「この噺にはこの噺家」ランキング
「この噺にはこの噺家」番外編(オマケ、いや蛇足かな)ということで。
本シリーズでリストアップした演目は全364席、登場した噺家は新旧で合計80名となりました。
そこで「この噺家」として選択された頻度(ポイント)のランキングを作成したところ、以下の様になりました。
ポイント数だけで噺家の優劣は決められませんが、ある程度の傾向は出ているようです。
噺家 ポイント
1 (6)三遊亭圓生 46
2 (5)古今亭志ん生 30
3 (5)柳家小さん 29
4 (3)三遊亭金馬 27
5 古今亭志ん朝 24
6 (8)桂文楽 20
7 (3)桂三木助 14
8 (10)金原亭馬生 11
9 (8)春風亭柳枝 9
10 (8)林家正蔵 8
BEST‐10全員が物故者で、いわゆる昭和の名人上手が顔を揃える結果となりました。
選んだ人間が古いというのも理由のひとつでしょうが、現役の落語家(談志は別格として)で上記の人々を超えるような実力を持つ人は、現時点では現れていません。扇辰、喬太郎、三三、白酒、兼好、一之輔らのこれからの成長を楽しみにしています。
昭和30年代に東横落語会というのがあって、レギュラーが文楽、志ん生、圓生、三木助、小さんの5人でした。上記の結果をみると、やはりこの5人のポイントが高い。
なかでも圓生は断トツで、あらゆるジャンルの演目を高い水準で演じた実力の反映です。
志ん生や小さんは持ちネタが多く、その分持ちネタが少なかった文楽や、50代で早死にした三木助を数で上回っています。
馬生と柳枝も50代で亡くなっていて、長生きしていれば落語界の地図も変わっていたかも知れません。
彦六の正蔵は独特の語り口で、人情噺や怪談噺に足跡を残しています。
金馬は滑稽噺の名手で、その明るく解かりやすい芸は戦後ラジオを通して、全国津々浦々に落語の魅力を普及させました。当時の落語ファンの多くは金馬ファンでした。
志ん朝は何を演らせても上手い人でした。
サラリーマン現役時代、休日の度に都内や近県での独演会を追いかけていた思い出が残ります。
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