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2011/03/13

大震災を「政治ショー」に利用するな

今は何より生存者の救助と被災者の救援活動を優先すべきで、あまり批判的なことは控えたいと思っていたが、これだけは黙っていられない。
菅直人首相は3月12日朝に東電福島第一原発を訪れ、1時間近く視察した。
12日午後に行われた与野党党首会談では、原発に関し「危機的な状況にはならない」と強調していた。
会談中に官邸側は「会談後、首相と官房長官の会見を行う」と発表した。
ところが第一原発の1号機で爆発が起きたのは、その会談の最中だったのだ。
その結果、総理の記者会見はキャンセルするはめになった。

菅首相はこの時期に、一体なんのために原発視察を強行したのだろうか。
首相が来訪となれば、現場がその対応に追われることは眼に見えている。
その後の事故を引き起こす原因の一つとなった可能性だってある。
どうも辞任か解散か追い詰められていた菅首相の、人気回復を狙ったスタンドプレイとしか映らない。
事故に対する対応が後手後手にまわり、枝野幸男官房長官が会見で爆発事故を認めたのは、事故発生後5時間近く過ぎてからだ。
菅首相が「危機的な状況にはならない」と大見得を切ったツケだ。

原発事故に対して経済産業省原子力安全・保安院は当初、午後5時15分から記者会見を開くとしていた。しかし、開始直前になって延期。
結局、会見が始まったのは午後6時からだ。
しかも詳細な情報はほとんどない。
「状況をもっと詳しく」「原子炉は安全なのか」といった質問に保安院の中村幸一郎審議官は、「確認しているところ」「情報を収集します」と、視線を泳がせながらバカのひとつ覚えのように繰り返すだけ。
放射能漏れや、被爆の被害が明らかになっても事実と認めようとせず、ウヤムヤな答弁に終始した。
記者から「説明がなければ住民も安心できない」と詰め寄られたのは当然である。
この会見を見ていた視聴者の多くは、こんな人たちに原子力の安全を任せておけるのか不安を覚えたのではなかろうか。
東電幹部の説明もまた然りだ。

今朝になって、福島第一原発の3号機で、冷却水を炉心に入れていた高圧注水系が停止したことが明らかになった。
圧力が上昇し損傷することを防ぐため、蒸気逃し弁の開放作業を始めたとある。
枝野官房長官は相変わらず心配要らないと言明していたが、1号機と同様の道をたどる可能性もある。
最も懸念されるのは、情報が正確に開示されているのかどうかだ。
なにせこの3号機は、1978年に炉内の核分裂が一時的に制御不能となる臨界事故を起こしたにもかかわらず、事故を隠蔽した前科がある。
被災者や周辺住民にこれ以上の不安を与えないためには、情報の正確な開示が肝要なのだ。

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コメント

最悪のリーダーのときに最悪の事態が起きました。

投稿: 佐平次 | 2011/03/14 10:35

佐平次様
大震災後の菅首相や枝野官房長官の記者会見は、まるで東電の広報担当です。
しかも首相の会見は質疑を一切受け付けないということで、記者から不満の声が出ていました。
「原発の視察」という失敗が尾を引いているのだと思います。

投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/03/14 16:55

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