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2011/04/17

劇団大阪「かあちゃんたちの明日」(2011/4/15雪)

劇団大阪が創立40周年を記念して、昨年から「劇団大阪シニア演劇大学」を開講した。
メンバーは50-80歳代で平均が60ン歳という構成。
演劇は初めてという人から超ベテランまでの22名が、その1年間の訓練の成果を第1回公演として「かあちゃんたちの明日」を選び、公演の運びとなった由。
会場は谷町劇場。
劇団員も助っ人として加わり賑々しく開幕。
チケットが飛ぶように売れ、当初の6回に加え2回の追加公演を設定とのこと、先ずはご同慶に堪えない。
シニアパワーの底力だ。
当方はその初日に出向いたが、Wキャストの「雪組」の部を観劇。

作  寺島アキ子
演出 熊本一
<  キャスト  >
工藤りつこ/中山伸枝
井川真澄/息子・和夫
松久慶子/母・タツ
森祥子 /川辺サヨ
神津晴朗/夫・雄一
高尾顕 /舅・常造
山田優 /娘・マリ子
桑原絵里子/町田綾子
安達洋義/元夫・岡部謙介
梶本悠 /娘・道子
梶本楓 /息子・健太
山田美智/上野勝代
畑中英夫/夫・精蔵
山根徹 /息子・一郎
綱本暢子/村上磯乃
斉藤誠 /夫・定冶
野々村礼子/北田久江
徳田昭男/夫・直作
寺下定信/平助

この作品は寺島アキ子が1976年に『したたかに生きた女たち』シリーズ3部作の第2作として書かれたもので、昨年末死去された寺島さんの追悼公演になった。
舞台となっているのは秋田県の鳥海山に連なる出羽山地の村。
斉藤誠によれば、初演した30数年前には、劇団員たちが現地に赴き取材をしたとのこと。
アマチュア劇団でも、上演にあたってはそこまで調査するのかと感心した。

昭和51年当時の日本の農家は、今もそうだが貧しく、出稼ぎしなければ生活が維持できなかった。
家族揃って暮らせるのは農繁期だけ、それも1年間で通算して1ヶ月ほどにしかならない。
舞台は村で一軒の雑貨屋を営む中山伸枝一家が中心となる。
伸枝自身も出稼ぎに出ていた夫を労災で亡くし、その僅かな補償金で店を開いて母と息子を養う日々だ。
店はバスの終点にあり、店内はまるで乗降客の待合所のようになっている。
年の瀬をむかえ、正月を故郷で過ごすべく東京から村に戻ってくる人たち、それを迎える人たちで店も華やぐ。
しかし家族が顔を揃えることによって、かえって様々な問題が噴出し、やがて大きな悲劇が起きてしまう・・・。
そして正月が明け、村に残る人、再び東京に出稼ぎに出る人たちを作者はあたたかい目で描く。
主人公・伸枝の最後のセリフ、「雪だって、いつかは溶ける。なんぼ降ったって、積もったって、いつかは春がくるだ。」は、いま東北大震災の被害と闘っている方々へのメッセージとして、胸に響いた。

出演者では、主役を演じた工藤りつこの演技が断然光る。
シニアの人だそうだが、かなりのキャリアを積んでいるのだろう。
この舞台の成功の半分は、彼女の力だとみた。
森祥子と桑原絵里子が熱演で舞台を締め、梶本悠らの子役が泣かせる。
寺下貞信が飄々とした風情をみせ、斉藤誠が本場の「秋田おばこ」を披露していた。
全体に演技のバラツキが大きいのと、出演者の年齢がお互いに接近していて、祖母と母と娘が同じように見えてしまうこともあった。
これらの点は、これから第2回、第3回と回を重ねる中で克服されることを期待したい。

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