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2011/05/21

復興支援寄席「柳家一門会」(2011/5/21)

落語協会主催の復興支援寄席、5月21日は浅草演芸ホールでの「柳家一門会」。
地下鉄の浅草駅から仲見世、新仲見世を通り六区へ。
朝の9時前とあって、店のシャッターは閉じられていて、いつもと雰囲気が違う。
小屋の前には沢山の芸人さんたちが募金を呼び掛けていて、この日は市馬さんの箱へ募金を入れた後、場内へ。
顔づけはまるでミニ朝日名人会だ。
そのせいか入りは良く、普段の浅草の席より多いのでは。

・柳家花緑「宮戸川」
開口一番が花緑っていうんだから、豪勢な会だ。
マクラで先代小さんのエピソードを語っていたが、日頃から常に周囲に気配りをする人だったようだ。
そのお蔭で沢山の弟子が集まり育ってゆき、今の柳家一門の隆盛を迎えたというわけだ。
人気落語家に限れば、7-8割方は柳派だと言っても過言ではない。
「モチベーションの高いお客さんばかりなので、こちらのテンションも上がる。」と語っていたが、軽いネタにしてはハイテンションの高座だった。
落雷でかじりつくのが半七の方、というのが花緑の演出。
・柳亭市馬「粗忽の釘」
八つぁんが隣家で「落ち着かせてもらいます」と言って、女房との馴れ初めを語る場面が良く出来ていた。
オーソドックスで抑え気味の演出ながら、しっかりと笑わせるところはさすが。
ただネタに拘らず歌を入れるというのは、観客サービスのつもりかも知れないが、又かという気分になる。
・柳家さん八「替り目」
老けたなと思ったくらいだから、いかに久々だったか。
マクラで菅政権批判を行っていたが、まるで選挙演説みたいでやり過ぎ。
内容は共感できるにしても、芸人の政治批判はほどほどにした方が良い。
ネタに入っての出来は平凡。
・柳家小さん「ちりとてちん」
東京で「酢豆腐」が大阪に移って「ちりとてちん」。それがNHKTV小説で放映以後、東京でもこのネタで高座にかける人が増えた。
喬太郎や文左衛門らのアクの強い演出になれた落語ファンにとっては、物足りなさを感じたかも知れない。
かつてはこの小さんや先のさん八のような演出で良かったのだろうが、21世紀に入って以後に落語ファンとなった人々の眼には、どう映っただろう。
古典落語といえども、時代の波は避けられない。
落語という大衆芸能の宿命である。

それはそれとして、早朝から支援寄席や募金活動に励む芸人の皆さんには、感謝感謝。

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コメント

>古典落語といえども、時代の波は避けられない。
最近、談笑の「片棒」を聴きました。独特の演出でウケていたんですが、そのときにふとこの問題について考えました。思うに、噺家には元に忠実に演った方がよいタイプと、個性を作品に反映させた方が面白くなるタイプと、両方があるんじゃないでしょうか。

投稿: 福 | 2011/05/22 09:12

福様
いま評判の談笑、昨年から今年の初めにかけて集中的に聴きました。
独演会は大入り、客席は喜んで聴く人が多かったのですが、私はどうも感心できない。
暫らくはもういいかな、というのが私の結論でした。
談笑の古典の多くは「改作」であり、私からみると換骨奪胎ともいうべきで、オリジナルの良さを失くしているように映るのです。
私がこちらの記事で述べている「時代の波」というのは、演者のセンスを指していると考えてください。
ご指摘の点はひとつのテーマとなるようなことなので、機会がありましたら改めてエントリーしてみたいと思います。

投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/05/22 10:04

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