よってたかって新春らくご(2011/1/23)
1月23日、よみうりホールで開かれた「よってたかって新春らくご 21世紀スペシャル寄席ONEDAY」へ。
新春らしい舞台の飾りつけの中で、おめでたいネタをという趣向だろうか。
< 番 組 >
前座・柳亭市也「高砂や」
三遊亭白鳥「ギンギラX」(「ピンピンマン」)
桃月庵白酒「佐々木政談」
~仲入り~
柳家三三「鮑のし」
柳亭市馬「竹の水仙」
なにせ前日に林家三平と国分佐智子の婚約会見が行われたばかりなので、これが話題になると思っていたが、果たして4人とも濃淡の差はあるものの、サカナにしていた。
落語家というのは、他人の不幸を喜ぶものなのだ。
その三平だが、あのシャベリは話芸に不向きだ。噺家として大成しないであろうことは仲間内も多くの落語ファンも、そう感じていると思う。
襲名前後には寄席にも頻繁に出演していたが、近ごろはあまり顔を見ない。
襲名だの、結婚、離婚だのという話題ばかり先行の林家一家、これからどうなるのだろう。
白鳥「ギンギラX」、薬屋の老夫婦が惚れ薬を作って、その効能で・・、というストーリー。
結構受けていたが、どうも私には面白さが最後まで感じられなかった。
白鳥の新作の中でも、出来が良いとはいえない作品だと思う。
白酒「佐々木政談」、マクラで、国分佐智子に「目を覚ませ」と言いたいで、場内は爆笑。
三遊亭圓生も若い頃は下手で、その当時の録音を聴いて白鳥さえ下手だなと言ったで、また爆笑。
ネタに入って、子ども同士のお白州の場面から、本物のお白州で四郎吉少年が佐々木信濃守の放つ難問を頓智頓才で次々と切り抜ける場面まで、間然とすることなく、語りの上手さに惹きつけられる。
目をつむって聴いていると、志ん朝の高座が彷彿とされる、そんな出来だった。
久々にいい「佐々木政談」が聴けた。
三三「鮑のし」、後から出た市馬が三三を評して待望のスターが生まれたと言っていた。
もう数年前に喬太郎が高座で「これからは三三の時代ですよ」と語っていたが、どうやらその通りになりつつあるようだ。
ネタの「鮑のし」だが、独特の間とクスグリで面白く聴かせていたが、なにか途中で急に終わってしまったような印象を受けたのは、時間の加減だったのだろうか。
場内もややあっ気に取られた感があった。
市馬「竹の水仙」、細川の家来が宿の主人の所へ水仙を買い求めにくる型と、宿の主人に水仙を細川家に持参させる型の二通りあるが、市馬は前者の型で。
途中で馬子唄を入れるサービスもあり、確かに上手いとは言えるのだが、例えば喬太郎の同じネタと比べると緊張感が足りないし、聴いていて心を打たれない。
最近の市馬の高座は、全体として「納まってしまった」印象を受ける。
これで良いのだろうか。
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