自民党こそ「集団ヒステリー」
自民党の石原伸晃幹事長は6月14日の記者会見で、イタリアの国民投票で原発反対派が多数だったことについて「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」と語った。
また「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、国民投票で9割が原発反対だから、やめましょうという簡単な問題ではない」とも述べた。
いささか不謹慎とも思える発言だが、原発推進を党是としてきた自民党にとって、スイス、ドイツに次ぐイタリアの反原発の動向には、相当イライラが募っているに違いない。
この発言は、最近の我が国での世論調査で、次第に脱原発への支持が高まりつつあることも、念頭においたものだろう。
国民の9割が反対しようと、自民党としてはあくまで原発推進の方針は変えないという決意表明とも受け止められる。
そうであれば、自民党として原発の安全性確保について、どのような政策を持っているのだろうか。
停止あるいは休止中の原発を再稼働させるにあたり、地元の了解を含めたどのようなプログラムを提示するつもりなのか、さっぱり分からない。
それ以前に、従来の原発推進政策をこのまま続けるのか、それとも再検討や手直しを行うかさえ不明確だ。
近ごろの自民党といえば、被災者への救済や被災地の復興などそっちのけで、専ら「政局」にうつつを抜かす毎日だ。
先日の小沢一郎に踊らされた内閣不信任案騒ぎ、あれこそ集団ヒステリーだった。
その後、国会質問では菅首相の辞任はいつかといった質問ばかり眼につく。
ナントカのひとつ覚え。
そして例の「大連立狂想曲」。
中味といえば、政権を維持したい民主党と、なんとか政権に参加したい自民党との、政策なき「野合」だ。
元々彼らにとっては、国民生活など、どうでも良いのだろう。
こんな事ばかりやってるから、民主党が自爆ともいうべき大コケしているのに、自民党の支持率が一向に上がらないのだ。
石原幹事長殿へ、イタリアの心配より先に、日本の将来を心配したら。
慎太郎の息子じゃムリか。
« この噺にはこの噺家(き-け) | トップページ | この噺にはこの噺家(こ) »
「ニュース」カテゴリの記事
- 小室夫妻がそんなに気になるのか(2022.11.01)
- 英国エリザベス女王の死去(2022.09.09)
- 「ひろゆき」って意外に世間知らずだね(2022.08.29)
- 安倍晋三元首相への国会の追悼演説の人選(2022.07.28)
- 派閥の長が統一協会票を割り振っていた(2022.07.21)
やっぱり民主党じゃダメか、と思い始めていたところへこの発言、水をかけられた思いです。
民主党は頼りにならない、自民党は怖い。一体どうすりゃ?
政界再編成ですね。脱原発は政治経済思想の基本を貫く判断軸になります。
投稿: 佐平次 | 2011/06/15 10:03
佐平次様
昨日、自民党の「エネルギー政策議員連盟」の発足会が開かれ、今後の原発新規立地の見合わせなどの項目について、検討することが決まっています。
その一方で、この石原幹事長の「集団ヒステリー」発言。
いったい自民党はこれからどっちへ向いて進むのか、五里霧中です。
とにかく「政局ゴッコ」だけは、いい加減にしろと言いたい。
投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/06/15 10:39