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2011/04/23

自民党歴代総理は避難所をまわれ

昨日、東電の清水社長が福島第一原発周辺の避難所をめぐり謝罪を行った。
当然のことであり、むしろ遅きに失した感さえある。
しかし避難所の住民に対し、謝罪すべきなのは東電の社長だけでよいのだろうか。
今回の原発事故について、事故の発生とその後の対応に分けて考えるべきではないか。
事故後の対応について、東電首脳部の責任は免れないとしても、原発事故そのものの責任の大半は政治にある。
とりわけ原発を推進してきた自民党歴代政権は、その責任を問われる。

中曽根政権いらい、自民党はエネルギー政策の中心に原発をすえるという基本方針でのぞんできた。
原発推進を党是とするために、原発が他のエネルギーに比べ安価であらねばならない。
原発はランニングコストは安いが、設備投資に金がかかる。
コスト低減のためには、極力、設備投資を抑えねばならない。
そのためには設備の安全対策は、低く抑える。
御用学者や官僚を集めて、原発は安全だ安全だと宣伝するための「原子力安全委員会」や「保安院」といった組織をつくりあげる。
地震予知という名目のもとに研究費を援助し、政府御用達の地震研究家に地震や津波の発生を低めに予測させる。
原発建設の地元には金をバラマキ、反対派を抑え込む(沖縄の米軍基地と同じ手法)。
かくして、安全で低コストという「原発神話」を生み出してきた。
原発事業そのものは電力会社にやらせるので、事故が起きても電力会社に責任を押し付けられる。
ウマイ仕組みをつくったもんだ。
さすがは自民党、アタマいい。

電力会社は公益企業であり、100%政府の方針に従っている。
その代わり、コストと売価の関係が一般企業とは大きく異なる。
電力会社の電力料金は、発電や送電に要したコストに一定の利益を上乗せして電気料金が決まる「総括原価方式」が採用されている。
だから、あらゆるコストを上乗せできるのだ。
今回の原発事故にかかわる代替の発電所の費用や、賠償金も廃炉費用もコストに組み込まれると思われ、東電が震災に伴う損失を利用者に転嫁することも可能なわけだ。
東電が電力量を値上げするとの報道があったのは、このためだ。
賠償金が莫大なものになるだろうから、その時は税金から補てんすることになる。
いずれにしろ、事故が起きても責任はウヤムヤにして、最終的には国民自身が帳尻を合わせるという仕組みもつくりあげてきた。
やはり自民党、アタマいい。

だから歴代自民党政権の首相には法的責任はないのだろう。
しかし、ことここに至った政治家として、あるいは人間としての道義的責任はある筈だ。
もし彼らに良心というものがあるならば、歴代政府を代表して避難所をまわり謝罪して欲しいし、又そうすべきだろう。
今後の政治と国民との信頼関係のためにも、決断を促したい。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

同感です。
賠償については原子力事業賠償法の「異常に巨大な天災地変によるばあいの事業者の免責」を適用して国=国民負担とすべきだと思います。
そうして始めて国民も自民党がどういうことをして来たかを、そしてそれを自分たちが後押ししていたことを思い知るのではないでしょうか。

投稿: 佐平次 | 2011/04/23 11:30

佐平次様
原発事故に対する賠償は、どっちに転んでも国民が負担することになります。
それで果して、「国民も自民党がどういうことをして来たかを、そしてそれを自分たちが後押ししていたことを思い知る」ようになるかどうかは、残念ながら大いに疑問です。
なにせこういう時期にも拘らず、原発推進を声高に叫ぶ石原慎太郎のような人物が、知事選で圧勝したのですから。
東京都内に原発でも作らないと、目が覚めないのかも知れません。

投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/04/23 23:02

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» フクシマ賠償責任を東電に負わせることについてはちゃんと説明すべきだ 産経がいいことをいう [梟通信~ホンの戯言]
今朝の産経、社説で「原発事故賠償 許されぬ政府の責任逃れ」と題して、俺が昨日書いた点について↓「大震災がこの免責適用対象に当たるかどうかについて、菅政権が明確な判断と説明を欠いていること」を批判している。 枝野が「安易に免責などの措置がとられることは経緯と社会状況からありえないと、私の個人的見解として申し上げておく」と云って、それが既定事実化しつつあることに文句をつけたのだ。 産経っていいところがあるぜ(無過失でも追及される賠償責任を過失責任と混同している向きもあるけれど)。 このままじゃ... [続きを読む]

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