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2011/01/30

【エジプトのデモ】イスラム教国家の民主化ドミノ

エジプトでムバラク大統領の辞任を求めるデモが日に日に先鋭化し、無政府状態になりつつあるようだ。
エジプトは大好きで、デモが行われているカイロ、ギザ、アレキサンドリア、スエズはいずれも訪れたことのある都市であり、無関心ではいられない。
初めてエジプトを訪問した20年以上前に、現地では既にムバラク政権の腐敗が話題になっていたので、随分と長期にわたり腐敗政治が続いていたことになる。
それを支えていたのは、強権政治体制だ。
エジプトに限らず、中東のイスラム教国家には、いわゆる民主主義的自由はない。
一見、先進国と見まごうばかりのドバイ、カタールといった国々でも事情は変わらない。

エジプトではイスラム教は国教だ。
エジプト国憲法では「イスラムはこれを国教とし、アラビア語はこれを公用語とする。イスラムの聖典における諸原則は、立法上の主要な源泉である。」と規定している。
新年にエジプト国内のキリスト教徒(コプト教)に対するテロで23名の死者が出たが、彼らは異教徒ということで公務員になれないなどの差別を受けている。
イスラム教が政教一元を掲げ続けているうちは、民主主義国家は望めないのではなかろうか。

石油などの天然資源に恵まれないエジプトの主な収入源は次の様だ。
(1)観光収入
(2)スエズ運河の通行料
(3)海外出稼ぎ者からの仕送り
(4)外国からの援助
最後の援助では、アメリカからの援助が大きい。
20年前でさえ、カイロにあるアメリカ大使館はスタッフが300名以上と、世界でも最大級の規模だと言われていた。
米国は口を開けば「中東の民主化」を叫ぶが、その中味は「中東の親米化」であり、エジプトやサウディアラビアのような親米国家であれば、強権政治を行おうとテロを行おうとお構いなしだ。
やはり民主化は、その国の国民自身の手によらねばならない。

チュニジアに始まった民主化の流れは、エジプトを始め中東諸国にドミノ倒しのような連鎖反応を引き起こす可能性がある。
やがてこの流れがアジア諸国に及ぶことになれば、世界は大きく変動することになろう。
私たちもエジプトの騒乱を、対岸の火事として傍観してばかりはいられない。

2011/01/29

「J亭談笑落語会 花鳥風月 月Part2」(2011/1/28)

1月28日、JTアートホール・アフィニスで開かれた「J亭談笑落語会 花鳥風月 月Part2」へ。
鯉昇、喬太郎の豪華ゲストを迎えて、談笑の2席はネタ出し。
<  番組  >
立川談笑「疝気の虫」
瀧川鯉昇「千早振る」
~仲入り~
柳家喬太郎「オトミ酸」
立川談笑「三味線栗毛」

談笑の1席目「疝気の虫」。早大在学中、スペイン語の履修で苦労したというマクラを振っていたが、私はどうもこの手の話を落語家がするのを好まない。自虐ネタなら別だけど。
舞台を長崎から江戸に向かう船中に変えて、ストーリーも大幅に手を入れていたが、あまり成功してとはいえない。
余談だが、蕎麦の食い方が下手だ。
昨年聴いた、同門の志らくの高座の方が軽妙洒脱で遥かに面白かった。

鯉昇「千早振る」。体温計が見当たらず、寒暖計で熱を測ったというマクラから本題へ。
十八番といえる鯉昇のこのネタは完成度が高く、いつ聴いても大笑いする。
オチを含めて毎回マイナーチェンジがあるのもご愛嬌。

喬太郎「オトミ酸」。春日八郎の「お富さん」の歌詞を使った「千早振る」のパロディー。
もちろん仲入り前の鯉昇のネタを受けたもので、喬太郎がよく使う手だ。
談笑の会だからこのネタにと言っていたので、もしかすると談笑落語の特長である「改作」を意識したものかも知れない。
かなり強引な手法だが、面白く聴かせてくれた。

談笑の2席目「三味線栗毛」。このネタ「喬太郎さんが得意にしているんだそうですね」と言っていたが、知らなかったとしたら不勉強。
「三味線栗毛」は喬太郎によって現代によみがえったといっても過言ではない。
ストーリーは。
老中・酒井雅楽頭の次男・角三郎は、五十石の捨て扶持をもらって下屋敷で部屋住みの身。
大名の倅といえども次男以下は、大名を継ぐことはできない。
ある日、読書で肩がこった角三郎が用人の清水吉兵衛に頼み、按摩を呼んでもらう。名を錦木という。
療治がうまくて話がおもしろいので、角三郎は大いに気にいる。
錦木が角三郎に対して将来必ず大名になる骨格をしていると言うと、角三郎は冗談半分に「もし、おれが大名になったら、お前を検校にしてやる」と約束する。
やがて錦木は大病にかかり、一月も寝込んでしまう。
見舞いに来た同じ長屋の者に「あの下屋敷の酒井の若さまが、兄貴の与五郎が病身とあって、思いがけなく家を継ぎ大名になった」という話を聞き、飛び上がって布団から起き出し・・・。

談笑の演出はオリジナルに対して、角三郎が長屋で寝込んでいた錦木の見舞いに行く所と、大名になった角三郎が再び長屋の錦木を訪れ「約束通り検校にしてやる」と告げてそのまま乗馬させる所に、それぞれ変えていた。
武士の世の中では有り得ないことだが、劇的な効果を狙い、また限られた時間にオチまで持ってゆくために、こうした改変を行ったものと思われる。
しっかりとした語り口とセリフの間の取り方が上手く、良い出来だったと思うのだが、なにせ頭の中に喬太郎の「三味線栗毛」が思い浮かび、比べるとやはり見劣りするのは否めない。
それと、錦木の手や指先の使い方は、もう少し工夫が必要か。

この日もそうだが、談笑の独演会は前売り完売が続いているようだ。
そんな談笑を昨年から今年にかけていくつか観てきたが、世評の高い割には、それほど高座が優れているとは思えない。
それと、時おり垣間見せるイデオロギー臭が少々鼻につく。
もう、暫くはイイかなというのが、私の感想である。

2011/01/26

良質のコメディ!「大人は、かく戦えり」(2011/1/25)

1月25日、新国立劇場・小劇場で行われたシス・カンパニー公演「大人は、かく戦えり」を観劇。
作者のヤスミナ・レザは、ユダヤ系ハンガリー移民2世でパリ大学出のフランス人。
女優であり脚本家であり、小説家でもあるという才女で、脚本は世界各地で上演され多くの賞を受賞するなど高い評価を得ているとのこと。
本作品は、本邦初演となる。

作=ヤスミナ・レザ
演出=マギー
翻訳=徐賀世子
<  キャスト >
大竹しのぶ/ヴェロニク・ウリエ
段田安則/その夫で雑貨商、ミシェル・ウリエ 
秋山菜津子/アネット・レイユ 
高橋克実/その夫で弁護士、アラン・レイユ

ストーリーは、
子供同士の喧嘩の後始末で集まった2組の夫婦、被害者側のウリエ夫妻と加害者側のレイユ夫妻。
始めは寛容で平和的に始まった話し合いは、次第にお互いの見解が全く異なっていることが顕わになり、さらに社会観や価値観の違いや、見掛けとは大きく異なる夫婦の実態までが明らかになってゆく。
もはや子ども同士の喧嘩などどうでも良く、やがて狂気にも似た剥き出しの本性のぶつかり合いに・・・。

こう書くといかにも深刻な芝居を連想するかも知れないが、実際の舞台は爆笑コメディだ。
本人たちが真剣になればなるほど、観ている側は腹を抱えて笑うことになる。
建前から本音へ、静から動へ、秩序から混乱へ、その移行と対比が実によく出来ている。
セリフが洒落ているし、翻訳も良くこなれている。
本人と二重写しに見えるほどのハマリ役である大竹しのぶを始め、4人の達者な演技が華を添える、第一級のエンターテイメントである。

上演は30日まで。

2011/01/25

【NHK】電波の私物化が進む

昨晩のNHKで8時40分過ぎから、NHK会長福地茂雄の退任挨拶なるものが放映され、驚いた。
役員の退任はNHKの社内人事であり、公共の電波を使って放送すべき事柄ではない。挨拶は社内ですれば十分だ。
この放送にかかった費用だって、我々の受信料から出ている。

年末から年始にかけてのNHKの番組宣伝(番宣)は、すさまじいものがあった。
毎年のこととはいえ、とりわけ紅白歌合戦に対する番宣は気違いじみている。
その紅白自体がまた、正月以後のNHK番宣と化している。
久々にその紅白をみたが、下手な司会と、とてもプロとは思えないレベルの歌を次々ときかされ、1時間でギブアップした。あれ以上は辛抱できなかった。
宣伝しているヒマがあるなら、内容の充実に力を注いでほしい。
年が明ければ、今度は大河ドラマの番宣の洪水である。

番宣はいうまでもなく視聴率を上げるために行うものだ。
民放なら視聴率は収入と直結するので、やる意味は分かる。
しかしNHKは強制的に受信料を徴収しているわけで、視聴率が上がろうと下がろうと経営に関与しない。
紅白の視聴率が何パーセントだったかなど、番組スタッフのメンツの問題でしかない。
私たちの受信料を使ってなんの意味もない番宣を制作しているのは、視聴者に対する背信行為だといえよう。
金を取っている以上は、NHKは誠実に番組を作り、放送する義務があるのだ。

加えて、ここ最近になってアナログTVに対する嫌がらせ行為がさらに露骨になってきた。
画面を砂あらしにするという、実に悪質な手口だ。
これは、放送法に違反しているのではなかろうか。
たとえば私が住んでいる共同住宅では、全戸がケーブルテレビを通してTV番組を受像している。
CATV各社は2015年3月末までは、デジアナ変換による地上アナログ放送を継続することを決めており、我が家を含めて近隣の家庭でもアナログTVをそのまま使用している人が多い。
そういう受像機に対しても、砂あらし画面で嫌がらせをしているのだから、まるでヤクザみたいなものだ。

役員の退任挨拶などどうでもいいから、NHKは全ての視聴者に対して誠実な態度で放送事業を進めるべきだ。
いまのNHKは、公共放送の名前が泣く。

2011/01/24

よってたかって新春らくご(2011/1/23)

1月23日、よみうりホールで開かれた「よってたかって新春らくご 21世紀スペシャル寄席ONEDAY」へ。
新春らしい舞台の飾りつけの中で、おめでたいネタをという趣向だろうか。

<  番 組  >
前座・柳亭市也「高砂や」
三遊亭白鳥「ギンギラX」(「ピンピンマン」)
桃月庵白酒「佐々木政談」
~仲入り~
柳家三三「鮑のし」
柳亭市馬「竹の水仙」

なにせ前日に林家三平と国分佐智子の婚約会見が行われたばかりなので、これが話題になると思っていたが、果たして4人とも濃淡の差はあるものの、サカナにしていた。
落語家というのは、他人の不幸を喜ぶものなのだ。
その三平だが、あのシャベリは話芸に不向きだ。噺家として大成しないであろうことは仲間内も多くの落語ファンも、そう感じていると思う。
襲名前後には寄席にも頻繁に出演していたが、近ごろはあまり顔を見ない。
襲名だの、結婚、離婚だのという話題ばかり先行の林家一家、これからどうなるのだろう。

白鳥「ギンギラX」、薬屋の老夫婦が惚れ薬を作って、その効能で・・、というストーリー。
結構受けていたが、どうも私には面白さが最後まで感じられなかった。
白鳥の新作の中でも、出来が良いとはいえない作品だと思う。

白酒「佐々木政談」、マクラで、国分佐智子に「目を覚ませ」と言いたいで、場内は爆笑。
三遊亭圓生も若い頃は下手で、その当時の録音を聴いて白鳥さえ下手だなと言ったで、また爆笑。
ネタに入って、子ども同士のお白州の場面から、本物のお白州で四郎吉少年が佐々木信濃守の放つ難問を頓智頓才で次々と切り抜ける場面まで、間然とすることなく、語りの上手さに惹きつけられる。
目をつむって聴いていると、志ん朝の高座が彷彿とされる、そんな出来だった。
久々にいい「佐々木政談」が聴けた。

三三「鮑のし」、後から出た市馬が三三を評して待望のスターが生まれたと言っていた。
もう数年前に喬太郎が高座で「これからは三三の時代ですよ」と語っていたが、どうやらその通りになりつつあるようだ。
ネタの「鮑のし」だが、独特の間とクスグリで面白く聴かせていたが、なにか途中で急に終わってしまったような印象を受けたのは、時間の加減だったのだろうか。
場内もややあっ気に取られた感があった。

市馬「竹の水仙」、細川の家来が宿の主人の所へ水仙を買い求めにくる型と、宿の主人に水仙を細川家に持参させる型の二通りあるが、市馬は前者の型で。
途中で馬子唄を入れるサービスもあり、確かに上手いとは言えるのだが、例えば喬太郎の同じネタと比べると緊張感が足りないし、聴いていて心を打たれない。
最近の市馬の高座は、全体として「納まってしまった」印象を受ける。
これで良いのだろうか。

2011/01/21

【阪神】小林投手の入団は朗報だけど・・・

1月20日、ロッテの守護神だった小林宏投手の阪神タイガースへの入団が内定した。FA宣言して大リーグへの挑戦を目指したが交渉が不調に終わり、阪神からの熱心な誘いを受けたものだ。
昨シーズン後半、クローザーにつなぐ抑え投手不足により優勝を逃がしたタイガースにとって、小林の加入は大きな力になることは間違いないだろう。
しかし最近の阪神の、次々と他球団の有力選手を獲得しながら戦力補強を行うというやり方は、果たして正しいのだろうか。

例えば捕手をみても、中日から矢野を獲得し、矢野に衰えが見えると城島を、その城島がケガをすると今度は楽天から藤井彰人をといった具合だ。
自分のチームの選手を育て上げていくという観点に欠けている。
その結果、今のレギュラーで生え抜きとよべるのは鳥谷内野手ぐらいで、他はFAなどで獲得した選手か外国人選手たちになってしまった。

これでは若手選手のモチベーションにも影響するだろう。
今の阪神は若手がなかなか育たない。だから手っ取り早く他球団から即戦力の選手を補強する。ますます若手が育たないという負のスパイラルに陥っているように見える。
ファンとしてはもちろんタイガースに強くなって欲しいし、常に優勝できるようなチームであって欲しい。
でも、それだけではない筈だ。
少なくともレギュラーの半数以上は生え抜きの選手で占めて欲しいし、いわゆるミスタータイガースとよぶに相応しいスター選手の出現を待ち望んでいる。

3年先、5年先のチーム作りを今こそ考えるべき時期ではなかろうか。

2011/01/17

そりゃあ「膝まくら」

ブログネタ: まくら、好みのタイプはどれ?参加数拍手
断然「膝まくら」でしょう。
都々逸に「枕出せとはつれない言葉 そばにある膝知りながら ♪」ってあるじゃない。
そうねぇ、贅沢はいわないけど、相手の女性は27,8から30デコボコ、色白の乙な年増がいいねぇ。
浴衣姿で膝を貸しながら、団扇で風を送ってくれる。
庭には打ち水、軒先に下がった風鈴がチリンチリンとなる夏の夕べ。
「膝枕 させて辺りを見まわしそっと 水を含んで口移し ♪」ってなことに・・・。


アーア、そんな経験、一度でいいからしてみたい。

三三独演新春特別公演(2011/1/16)

1月16日国立演芸場で行われた「月例・三三独演新春特別公演」へ。
月例ということで、国立演芸場が改装になる2月を飛ばして毎月三三の独演会が行われる。
この日も、そして3月の例会も既に前売り完売という人気だ。
早めに会場に着いたので、1階資料室の演芸資料展「萬歳・万才・漫才」を見学。
懐かしい東京の漫才師たちの写真が紹介されていたが、さすがに「並木一路・内海突破」はラジオでしか知らないが、「リーガル千太・万吉」以後はナマで観ている。「荒川のペリ住まい」のギャグを思い出す。
「トップ・ライト」「天才・秀才」「Wけんじ」「てんや・わんや」「三球・照代」、みな面白かったなぁ。

<  番 組  >
柳家三三「王子の狐」
三遊亭兼好「権助(一分)芝居」
~仲入り~
柳家三三「橋場の雪」

後で兼好が三三の人柄について、これだけ人気者になりながら誰からも好かれると語っていた。
三三の独演会におけるゲストの人選を見ていると、周囲に対する目配り気配りを感じる。
こうした人間関係に対する配慮というのは、サラリーマンの世界と同様なのだろうと思う。
三三の1席目「王子の狐」、主人公の男が最初から狐を騙すつもりでいたのか、それとも成り行きから騙すことになったのかで演者の演出が分かれるが、三三は後者のようで、料理屋へは狐が誘うという設定。
ただこの設定だと、男が誉めておだてて狐を無理やり酔わせるというこのネタの見せ場が弱くなるように思う。

ゲストの兼好「権助芝居」、又は「一分芝居」ともいう。
兼好の高座をみていると、この人の持って生まれた天分、そこに存在しているだけで面白いというような才能を感じてしまう。
この人が高座に上がってくるだけで、こちらがニコニコしてしまう。
恐らくこうしたことは、努力だけではどうにもならないだろう。
マクラで歌舞伎や能、狂言の形態物まねを披露したが、これが傑作で大笑い。
ネタに入ると、主人公の「権助」に愛嬌があって楽しめた。
チラシの挨拶で三三がいっている通り、兼好は「只者」でない。

三三の2席目「橋場の雪」、この人が最も得意とするジャンルのネタと言って良いだろう。
この演目、ネットで調べたら古くからあった人情噺「雪の瀬川」が、元の「橋場の雪」(別題「夢の瀬川」)として落し噺化され、それを「鼻の円遊」が現行のサゲに直したものらしい。
「雪の瀬川」は、現役では柳家さん喬が得意としている。
一方「橋場の雪」の方は八代目桂文楽が手を加え、「夢の酒」として磨き上げたとある。
筋が「夢の酒」とソックリなのは、そのせいなのか。「天狗裁き」にも似ている。
三三の高座は、登場人物の演じ分けが鮮やかで、季節感も十分で良い出来だったと思う。

新春早々の若手実力派のぶつかり合い、見堪えがあった。

終演後に下の写真のホワイトチョコが全員に配られた。
こういうサービス精神も、人気の秘訣か。

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2011/01/15

【菅内閣】もはや政権打倒しかない

昨日、菅第二次改造内閣が発足した。
メディアは専ら内閣の顔ぶれがどうのこうのと報道しているが、問題は政策の中味だ。
結論からいえば、この内閣は国民生活になんら利することのない、もはや打倒するしかない政権である。
民主党・菅直人首相がこれから推し進めようとする主要政策(一部は既に実施)は、
・企業減税
・消費税の増税
・TPPへの参加
・武器輸出三原則の見直し
であるが、いずれも財界から強い要望が出されていた課題だ。
つまり口先では「税制と社会保障の一体改革」などと言っているが、その実、100%財界の思惑通りに動いている政権である。

世論調査によると消費税増税に賛成する意見が過半数に達しているようだが、恐らくこれは今後の高齢化社会に向かって社会保障を充実させてゆくためには、財源として消費税の増税は止むを得ないと考えているからだろう。
しかし、これから菅政権が行おうとしている消費税増税は元々企業減税と一体化したものであり、既に先行させた企業減税の穴埋めとして実施するものだ。
その企業減税だが、菅総理はこれによって企業の海外移転を防ぐことができ、国内の雇用が増大するなどとホラを吹いてきた。
イラ菅ならぬホラ菅である。
しかし結果は、アメリカ政府が日本に対応して企業の法人税率引き下げを提案するなど、むしろ各国の引き下げ競争に拍車をかけてしまった。
むろん雇用の創出など望むべくもない。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加について、明治に次ぐ第二の開国などと大見得を切っているが、それほどのものでも無い。
確かに輸出産業にとって有利であることは間違いないのだが、問題は食糧自給率との関係をどうするかだ。
現状のままでは国内の農漁業は壊滅的打撃を受けかねず、自給率がさらに低下することは避けられないだろう。
食糧安保といわれるように、最後は食糧を握っているものが勝つ。
食料不足を経験したことの無い若い方にはピンとこないかも知れないが、戦後の食べるモノが無かった時代を生きてきた私たちの世代からすると、自給率の向上は切実な課題だ。

武器輸出三原則というのは、先ず1967年4月に佐藤栄作首相時代に (1)共産圏、(2)国連決議で武器禁輸になっている国、(3)国際紛争の当事国あるいはその恐れのある国に対する武器輸出は輸出貿易管理令で承認しない、と定めた。
その後1976年に三木武夫首相が、(1)三原則地域への輸出を認めない、(2)それ以外の地域への輸出も慎む、(3)武器製造関連設備の輸出も武器に準じて扱う、との方針を決めた。
しかし2004年に日本政府は、ミサイル防衛(MD)に関する米国との共同開発・生産を三原則の例外としていた。
今回、米国と財界からの要求に従ってこの原則を更に見直すというものだ。
以上のように自民党政権でさえなしえなかったことを、民主党政権は実施しようとしている。

どうやら私たちは、戦後最悪の政府をいただいてしまったようだ。
百害あって一利なしの菅政権は、もやは打倒するしかない。
取り敢えずは今春の地方選挙で、国民は態度を示すべきだろう。

2011/01/13

深刻な「日本人の性意識」

本日の各メディアがいっせいに伝えている厚生労働省の研究班(主任研究者=竹田省・順天堂大教授)の「男女の生活と意識に関する調査」結果だが、かなりショッキングだといえる。
調査は2010年9月に、16~49歳の男女3000人を対象にして行われ、うち1540人から回答があった。
調査でセックス(性交渉)への関心について尋ねたところ、セックスに関心がない・嫌悪していると回答した人は、男性18%、女性48%で、2008年の調査より男性は7ポイント、女性は11ポイント増えている。
年代別だと16~19歳で最も多く、男性36%(前回調査で18%)、女性で59%(同47%)だった。男女ともに「草食系化」が進んでいる傾向がみられ、とくに若年男性の草食系化傾向が強まっていた。
セックスに関心がない一因は、「異性と関わることが面倒だ」と感じることにあるようで、全体の4割の回答者が「面倒だ」と回答した。

アタシの永い人生経験からいうと、女のことは分からないが男に関していえば、セックスに関心がないとか嫌悪しているとか、そんな人間に出会ったことがない。
特に男の16~19歳といえば、フツーはセックスに最も関心が高く、性に対する欲望や衝動もピークの時期だ。
ただ相手に恵まれず、理性によって欲望を抑えているので、表に出ないだけだ。
その年代の男の子の3人に1人が、性に関心がないか嫌悪しているとは。
日本の将来に暗澹たる思いがしてくる。

これも経験則だが、活力のある男性というのは、ほぼ例外なく女性に対して積極的だ。
なかには何事にもいい加減だが、女性にだけ積極的な「下半身男」もいるけど。
仕事や人生に精力的な男は概して女性にも精力的であり、下品な言い方を許してもらえば「遣り手」は「やりてぇ」に通ずるのだ。
昔から「英雄色を好む」というが、その通りだと思う。
4割の人間が「異性と関わることが面倒だ」と答えたとあるが、もっと面倒なことは山ほどある。
面倒だからと避けたり嫌ったりしていたら、人生なにも出来ない。

“durex”社が定期的に行っているセックスに関する最新調査で、世界26ヵ国26000人に対する調査結果によると、セックスに満足していると答えた日本人は15%で最低だった。
アメリカ、カナダ、イギリス、ロシア、オーストラリア、そして隣国の中国などみな40%台だから、日本はおよそ3分の1ということになる。
セックスの頻度もむろん調査国中の最低だった。

性の問題だけで判断してはいけないかも知れないが、調査から浮かび上がってくるのは活力を失いつつある日本人の姿だ。
社会的制約の中で非婚少子化は進行しているとされるが、それ以前にいわば自己規制のような形で性に対する関心が薄くなっているとしたら、これは深刻な社会問題だ。

この問題解決にぜひ「一肌脱ぎたい」と思っているのは、アタシだけだろうか。

2011/01/11

柳家三三・桂吉弥ふたり会(2011/1/10)

1月10日、紀伊国屋サザンシアターで行われた「柳家三三・桂吉弥ふたり会」へ。
東西の人気者二人が2席ずつ、うち1席はネタ下ろしという趣向の会だ。

<  番 組  >
開口一番・桂吉之丞「動物園」
桂吉弥「河豚鍋」
柳家三三「五人廻し」
~仲入り~
柳家三三「高砂や」
桂吉弥「猫の忠信」

吉弥の1席目「河豚(ふぐ)鍋」、マクラで今年のNHK大河ドラマに出演する予定だったが、共演者とのスケジュールが会わず実現しなかったと明かし、その役は和泉元彌が演じることになったと語ると、場内から「オー!」という反響。あまりにイメージが違うということか、和泉元彌がそれほどヒマなのかということか、どちらの反応だったのだろう。
軽いネタでと前置きしての「河豚鍋」だが、季節感があって良いチョイスだったと思う。
東京ではフグ料理というと高級というイメージだが、大阪で「てっちり」や「てっさ」というとグッと庶民的な感じになる。実際に値段も安い。
このネタは東京でも演じられるが、やはり上方に相応しい演目ということになる。
2席目はネタ下ろしで「猫の忠信」、後半が次第に怪談噺、芝居噺になってゆくという難しい演目だ。
熱演だったが、猫になってからのセリフ回しや所作が今ひとつ。
歌舞伎の「義経千本桜」の忠信の動き(あちらは「狐」だが)を研究したら、もっと良い出来になると思う。

三三がTVの「情熱大陸」に出てから、街で声がかかる事が多くなったという。メディアの影響力はやはり強い。
三三の2席目「高砂や」、もう十八番といって良いだろう。
このネタをここまで面白くしたというのは大したものだと、いつも感心する。
1席目の「五人廻し」はネタ下ろし。
このネタ、近年では立川談志がベストで、あれを越えられる人は暫く出ないのではなかろうか。
前払いで座敷へ上がったのはよいが、いつまで経っても花魁は来ない。こんな不条理にジリジリと耐えながら、そこは江戸っ子。2階回りの若い衆に文句をいう時も、恰好をつける。
そこの按配が難しい。
5人の客に花魁、喜助という7人の登場人物の演じ分けも勘どころとなる。
さて三三の高座だが、初演にしては上出来だったと思う。
ただ最初の客の啖呵は、もうちょっと颯爽とやって欲しい。あそこは前半の山場なのだ。

二人の程よい緊張感も伝わってきて、新年早々気持ちの良い会だったと思う。

2011/01/09

初笑い!桂三枝の爆笑特選落語会(2011/1/8昼)

この日がアタシの初席となった「初笑い!桂三枝の爆笑特選落語会」の1月8日昼の部へ、会場は有楽町朝日ホール。
周囲を見渡すと、落語ファンというよりは三枝ファンと思われる方が多かったようにお見受けした。
こうしたコアのファンというのは、芸人にとって実に有り難い存在だ。

<  番 組  >
桂三幸「立候補」
桂三若「生まれ変わり」
桂三枝「相部屋」
~仲入り~
桂三枝「ハワイの夜」

古典に比べ新作落語(創作落語)というのはハンディがある。
古典は永い期間に磨かれ、完成度の高い作品として仕上がっているネタをベースに演じるが、新作はそうした熟成期間が短い。
それと古典というのは時代遅れになる心配は少ないが、新作の場合は時代の進歩とのズレがモロに響いてくる。
下手をすると、数年前の作品でも古臭く感じられてしまう。
マクラもそうだ、
新作のマクラというのは、どうしてもコンテンポラリーな話題を振ることになるが、演者が老いてくると時代感覚と微妙にずれてくる。
古典の噺家なら「枯れる」というのがしばしば褒め言葉に使われるが、新作の場合そうはいかないようだ。

こんな前振りを長々と書いてきたのも、三枝の高座に「衰え」を感じたからだ。
年に一度位のペースで三枝の高座を観てきたが、今年はそれを強く感じた。
この人の面白さは先ずマクラにあるのだが、1席目の「相部屋」での人間ドックのマクラは、アアそうそうと首肯する程度の内容だった。
2席目のハワイのマクラも、これといって新味がない。
ネタに入って、「相部屋」は入院患者と見舞いにきた同期生との会話が始まると結末が予測されるような内容だったが、会話の間の取り方が相変わらず絶妙で、楽しめた。
2席目の「ハワイの夜」は、聴いていてダレテきた。
ウクレレを弾きながらハワイアンソングを4曲歌うサービスがあり、会場から拍手喝采だったが、あれはファンサービスの範囲。
落語自体としては、いい出来だったとは思えない。
それより何より、三枝の元気のなさが気になった。
40年以上にわたりメディアの第一線で活躍し続けてきたのだから、老いや衰えは当然ではあるが、なんか寂しい。

若手では三若が上手くなった。
シャベリの間が師匠に近づきつつあるようで、「生まれ変わり」は面白かった。
テンポが良いし、何より明るい高座に好感が持てる。

2011/01/01

年頭妄言2011

当ブログへお立ち寄りの皆様へ、
2011年、新年明けましておめでとうございます。

新年早々縁起でもないとお叱りを受けそうですが、今年もあまり良い年になりそうにありません。
最大の理由は政治の混迷です。

一昨年民主党政権が誕生した際に当ブログは、この政権は自民党の亜流政権であり、前政権と同じ道を歩むと予測していました。
結果はその通りに、いや、もっと悪くなっているかも知れません。
例えば沖縄普天間基地をめぐって、先日前原誠司外相は普天間が危険だというなら学校などを別の場所に移せという趣旨の発言をしていますが、一体この人はどこの国の大臣なのか疑ってしまいます。
菅直人首相に至っては言うべき言葉もありません。

最大野党の自民党はどうかといえば、沖縄基地問題で先に仙石官房長官による「沖縄は基地を甘受せよ」との発言がありました。
これに対して沖縄県議会が発言の撤回と謝罪を求める決議をしようとしたら、自民党が難色を示し全会一致に至らず、本会議への提案は見送れました。
口先だけではいかにも民主党政権と対決するようなことを言っていますが、一事が万事、実際にはこのような「腑抜け」政党なんです。

自民党議員がスピンアウトしてこしらえたみんなの党やたちあがれ日本、新党改革だのという政党は、生まれてはいずれ消え行く泡沫(うたかた)のような存在であることは、過去の経緯が示しています。
これらに対抗すべき勢力はあまりに小さく、これからも大きく伸張することは期待できそうもありません。
かくして政治の「対立なき混迷」が暫くは続くことになりそうです。

閑話休題。
「親父卯(う)年で お袋巳(み)年、これがホントの“うみ”の親」ってぇ都々逸がありますが、今年はその卯年。
最後はその愛らしいウサギさんの画像を紹介してお開きにします。
モデルは何かとお騒がせなエリカ様こと沢尻エリカで、こんなカワイラシイ時代もあったんですね。

Erika_sawajiri

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