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2011/06/27

花形演芸会スペシャル「受賞者の会」82011/6/26)

6月26日国立演芸場で行われた『花形演芸会スペシャル「受賞者の会」』へ。
「花形演芸大賞」表彰式も行われるとあって、毎年チケットの入手に苦労する。
受賞者のファンの方も多いのだろう、会場が華やいだ雰囲気だ。

先ず、「平成22年度花形演芸大賞」の顔ぶれは次の通り。
〔大 賞〕桃月庵白酒
〔金 賞〕三遊亭兼好
     古今亭菊之丞(休演)
     林家二楽
〔銀 賞〕柳亭左龍
     菊地まどか(休演)
     三遊亭遊馬
白酒を始め各賞の人選は順当(浪曲の菊地まどかは未見だが)な所だろう。
出演する芸人にとってはやはり大賞が目標のようで、欠席だった菊之丞がメッセージで「金賞3個(彼は金賞が3回目)と大賞を交換して貰えないか云々・・」と言ったのは、半分は本気だと思う。白酒に抜かれたのは、面白かろう筈はない。
しかし二人どちらかとなれば、やはり白酒となるのは致し方あるまい。
来年は兼好か、ひょっとしたら一之輔が・、その辺りになりそうだ。

<  番組  >
前座・入船亭辰じん「金明竹」
三遊亭遊馬「佐野山」
柳亭左龍「お菊の皿」
三遊亭兼好「壷算」
―仲入り―
「平成22年度花形演芸大賞」表彰式
(司会進行役:入船亭扇辰)

入船亭扇辰「麻のれん」
林家二楽「紙切り」
桃月庵白酒「お化け長屋」

遊馬「佐野山」、先ず声がいい。様子もいい。これは落語家にとって大事な素質だ。
素直で落ち着いた高座は、スケールの大きさを感じさせる。
佐野山の心の動きが伝わらず内容はまだまだだが、将来性十分とみた。

左龍「お菊の皿」、兄弟子の喬太郎が左龍は顔で得してると言っていた事があったが、その通り。このネタなど目だけで笑いが取れる。
地味だが着実に力をつけている左龍、これからの飛躍のためにはあと何か足りない。そこが見いだせれば、お菊さん同様に化けられる。

兼好「壷算」、ここの所私にはやや低迷気味に映っていた兼好だったが、この日は良かった。
瀬戸物屋の店員に「今回は負けたけど、次はサシで勝負しましょう」「あんたは買い物上手じゃなくて詐欺です」と言わせているが、兼好の演出は店員が詐欺に引っかかったと気が付いているのだが反論できないという解釈で、そのもどかしさを表情で見せていた。
兄ぃが50銭まけさせるのに生い立ちから語るクスグリも秀逸。

扇辰「麻のれん」、自分は金賞止まりだったと一言嫌味をいって本題へ。
師匠の十八番だが、もし初めてこのネタを聴くとしたら、扇辰の方が分かり易いと思う。
扇辰の良さは折り目正しい本寸法であるのと、分かり易さだ。つまり丁寧な高座ということ。
按摩が湯呑に指を入れて酒の量を測りながら呑むシーンや、枝豆をきちんと三つずつ口に入れるシーンなど、師匠譲りながら見事で客席は感心の態。
兄貴分の貫録をみせつけた一席。

白酒「お化け長屋」、兼好から「大賞の芸が楽しみ」とプレッシャーをかけられていた白酒。授賞式では小さなガッツポーズも見せていたが、やはり緊張が隠せず、いつもより大人し目の滑り出し。
このネタに対する白酒の解釈は、古狸の杢兵衛から聞かされた怪談話を職人が「作り話だろう」と言う。つまりこれが全てフィクションだと見抜いていたという設定だ。
だから杢兵衛の一言一言にその矛盾をついて楽しんでいる。
これが例えば圓生の場合だと、職人は幽霊が出るかも知れないが怖がらないという人間として設定されている。
解釈が異なれば、演出も違ってくる。
杢兵衛が慌てふためく様も良く出来ていて、大賞に相応しい高座だった。

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コメント

白酒のチケットが、ますます取りにくくなるのは困りますが、順当な結果ですね。
日曜は落語会に行かないことにしており、この会は一度も行けていないので、ほめ・くさんや他の皆さんのブログのお世話になりっぱなし^^
兼好は果たして来年「大賞」を取れるのか、楽しみです。
また、一之輔が来年真打になる可能性は五分五分かと思っていますが、実力重視の小三治会長の采配に期待しています。

小言幸兵衛様
一之輔は今月の花形演芸会で、他の真打をさしおいてトリを取っています。もう実力真打として公認済みなんでしょう。
兼好が枕で、落語ばかりはいくら努力しても、それでお客が喜んでくれるとは限らない。何に向かってけば良いのか、分らなく時があるというような事を言ってましたが、その通りなんでしょうね。
白酒は、客は自分の落語が面白くて笑うんではなく、自分の存在そのものが笑われているんだと思うと語っていましたが、それは謙遜でしょう。
この人はよく勉強しているし、努力家です。そうでなければ、あれだけの水準の高座は務まりません。

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