フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« 【大相撲】八百長と「君が代」 | トップページ | 米高官が「沖縄人は怠惰で“ごまかし”と“ゆすり”の名人」 »

2011/03/06

現代狂言V (2011/3/5千秋楽)

3月5日、国立能楽堂で行われた「現代狂言V」を鑑賞。
狂言師の野村万蔵とタレントの南原清隆が中心となって、狂言とコントが結婚したらというコンセプトで始まったこの企画、今年で5周年を迎える。
全国各地の公演を終え、この日が楽日。
狂言というのは約600年前に生まれたそうだが、今見ても十分に面白いし笑える。
してみると笑いのツボというのは数百年、いやもっと永いのかも知れないが、あまり変わっていないと言える。

<  演目  >
一、 古典狂言 「六地蔵」
ある田舎者が新しく建てたお堂に納める六地蔵を求めて都にやってくる。
仏像を彫ってくれる「仏師」を探すのだが、「すっぱ」が仏師になりすまし仲間3人と共に田舎者を騙し、代金を取ろうとする。
3人で六地蔵に扮し、田舎者も出来栄えに感心するのだが・・・。
二、現代狂言 「五獣拳」
「六地蔵」の現代狂言版で、こちらはデンマークからきた空手家が「五獣拳」という動物の彫り物を求めて来日するという設定。
詐欺師が「伝説の彫師」になりすまし、仲間3人を集めて動物の像に扮するのだが・・・。
三、 現代狂言新作 「ドラゴンキャッスル」
作・演出:南原清隆
ニートで就職活動中の浦島太郎が、面接の時に出会った亀に連れられて、海の中のドラゴンキャッスルを訪れる。
ここでは全ての魚がコンピューターで管理されていて・・・。

<  出演者  >
南原清隆
佐藤弘道 / ドロンズ石本 / 大野泰広
森一弥・平子悟(エネルギー) / 石井康太・中村豪(やるせなす)
ニコラス・ペタス / 山田まりや
野村扇丞/高部恭史
野村万蔵
<  演奏  >
和田啓/打楽器
稲葉明徳/管楽器

先ず感じたことは、いつもの国立能楽堂とは客層が全く異なるなぁということだった。
コンサート会場のような雰囲気で、小さな子どもさんも目立った。
恐らく初めて狂言を観る人も多かったと思われ、新規のファン開拓には良い機会だっただろう。
最初の狂言「六地蔵」には南原が出ていたが、なかなかサマになっていた。
生身の人間が6体の地蔵になりすますのに、3人だけでやろうとする。
こうしたチグハグが、しばしば狂言の題材になる。
照明も背景も舞台装置もなしで、ただセリフと動きの面白さだけで笑わせる。
落語と似ているが、演者が立って動くということと、複数の演者によって演じられる点が異なる。
二番目の狂言「五獣拳」は前者の改作といったところ。
落語ファンなら、立川談笑のネタを想像して貰えば分かりやすいかも。
やはりオリジナルの古典の方が面白いという点でも、落語と共通。
三番目の狂言「ドラゴンキャッスル」は南原の新作。
公演パンフレットによれば「巨大な情報を利用するつもりが振り回される現代人。・・・得る答えは何もかも明快なようでいて、手ごたえがない。それは海に漂う姿に似ているのかもしれません。」とあるが、そうした作者の意図がどこまで伝わったのか大いに疑問ではある。
それより劇中での各出演者によるパフォーマンスや、フィナーレへの盛り上がりに観客は満足していたのではなかろうか。

出演者は萬狂言の野村万蔵らと南原清隆を始めとするお笑いタレント、それに体操のお兄さんである佐藤弘道、格闘家のニコラス・ペタスに紅一点・山田まりやが加わるという混成チーム。
それにしてはアンサンブルはしっかりとしていて、お互いが個性を発揮しながら息の合ったところをみせていた。

« 【大相撲】八百長と「君が代」 | トップページ | 米高官が「沖縄人は怠惰で“ごまかし”と“ゆすり”の名人」 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 現代狂言V (2011/3/5千秋楽):

« 【大相撲】八百長と「君が代」 | トップページ | 米高官が「沖縄人は怠惰で“ごまかし”と“ゆすり”の名人」 »