良質のコメディ!「大人は、かく戦えり」(2011/1/25)
1月25日、新国立劇場・小劇場で行われたシス・カンパニー公演「大人は、かく戦えり」を観劇。
作者のヤスミナ・レザは、ユダヤ系ハンガリー移民2世でパリ大学出のフランス人。
女優であり脚本家であり、小説家でもあるという才女で、脚本は世界各地で上演され多くの賞を受賞するなど高い評価を得ているとのこと。
本作品は、本邦初演となる。
作=ヤスミナ・レザ
演出=マギー
翻訳=徐賀世子
< キャスト >
大竹しのぶ/ヴェロニク・ウリエ
段田安則/その夫で雑貨商、ミシェル・ウリエ
秋山菜津子/アネット・レイユ
高橋克実/その夫で弁護士、アラン・レイユ
ストーリーは、
子供同士の喧嘩の後始末で集まった2組の夫婦、被害者側のウリエ夫妻と加害者側のレイユ夫妻。
始めは寛容で平和的に始まった話し合いは、次第にお互いの見解が全く異なっていることが顕わになり、さらに社会観や価値観の違いや、見掛けとは大きく異なる夫婦の実態までが明らかになってゆく。
もはや子ども同士の喧嘩などどうでも良く、やがて狂気にも似た剥き出しの本性のぶつかり合いに・・・。
こう書くといかにも深刻な芝居を連想するかも知れないが、実際の舞台は爆笑コメディだ。
本人たちが真剣になればなるほど、観ている側は腹を抱えて笑うことになる。
建前から本音へ、静から動へ、秩序から混乱へ、その移行と対比が実によく出来ている。
セリフが洒落ているし、翻訳も良くこなれている。
本人と二重写しに見えるほどのハマリ役である大竹しのぶを始め、4人の達者な演技が華を添える、第一級のエンターテイメントである。
上演は30日まで。
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