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2011/09/17

「落語協会」真打昇進を改革か

既に他のサイトでもとり上げられているが、「落語協会」の来年度の新真打昇進者が決定した。
9月15日付の協会からのお知らせによると、次の通り。

新真打昇進決定
2012年 春に春風亭一之輔(春風亭一朝門下)
2012年 秋に古今亭朝太(古今亭志ん橋門下)、古今亭菊六(古今亭圓菊門下)が真打に昇進することが決定いたしました。

いつ真打になるか、固唾を飲んで見守ってきた一之輔ファンには、朗報に違いない。
噺家の世界には「香盤」という、相撲の番付のような順位表がある。
その順位を飛び越えて昇進することを「〇人抜き」と称しているが、上記3人についてそれぞれの昇進時に、
一之輔 21人抜き
朝太 8人抜き
菊六 28人抜き
ということになると思う(計算ミスがなければ)。
特に一之輔と菊六は、最近では異例の抜擢ということと、二人ともNHK新人演芸大賞を受賞していることから、今後はコンクールの受賞歴が昇進を左右するようになるのかも知れない。
それとは別に、二人とも地道に独演会を行ってきたことも考慮されたのだろう。
(朝太に関しては予備知識がなくてスミマセン。)

五代目小さんが協会会長に就いた1972年以後、長期にわたり、ほぼ年功序列によって昇進が行なわれてきた(例外はあるが)。
落語家に入門が許され数か月すると前座になり、3-4年で二ツ目、そこから10年前後で真打というのがおよその目安だった。
小朝のように4年で真打などというのは極めて稀な例だった。
その結果、実力の伴わない「名ばかり真打」が量産されることになり、一部の落語ファンからは不満の声も上がっていた。
それなら実力主義にすれば良いのだが、そうもいかない事情もある。
師匠方からすれば、自分の弟子を早く昇進させたいと思うのは人情というものであり、制度の在り方や運用を一歩間違うと、圓生や談志の協会脱退などのような内紛に発展しかねないのだ。
今回だって、飛び越された方には不満が残るだろう。
寄席の席亭さんたちの意向も大きく作用する。
だから制度変更は、よほど慎重にやらねばならないわけだ。

今回の昇進発表をもって、落語協会の昇進制度が年功から実力本位に変わったと即断はできないが、改革へ一歩踏み出した予感がする。
真打のお墨付きは、業界としての品質保証だと思う。
2010年に協会会長に就任した柳家小三冶が、満を持して制度改革の乗り出したとすれば、いち愛好家として大いに期待したい。

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コメント

柳家の力ということも背景にはあるのでしょうか。
橋下についてはほんとに警戒しなければと思います。
野田も一歩間違うと翼賛政治に道を空けそうな危惧があります。

投稿: 佐平次 | 2011/09/17 10:50

佐平次様
今年1年昇進を見送ったのも、やはり体制固めが必要だったんでしょう。
今回の昇進者に柳家がゼロだったのも、その辺りへの配慮かも知れません。
橋下知事は狂気としか見えません。こういう人物に人気が集まる世相にも、危機感を持ってしまいます。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2011/09/17 11:16

僕は菊六の「やかん」が大好きです。
容姿にも華があって、今後ますます人気が出ると思います。

この真打昇進制度を巡っては様々な葛藤があったわけですね。
それ自体、噺になりそうなほど。

投稿: 福 | 2011/09/18 09:00

福様
落語協会というのは、相撲協会に似ていて一門の連合体のような組織です。
それに席亭の発言力も強い。
昇進制度は利害が絡む問題ですから、改革は相当大変だと思います。
来年は取り敢えず今回のような昇進の形になりますが、その先は未だ分からないと私は思っています。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2011/09/18 09:42

小三治は末広亭での出番を休演して池袋の二ツ目勉強会に顔を出した、というニュースもありました。相当に腹を決めての英断だと思います。
今後いろいろゴタゴタがあるかもしれませんが、抜かれた先輩二ツ目とその師匠、そして前座を含む若手が、「頑張れば報われる」と奮起して全体が前向きになることを期待します。

投稿: 小言幸兵衛 | 2011/09/18 09:49

小言幸兵衛様
今回の昇進の件で、協会あるいは会長から何らかのメッセージが出ると理解し易いのですが、その辺りはどうなんでしょう。
いずれにしろ改革に向けて一歩を踏み出したという点は、大いに評価できると思います。

投稿: HOME-9(ほめ・く) | 2011/09/18 10:14

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