この噺にはこの噺家(ち-て)
ちきり伊勢屋 |
(6)三遊亭圓生 |
千早ふる |
瀧川鯉昇 |
茶金(はてなの茶碗) |
(10)金原亭馬生 |
茶の湯 |
瀧川鯉昇 |
長者番付 |
(3)桂三木助 |
長短 |
(5)柳家小さん |
提灯屋 |
(5)柳家小さん |
町内の若い衆 |
(5)三遊亭圓楽 |
ちりとてちん |
橘家文左衛門 |
付き馬 |
(10)金原亭馬生 |
突落し |
(6)三遊亭圓生 |
搗屋幸兵衛 |
(5)古今亭志ん生 |
佃祭り |
古今亭志ん朝 |
壺算 |
三遊亭兼好 |
つる |
桃月庵白酒 |
つるつる |
(8)桂文楽 |
手紙無筆 |
(5)柳家小さん |
出来心 |
柳家小三冶 |
鉄拐 |
立川談志 |
てれすこ |
(6)三遊亭圓生 |
天狗裁き |
(5)古今亭志ん生 |
天災 |
(5)柳家小さん |
転失気 |
(3)三遊亭金馬 |
転宅 |
(3)三遊亭金馬 |
無銭飲食や詐欺がテーマのネタが並びます。
先ずは「付き馬」、志ん生父子3人いずれも名演で迷いましたが、好みで馬生を採りました。
より悪質なのは「突落し」で、高座にかけるのを嫌がる人もいるそうですが、ここは圓生。
「壺算」の瀬戸物屋の主が、明らかに詐欺に引っ掛かっていると分かりながら、相手に反論できないもどかしさを表現した兼好に。日常生活でもしばしばこうした事は起き、インチキ宗教に騙されて高価な「壷」を買わされるなんてぇ事件は後を絶ちません。
「茶金(はてなの茶碗)」では骨董屋の主・茶金さんの品と風格が大事で、これは西の米朝、東の馬生です。
先代小さんと三木助、芸風が随分と違うような印象を受けますが、実はとても仲が良くてネタの交換をしています。「長者番付」の三木助と「長短」の小さんはその一例で、だから二人をそっくり入れ替えても成り立ちます。
初登場の瀧川鯉昇、ネタも勿論のこと、今日は何秒間黙っているか、マクラの貧乏噺はどれで来るのかといった楽しみもあります。気怠そうにマクラを振りながら、ネタに入ると熱演になる、喜多八との共通点ですね。何しろ他人の独演会でゲストに招かれ、40分かけて「船徳」を演っちゃう人ですから。
今回で全体の約3分の2が終りました。
残りはボチボチと。
« このサッカー少年には罪がない | トップページ | ウ~~ン「おもいのまま」(2011/7/2) »
「落語BEST」カテゴリの記事
- 「この噺にはこの噺家」全リスト(2012.01.31)
- この噺にはこの噺家(補遺)最終回(2011.08.22)
- この噺にはこの噺家(や-ん)(2011.08.20)
- この噺にはこの噺家(ほ-も)(2011.08.15)
- この噺にはこの噺家(ひ-へ)(2011.07.09)
最初、『長者番付』と『長短』を見て、「あれ、逆でしょ。ほめ・くさんでも間違うことあるんだな」と、勝手に思ってました^^
しかし、解説を読んで納得です。
鯉昇の満を持しての登場に拍手です。この二つのネタには異論なし!
私は『ちりとてちん』も鯉昇だと思っています。その場合、『茶の湯』を、やや荒削りながら一之輔に譲ってもいいかな、と思います。
ここまで現役が並んだのなら、『転宅』を喬太郎、という案はいかがでしょうか。
投稿: 小言幸兵衛 | 2011/07/01 18:27
小言幸兵衛様
「転宅」は現役では喬太郎、白酒といった辺りかと思われますが、海千山千の婀娜な年増という二号の造形からいえば、やはり三代目金馬がベストです。
「ちん」は喬太郎、鯉昇、扇遊など其々良さがありますが、ここは十八番にしている力技の文左衛門にしました。
「茶の湯」の一之輔はまだまだです。
投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/07/01 23:30
「天災」ザ落語というべき噺。
私的には江戸前の男こと先代柳朝と談志一門、特に龍志かと思っていましたが、五代目小さんなんですね。あの師のレパートリーの広さには今更ながら驚くばかりです。
投稿: 福 | 2011/07/03 13:52
福様
「天災」は5代目小さんの十八番の一つで、その流れが弟子の小三冶、談志らへとなっています。
もう一人は彦六で、弟子の先代柳朝や孫弟子の一朝へと伝わっています。
とにかく小さんは凄い存在で、正に「天才」。
投稿: home-9(ほめ・く) | 2011/07/03 15:09