。
全く気負うことなく、しかも丁寧に描きながら独自のクスグリも随所に入れ込む、並の才能ではない。
引き合いに出して悪いが、同じネタを例えば立川談春と比べると、一之輔の方が遥かに上だ。
そして最後の演し物「富久」、良かったねぇ。
これだけでも寒い中、日曜の夜に出かけてきた甲斐があったというもの。
酒を飲みながら帳づけする久蔵の姿が実に良く出来ていた。再び出入りを許された嬉しさと共に、幇間(たいこもち)の悲哀が伝わってくる。
千両富に当たった喜びと、肝心のクジを焼失してしまった時の落胆、そして鳶頭が火事の中を運び出してくれた神棚の中にクジが見つかった時の狂喜乱舞、いずれも観ていて引き込まれる。
久蔵、旦那、鳶頭などの人物像もクッキリと描かれており、上出来の「富久」だった。
この人は上手い。

ゲスト出演の形だった師匠・一朝の「抜け雀」(こちらも結構でした)を聴きながら、この師弟の芸風は似ていないようにも思えるのだが、会話の中から「滲み出てくる可笑しさ」という点では、やはり師匠の影響力によるものと改めて感心した。

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コメント

はじめまして。落語ファン初心者です。お詳しいご様子なので、お訊ねいたします。落語会の情報はどのように入手されるのですか?差し障りなければ教えていただきたいのですが。よろしくお願いいたします。

2の1様
さて、困りました。
一口に落語会の情報といっても多すぎて、どれからご紹介して良いのか分からないんです。
手っ取り早いのは落語の月刊専門誌「東京かわら版」(購読方法は下記URLを参照)
http://www.tokyo-kawaraban.net/
を見ることでしょうが、実は私はこの雑誌を読んだことがないんです。
落語ファンといわれる方々がよく手に取っているので、きっと役に立つ情報が載っているんだと思います。
あとは、寄席でしたら鈴本演芸場など各定席のHPを見るか、また落語協会と落語芸術協会のHPにも寄席や落語会の案内が掲載されています。
その他、「チケットぴあ」などのプレイガイドに会員登録して、お気に入りに「落語」と登録しておくと、落語会の案内がメールで送られてきます。
ご贔屓の落語がいるなら、その方のHPに出演する会が紹介されているケースもあります。
あまり適切な回答にならなかったかも知れませんが、こんな所です。

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