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2011/09/29

「反韓流」の不可解

最近やや下火になった感がある「反韓流」だが、一時期は韓国ドラマを多数放送しているフジTVへのデモも行われて大騒ぎだった。
お断りしておくが、私は韓流ドラマというものを観たことがない。
食わず嫌いといってはそれまでだが、番宣で予告編を何度か観たが、あまりに作りが安っぽいので観る気が起きなかったのだ。
しかし観て楽しいという人がいても、それは好きずきだから否定はしない。
だから放送局にデモをかけたり、スポンサー企業に嫌がらせしたりするのは、どうも解せないのだ。

「韓流ドラマ」に最初に火をつけたのは、NHKだ。BSを中心に、これでもかという程日々放映していた。
しかもあの放映権料は、我々の受信料から支出されている。「韓流」を批判するなら、なぜあの時にNHKに抗議デモを起こさなかったのだろうか。

我が家にTVが入ったのは、私が高校生の時だった。
当時の人気ドラマといえば、その多くが米国産だった。毎日、夢中になって観ていたものだ。
これはアメリカの文化侵略の一環だというような声は、ほとんで聞かれなかった。
やがて米国産ドラマは淘汰され、人気は国産ドラマに移る。
理由は、日本のTV局が制作する番組の質が上がったからだ。
日本製ドラマは海外でも評価され、アジアを中心に世界各国に輸出されるようになる。日本のドラマを放送するのはケシカランと、海外でデモが起きたという話は聞いたことがない。
大きくみれば、文化は高い所から低い所に流れるものなのだ。

むしろ問題とすべきは、日本のTV局の現状だろう。
ドラマの多くは制作会社が作り、局はそれを流すだけに成り下がってしまった。
そうなれば、安い費用で視聴率さえ取れれば、どこの国のドラマでも良いことになる。
問題とすべきは「韓流」ではなく、文化の担い手を放棄してしまった放送局側にある。

もしこれがアメリカやフランスのドラマだったら、あの人たちは抗議デモをしただろうか。やらないだろう。
デモの写真では日の丸が林立していたが、してみると実態はドラマ批判に名を借りた「反韓国」デモだったのではなかろうか。
それなら正々堂々と政治行動を起こせばよい。向かう先はTV局ではなく、ソウルか韓国大使館だ。
TV局へのデモでお茶を濁すのであれば、偏狭なナショナリズムの自己満足に終わるだけだ。

「反韓国」を旗印にしているフジ・サンケイGが、韓国ドラマにはご執心なのは、こちらも不可解。

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