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« 【寄席な人々】「名人」は遠くなりにけり | トップページ | 松井誠・ひとり芝居「花顔」(2011/8/20昼) »

2011/08/20

この噺にはこの噺家(や-ん)

やかん (5)春風亭柳朝 
やかんなめ 柳家小三冶 
厄はらい  (8)桂文楽 
弥次郎  (6)三遊亭圓生 
安兵衛狐  (5)古今亭志ん生 
宿屋の仇討ち (3)桂三木助 
宿屋の富  立川談志 
柳田格之進  古今亭志ん朝 
柳の馬場  (8)林家正蔵 
薮入り  (3)三遊亭金馬 
山崎屋  (3)三遊亭金馬 
夕立勘五郎  古今亭志ん輔 
雪の瀬川  柳家さん喬 
夢金  古今亭志ん朝 
夢の酒  (8)桂文楽 
湯屋番  (3)三遊亭金馬 
よかちょろ  (8)桂文楽 
四段目  (2)三遊亭円歌 
淀五郎  (6)三遊亭圓生 
寄合酒  (3)三遊亭金馬 
らくだ  (8)三笑亭可楽 
ラブレター  (4)柳亭痴楽 
悋気の独楽   
悋気の火の玉  (8)桂文楽 
六尺棒  (9)桂文治 
ろくろ首  (5)柳家小さん 
藁人形  (5)古今亭今輔 
ん廻し  (6)三遊亭圓生 

 

今回は8代目文楽の名が目立ちます。黒門町の十八番というと、「富久」「船徳」「明烏」などの大ネタが思い浮かぶのですが、ここにあげた「よかちょろ」や「悋気の火の玉」は、いかにも文楽らしさが出ていると思います。
演じ手の多い「やかん」は、談志か柳朝か迷いましたが、八五郎のいかにも江戸っ子らしい気風の良さで5代目柳朝です。但し後半の講釈だけをとれば断然金馬。
「宿屋の富」は、二番富が当たると信じている兄ぃの造形が見事な談志。
「四段目」は、蔵に入れられる小僧がなんとも可愛らしい2代目円歌。普通は圓歌ですが、この人だけは円歌。噺家の名前は難しい。
「湯屋番」はこのネタに相応しく明るくて解りやすい3代目金馬。三遊なのに「奴湯」で演っていますが。
「淀五郎」の圓生、「寄合酒」の金馬、「らくだ」の可楽は鉄板です。
面白いのは若かりし頃の志ん生が、この「ラブレター」や「桃太郎」をしばしば高座にかけていたそうですが、音源が残っておりません。

「夕立勘五郎」で志ん輔が初登場ですが、どうも何を演っても志ん朝を比べてしまい、この人には点数が辛くなります。
「悋気の独楽」は、東京の落語家の市販音源が見当たらず、現役の出来も今ひとつなのでブランクにしています。どなたか推薦があったら教えてください。

これで“あ~ん”まで終わりましたが、いくつか抜けている演目がみつかり、次回に「補遺」としてリストアップします。
そこで最終回となりますので、もう一回お付き合いください。

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コメント

金馬の「薮入り」は泣けてくるのが玉に傷^^。
「宿屋の富」は柳好も好きです。

佐平次様
金馬の「薮入り」、私もついつい涙腺が緩んでしまいます。金馬自身の創作落語に近いですし、父親の倅に対する不器用な愛情表現はやはりこの人でしょう。
「宿屋の富」は新旧入り混じって名演が多く、一番迷いました。好みから言えば、談志か志ん朝、先代の柳朝といった処になります。

「夕立勘五郎」で志ん輔が初登場、なるほど頷けます。
「安兵衛狐」は上方では「天神山」ですが、上方の噺家さんは結構頻繁に演じていますが、志ん生以降東京の噺家さんがなかなか高座にかけなかったように思います。ですから末広亭で馬石で聞いた時、妙にうれしかった記憶があります。
「悋気の独楽」は、たしかに難しいですね。前座噺とは言い切れないし、かといってあまり深いところでかかるネタでもない。だから二ツ目さんや若い真打で聞く機会が多いこともあって、コレというお奨めはないですね。
「宿屋の仇討ち」は、柳朝と三木助で迷います。
「四段目」は柳枝、これは譲れません^^
「補遺」のオマケも楽しみです!

小言幸兵衛様
ご存知の通り、戦前の東京落語は文字通り東京出身者のものでした。
戦前入門の噺家の中で地方出身であった2代目円歌や5代目今輔は差別を受けて、随分と苦労したと伝えられています。
そのために二人とも戦後は新作落語を中心に売れていったのですが、それだけに彼らの古典というのは東京落語の古き伝統をそのまま受け継ぐ形となりました。
今回の二人の選択は、そうした背景も考慮したものです。

「弥次郎」が誰になるか、楽しみでした。というのも、子供のころ、先代の円楽がTVで演じていたのを鮮明に覚えているからです。例の九九のクスグリも可笑しくて・・・選ばれたのはその師円生でしたか。受け継ぐものを感じます。
「悋気の独楽 」寄席で聴いた中では三三がよかったと思います。

福様
「弥次郎」は圓生だと少し暗い感じになるので、先代圓楽の方が向いているかも知れません。
「悋気の独楽 」の三三は未聴なので、一度聴いてみたいと思います。
個人的には白酒が演ったら面白いと思うんですけど。

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