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2011/05/05

復興支援寄席「志ん生 生誕121年」in鈴本(2011/5/5)

落語協会では東日本大震災支援のための活動を行っているが、その一環として5月5日、鈴本演芸場において「志ん生 生誕121年」(このタイトルには何の意味も無かったようだ)と題する会を行った。
入り口には早朝から沢山の噺家さんたちが並んで募金活動をしていて、先ずは紙切りの正楽さんの箱へ募金した後、入場。
午前9時半開演という時間帯にかかわらず、かなりの入り。
普段の寄席より入りが良いという声も聴かれて、落語界始まって以来というノーギャラ出演の催しを、観客も後押ししている。
常連さんが多いらしく、あちこちで挨拶が交わされていた。

<  番組  >
古今亭菊生「お菊の皿」
たぶん初見。
若手に見えたが、真打になって9年になる。
師匠「圓菊」の菊と大師匠「志ん生」の生で「菊生」だそうで、名前負けしないよう頑張って欲しい。
声がよく通るし芸風は明るいし、好感が持てる。
多趣味のようだが、本職にも精を出して。「こん菊生」なんて言われないように。
金原亭世之介「堪忍袋」
先代・馬生に入門とあるが、随分と芸風が違う。
発端の夫婦喧嘩(理由に説得力あり)からオチまで、独自のクスグリを入れ込んでテンポよく聴かせてくれた。
新しい感覚で古典を、という狙いは十分に達成していた。
金原亭馬生「そば清」
珍しいネタで、「蛇含草」に良く似ているが、こちらは食い物が餅ではなく蕎麦だ。
馬生は曲食いと称して、ソバ、うどん、きし麺、とろろソバの食い分けを見事に演じ、客席から大きな拍手を受けていた。
今日初めて気が付いたのだが、馬生は高座に上がるとき、一度高座の奥に向かって進み、正面に向き直るようにして座布団に座る。
この動作は、先代・馬生によく似ているし、双方ともに踊りの名手だからこその動きの美しさだ。
こうした発見も、寄席の楽しみの一つといえる。
古今亭志ん橋「池田大助」
一般には「佐々木政談」のタイトルで知られているネタ。
その場合の奉行は佐々木信濃守だが、この日は大岡越前守だったので「池田大助」で良いのだろう。
内容は全て同一で、桶屋の綱五郎の倅四郎吉が奉行に頓智頓才を認められ、やがて武士に取り立てられるという「お裁きもの」の一つ。
権力者の奉行を、いたずら小僧がやり込めるというストーリー。
セリフの歯切れにやや難がある志ん橋には不向きかとも思われるが、この日はそうしたことはどうでも良く、ただただお客さんたちの温かい拍手が全てだった。

朝の充実した時間が過ごせると思うので、この復興支援寄席に是非みなさんも足を運んでみてください。

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コメント

>先ずは紙切りの正楽さんの箱へ募金した後、入場。
僕が色物さんの中で一番好きな方が正楽師です。
何か非常に誠実なものを感じます。

職人肌?
そういうのは単純すぎるでしょうか?
噺家さんの震災募金、僕も他所で貢献しました。

福様
良く見れば知ってる顔が並んでいたのですが、やはり正楽さんの顔が最初にパッと目につきました。
噺家さんたちも各地の落語会が中止となったり、寄席がガラガラになったりと大変な状況ですが、こうした姿勢がいつかファンに届くと信じています。

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