ひとり芝居「杉村春子物語~忘れ得ぬひと~」(2011/8/11昼)
ブログをやらせて頂きます。
アタシの話ってぇのは、初めはあんまり面白くない。
中程までいくと退屈しますが、これがお終いまでいくってぇと眠気を催します。
と、先ずは4代目柳好流に再開宣言。
8月11日昼、紀伊国屋ホールで行われた二宮さよ子のひとり芝居「杉村春子物語~忘れ得ぬひと~」へ。
高齢者が多いのと、着こなしの良い着物姿のご婦人が目につく。
名優の舞台は出来るだけ観るようにしているが、杉村春子は観そこなってしまったというのが観劇の動機。
本作品は2007年に初演、今回が再演。
脚本:石川耕士
演出:栗田芳宏
出演:二宮さよ子
文学座における杉村春子というのがあまりに偉大過ぎて、脚本の石川耕士にとっても、25年間彼女を師と仰いだ二宮さよ子にとっても、雲の上のような存在だったのだろう。
その思い入れが深すぎるのか、脚本も演技(熱演だったが)も空回りして、意図がこちらに伝わってこない。
作品を通して観客に何を訴えたかったのか、最後まで不明瞭だったように思う。
杉村春子自身の「女の一生」を描くでもなし、そこに二宮さよ子の人生が投影されているわけでもない。
最終幕の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」のシーンのみが印象に残る、単調な芝居になってしまった。
それと一人で2時間を超す長丁場の芝居なので、もう少し娯楽性が欲しい。
冒頭の柳好のマクラじゃないが、少々退屈した。
現に私の席の両隣と前の席のオジサンたちは、ほとんど熟睡状態だった。
台本も演技も、いちど杉村春子への過剰な思い入れを外して、客観的な視線で杉村の波乱の人生を描き直してみたらどうだろうか。
一人芝居の「化粧二幕」に匹敵するような作品が生まれる可能性は十分あると思うのだが。
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