東電に責任はない?
当ブログ2007年7月27日付の記事“これは「風評被害」じゃなくて「東電被害」”で、電力会社の隠蔽体質について、次のように書いています。
「先般、発電所のデータ改ざんや事故隠しなどの電力会社の不正問題で、経済産業省が行政処分を発表しました。
明らかになった不正は、電力12社で一万件を超しています。」
「原発で事故が起きていて、それが外部に公表されていないということは、かなり前から分かっていたんですね。
監督する原子力安全・保安院も、所管官庁である経済産業省も、このことは百も承知だったでしょう。
ただ経済産業省という役所は、徹底した産業寄りで、特に電力と自動車産業への肩入れは異常です。
消費者や地域住民のことなどお構い無しという体質ですから、見て見ぬフリをしてきた、これが真相だと思います。」
この記事について先般、「名無し」さんから次のようなコメントが寄せられました。
【原子力は国策でしょ?
なんで電力会社ばっかり責めるの?
民間への説明・理解活動は、
本来、原子力安全・保安院
が100%するべきで、
強制的にやらされてる電力会社を
責めるのはお門違い!
電力会社は、今すぐにでも、
原子力を手放したいんだよ。
ぜーんぶ、国に従ってやってるだけ!】
当方の記事は原発そのものを否定した訳ではなく、電力会社の隠蔽体質を批判したものであり、コメントそのものは的外れです。
文面から電力企業の関係者かと推察するのですが、今回の福島原発の事故と照らし合わせると傾聴すべき意見かなとも思えるのです。
東電のHPでは、原発施設の地震対策を見ると、「厳重な安全対策がとられています。このことにより、周辺に影響を及ぼすような大きな事故を未然に防ぐことが出来るものと考えており」、「考えられる最大の地震も考慮して設計」などと書かれていて、十分な安全対策が講じられていることが強調されています。
また津波対策に関しても、「過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価」により「重要施設の安全性を確認」としていました。
しかし今回の福島第1原発の1号機と3号機の事故は、設置されていた非常用発電機がいずれも作動しなかったことが原因のようです。
そのために原子炉に冷却水を送ることができず、重大な事故を招いたのです。
「発電所の中の発電機が作動しなかった」なんて悪い冗談としか思えませんが、いずれにしろ東京電力側の大失態です。
本来なら直ちに経営責任を取らされる事柄でしょうが、連日連夜、原発事故の弁明を行っているのは菅首相や枝野官房長官です。
東電は政府首脳を「広報担当」にしているわけで、こんな私企業は他にありません。
して見ると「名無し」さんの、「ぜーんぶ、国に従ってやってるだけ!」というのは、電力会社の本音なのかも知れませんね。
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