#9ストラディヴァリウス サミット・コンサート(2011/6/5)
6月5日、サントリーホールで行われた「第9回ストラディヴァリウス サミット・コンサート2011」を鑑賞。
このコンサートは元々、ミューザ川崎シンフォニーホールにて開催を予定してのだが、3月11日の地震でホールの天井材が落下する被害が発生したため、こちらへの振替え公演となったもの。
場所も開演時間も変更になって戸惑った人も多かっただろうが、入りを見る限りでは殆んどの人が参加したようだ。
それにしても、あの程度の揺れで天井落下とは、ミューザ川崎はお粗末。
もし開演中なら惨事を引き起こすとこだった。
現在、原因を調査しているようだが、欠陥建築だろう。
福島第一原発もそうだが、”安全な筈”と”安全だ”は別問題。あっちも工事に欠陥があった可能性もある。
コンサートのタイトルだが、ストラディヴァリウスが11台集結とある。
その内訳は、幻の銘器 ヴィオラ「グスタフ・マーラー」(1672年製作)と、日本人が初めて所有したストラディヴァリウス ヴァイオリン「キング・ジョージⅢ」(1710年製作)など7台のヴァイオリン、2台のヴィオラ、2台のチェロから成り、その時価総額は約90億円だそうだ。
家を出る前に古くからいる同居人にこれを説明したら、「なんだか趣味悪そうね」と嘲笑されてしまった。
ゲージツの分からない人と議論してもムダなので、無視して出かける。
< 演奏プログラム >
◆モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 KV136
Mozart: Divertimento in D Major KV136
◆チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ(弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 作品11より)
ノクターン ニ短調(6つの小品 作品19より編曲)
Tschaikovsky: Andante Cantabile / Nocturne op.19
◆モーツァルト:セレナーデ第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ト長調 KV525
Mozart: Serenade No.13 G Major KV525 “Eine kleine Nachtmusik”
―休憩―
◆ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意の試み」より「四季」
Vivaldi:“The Four Seasons” from the Contest between Harmony and Invention op.8..
演奏者はベルリン・フィルハーモニック・ストラディヴァリ・ソロイスツ。
世界最高のオーケストラ、ベルリン・フィルのメンバーを中心とした公式な弦楽アンサンブル。
楽器は前記の11台にコントラバス1台とチェンバロ1台が加わり、総勢13名というメンバー。
音楽ってぇくらいだから、先ず音が良くなくっちゃいけない。
当たり前だと言われそうだが、これがそうでも無いのよ。
今回の演奏会は名手が名器を弾くわけで、早くいえば「鬼に金棒」「噺家に祝儀」、悪ろう筈がない。
実に結構な音色でしたな。
ヴァイオリンやヴィオラの華やかな音に聞きほれ、チェロの重低音の響きにウットリ。
それと弦楽器にチェンバロが1丁加わると、随分と印象が変わる。
鍵盤楽器は打楽器だと前に読んだことがあるけど、この日それを実感した。
プログラムがポピュラーな曲が多いのも良かった。
知ってる曲だと、音の方に集中できる。
演奏終了後、演者の一人が日本語で挨拶、大震災へのお見舞いの言葉と、亡くなられた方々への魂に贈るということで、アンコールを弾いてくれた。
「G線上のアリア」は心に沁みましたね。
ハートフルなコンサートで、とても良かった。
各地で開かれた彼らの演奏会はこの日が最終日、彼らも名器と共にベルリンへ戻る。
「名器は遠くなりにけり」。
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